法話(ご親教)

2017(平成29)年 秋の法要(全国門徒総追悼法要) 【2017(平成29)年11月23日】

自己中心的な姿知らされて

 本日は、ようこそ全国門徒総追悼法要(秋の法要)へお参りくださいました。この法要は、この一年間にご往生された全国のご門徒の方を追悼する法要であります。亡くなられた方を偲(しの)び、浄土真宗のみ教えを聞かせていただくご縁といたしましょう。
 本日は、浄土真宗のみ教えに基づいた私たち念仏者の生き方を考えてみたいと思います。
 浄土真宗のみ教えは、自己中心的なとらわれを離れることのできない私たちが、智慧(ちえ)と慈悲(じひ)の仏さまである阿弥陀如来のおはたらきの中で、この命を精一杯生きていくというものです。私たちは、私自身はもちろんのこと、親しい方など、すべての命は限りあるものであるということを知識として理解することはできますが、とらわれの心から一歩たりとも離れられない以上、そのことを本当に理解することは困難です。
 しかしながら、阿弥陀さまのおはたらきを聞かせていただくことによって、自分自身の真実の姿、自己中心的な姿を知らされながらも、阿弥陀さまのお心に導かれて、他の人々と共に手を携(たずさ)え、限りあるこの命を大切に生きていくことができます。先にご往生され、仏さまとなられた方々も、そう願われています。

地球規模の課題 少しでも

 さて、先日、築地本願寺で行われた伝灯奉告法要首都圏協賛行事のシンポジウムにおいて「SDGs(エスディージーズ)」ということを取り上げました。「SDGs 持続可能な開発目標」は、2015年に国連で全会一致で採択されたもので、地球環境と人々の暮らしを持続的なものとするため、深刻化する地球規模の課題にともに取り組み、人類の未来を切り開いていくことを目指したものです。「誰一人取り残さない―No one will be left behind(ノー ワン ウィル ビー レフト ビハインド)」を理念として、そこで取り上げられた課題には、2030年までに達成する「貧困」「教育」「ジェンダー」「不平等」「平和」など世界を変革するための17の目標が掲げられています。その背景には、今のままでは人間が存在することのできない地球になってしまうという強い危機感があります。
 阿弥陀さまのおはたらきの中で、自己中心的な身であるということを知らされている私たちであるからこそ、その生き方は、社会の課題に取り組み、少しでもそれを良くする方向に向くのではないでしょうか。
 今年の全国門徒総追悼法要(秋の法要)にあたり、今日まで受け継がれてきた浄土真宗のみ教えを依(よ)りどころとする念仏者の生き方を共々に考え、今日からの日々を過ごしてまいりましょう。
 本日はようこそご参拝くださいました。

本願寺新報2017(平成29)年12月20日号掲載
(ホームページ用に体裁、ふりがな等を調整しております)

一覧に戻る

ホームご門主のお言葉2017(平成29)年 秋の法要(全国門徒総追悼法要) 【2017(平成29)年11月23日】

ページの先頭へ戻る