実践運動

大阪教区三郡組西教寺 お寺は子どもの居場所「てらこやハッピー」

2018年04月

  • 近畿

◆地域の子どもたちにできること

 大阪府和泉市にある西教寺(浅井了明住職・るり子坊守)。本堂をはじめとする建物は国の登録有形文化財に指定されており、前庭の中央に立ついぶきの巨木は、大阪府の天然記念物に登録されています。その歴史ある西教寺で月1回、開かれているのが「てらこやハッピー」です。
 今の時代は親の仕事の関係など、さまざまな理由からひとりで食事をする子どもが増えています。住職と坊守は、お寺から少し離れた泉北ニュータウンで認定こども園光明台幼稚園を運営していて、毎日会う幼稚園の子どもたちのことはよく知っていますが、地元の子どもたちと関わる機会が少なく、地元の子どもたちのためにできることはないかと常々考えていました。
 西教寺には平成6年にご門徒の浄財等で建てた門徒会館があり、大きな厨房には100人分ほどの食器が揃えられていますが、最近ではめったに使用されることがなくなっていました。そこで、「子どもたちにおいしい食事を楽しくワイワイ食べてもらおう。お寺を自分の居場所にしてもらおう」と、門徒会館を利用して地元の子どもたちに食事の楽しさを知ってもらう取り組みをはじめたのです。

◆課題はいっぱい

 しかし、いざ始めるとなるとスタッフの確保、食材の購入、子どもを集めるノウハウなど課題はたくさんあります。
 そこで、るり子坊守は親しくしていた市会議員の浜田千秋さんや、以前市役所に勤務していて人脈の広い櫻井好美さんらに相談。すると「私もそんなことをしたかったの。ぜひ一緒にやりましょう」と最初の一歩を踏み出すことに。それからはご縁がご縁をよび、賛同者が一気に増えていきました。
 浜田さんが、地元の企業にこの活動を相談したところ、食材を全て提供してもらえることになりました。地元に住む管理栄養士の宮内秀美さんは、食事の栄養のバランスが取れたメニューを考えます。英会話スクールの講師で、大阪健康保育専門学校の教諭である白濱尚美さんは、学生ボランティアを募集しました。了明住職は、子どもたちを集めるため、市教育委員会と連携し近隣の小学校や中学校にチラシを配りました。当初の課題が一つひとつ解決していきます。
 会の名前は、西教寺が江戸時代「寺子屋」をしていたことと、お寺のある「幸(さいわい)地区」から「てらこやハッピー」と命名しました。この名前にはスタッフの「子どもたちに居場所を」という強い思いが込められています。
 人と人とのつながりを最大限に活かし、期待と不安の中、平成29年3月31日に第1回目の「てらこやハッピー」が開催されました。

◆子どももスタッフもハッピー

 不安をよそに第1回目には子ども50数名の参加がありました。それから月1回開催し、回を増すごとに参加者が増えていきます。
 夏休みには地域の人が近所に竹を採りに行き、境内で流しソーメンをしました。12月には少しだけお寺でもクリスマスを味わってもらおうと鶏のから揚げ、エビフライ、さつまいもの一口ケーキを振る舞いました。
 食事の楽しさを伝えるだけでなく、いのちをいただくということを伝えるため、必ず合掌してから食事をとるように子どもたちに声をかけます。
 食事の前後には子どもたちは思い思いの時間を過ごします。本堂横では勉強や読書ができるスペースをつくり、学生ボランティアが勉強をみてあげるようになりました。子どもたちはお寺に対して身構えた感じは少しもありません。江戸時代ににぎわった西教寺の寺子屋の姿がよみがえったようです。
 ちょうど一年経った平成30年3月29日には、よりいっそう「てらこやハッピー」を理解していただきたいと地域の方々を招待し、150名以上の子ども、保護者・地域の人が参加しました。地域にもだんだん協力してくれる人が増え、食材の提供や書籍の寄付、ボランティアが充実してきました。
 るり子坊守は「立ち上げの準備は大変でしたが、一旦動き始めたら自分がじっとしていても周りにいる人が背中を押してくれる。ご縁や人のつながりに感謝しています。試行錯誤しながら一年経ち、運営体制もしっかりしてきました。何より子どもたちの笑顔を見るのがうれしい。今後は学習支援をさらに力を入れたいですね」と笑顔で話します。
 「てらこやハッピー」に集う人たちは、みんなニコニコとハッピーな笑顔です。

門徒会館とのぼり画像
門徒会館とのぼり
住職と坊守画像
住職と坊守
西教寺カレーができました画像
西教寺カレーができました
カレーに並ぶ子どもたち画像
カレーに並ぶ子どもたち
スタッフみんなで画像
スタッフみんなで
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