親鸞聖人750回大遠忌法要は無事円成いたしました。多くの方々のご参拝、誠にありがとうございました。
親鸞聖人750回大遠忌宗門長期振興計画

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本願寺角坊境内地整備工事について

親鸞聖人750回大遠忌宗門長期振興計画「宗務機能の整備・拡充」のうち、重点項目⑮「境内地等の整備」の一環として、本願寺角坊(すみのぼう)境内地整備工事を実施し、昨年平成22年12月をもって竣工いたしました。今回はその事業の経過・概要についてお伝えいたします

1 はじめに

 本願寺角坊(以下、角坊)は、親鸞聖人600回大遠忌(文久元年〔1861〕)のご修行に際し、本願寺第二十代宗主(しゅうしゅ)広(こう)如上人(にょしょうにん)が、親鸞聖人ご往生の地を考証され、『御伝鈔(ごでんしょう)』の「長安馮翊(ちょうあんふよく)の辺(ほとり)、押小路(おしこうじ)の南、万里小路(までのこうじ)より東(ひんがし)」の記述等を典拠に坊舎を建立(安政4年〔1857〕)、本願寺角坊別院としたのが始まりです。
 平成20(2008)年11月に「本願寺」に「本願寺角坊別院」を吸収合併、本願寺の飛地境内とし、新たに角坊として老朽化した諸建物の新築をはじめとする、境内地整備工事を行うこととなりました。

2 事業経過・概要

 角坊の境内地整備工事にあたっては、親鸞聖人750回大遠忌宗門長期振興計画推進協議会第二部会にて、今後の周辺地域の動態や団体参拝の受け入れ、中央仏教学院等を含めた施設の活用面を考慮した修復案・新築案など種々の検討がなされ、委員による現地の視察などを経て木造の新築工事にて進めることとなりました。
 新本堂は旧本堂と同規模で計画され、以前は各々別棟となっていた元本堂(別院創建当初の本堂)・書院・寺務所・客殿などの機能を集約した寺務所・集会所棟を本堂横に併設、渡り廊下で接続する形態とし、さらに建築士と協議を重ね、詳細にわたる設計図面が作成されました。
 以下、経過並びに工事の概要をご説明いたしますと、平成21年9月に工事着工し、山門・鐘楼(しょうろう)・手水舎(ちょうずや)及び仮本堂となる元本堂を残し、本堂・書院・寺務所・客殿などの建物を解体した後、11月に起工式を執り行いました。
 同年12月に、木造建物を建設する上で最も重要な第一段階と言える、良質材の選定・検品をまず行い、次に本堂・寺務所建物の基礎工事を平成22年1月までに完了、建て方の準備に移りました。
 本堂を覆う素屋根が架けられ、本堂木組みの建て方が本格化する中、同年4月に屋根瓦の検品を行い、並行して寺務所建物の建て方に着手。8月末には本堂・寺務所建物の屋根工事が完了し素屋根解体、渡り廊下の施工と進みました。以降各所の仕上げ工程と並行して外構工事も進め、この工事の期間中仮本堂として残されていた元本堂も10月に解体を行い、参道・造園工事並びに山門の移築・塀の新設及び改修・駐車場の整備、鐘楼改修、手水舎の改修と順を追って執り行いました。
 10月末には本堂・寺務所建物がほぼ完成し、本堂内陣(ないじん)床の摺り漆(すりうるし)工事を経て12月中旬に引き渡しを受け、直ちに仏具の納品・設置を行い、12月下旬に竣工式が無事執り行われ、ここに本工事は完成をみました。

3 おわりに

 旧角坊別院本堂と同様に六間四面にて新築された本堂は、内陣正面に掲げられた広如上人ご染筆(せんぴつ)や、石碑等にも示されていることに由来し、名称が「還浄殿(げんじょうでん)」と定められました。また、左右欄間(らんま)には御絵伝(ごえでん)を基に制作された聖人ご往生の様子が彫刻・装飾されております。さらに、集会所の間仕切部分には旧角坊別院書院にありました欄間を設置、併せて「桜花麝香図襖(おうかじゃこうずふすま)」が修復され、表装も新たにしつらえられております。
 御池(おいけ)通に面する形で移設されました山門前には、三条通にありました「親鸞聖人御往生之地」の石碑を設置し、戦後に別院に戻ったとされる、旧親鸞聖人像の笠が掲げられております。
 いよいよ親鸞聖人750回大遠忌法要をお迎えするにあたり、皆様には是非一新整備されました、宗祖のご聖地であります角坊にご参拝いただきたいと存じます。 (財務部)

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