実践運動

岐阜教区丸一組円成寺 生きづらさを抱えた人たちの居場所

2018年10月

  • 中部

◆開設に込められた想い

 岐阜県岐阜市にある円成寺では、堀無明住職を中心に、社会で居場所を失ってしまった人たちの社会復帰を目的とした支援活動を行っています。活動をはじめるきっかけとなったのが、30年前のとある出来事が発端です。

 当時、堀住職は塾講師として、子どもたちに勉強を教えていました。ある日、教え子の一人に「学校をやめたい」「死にたい」と打ち明けられました。何とかしてあげられないものかと考えた末、親戚である円成寺の小林住職に相談することにしました。住職の後押しもあって、お寺の中に学習塾を開校し、学校に通えなくなってしまった子どもたちに勉強を教えることにしました。当初は学習支援を行うことを主な活動としていましたが、少しずつ口コミで情報が広がり、若者が集う場となり、いつしか幅広い年齢層の人が円成寺に訪れるようになりました。すると利用者の中から、お寺で生活をしたいとの声が上がり、お寺に宿坊を建て、2008(平成20)年に「NPO法人 チュラサンガ」を開設することにしました。また、堀さんは、親鸞聖人のみ教えに感銘を受け、小林住職の後押しもあって円城寺の僧侶として入寺することになりました。

 チュラサンガでの活動を通して、夢や希望を持っていただき、少しでも社会に復帰したいという人が増えることを願い、日々尽力しています。

◆すばらしい経験

 チュラサンガでは、陶芸、囲碁、絵画、書道などの活動を行っていますが、特に農業に力を入れています。その理由として、1つ目に社会復帰のための体力をつけてほしいということ、2つ目に達成感を味わってほしい、この2つの想いが込められています。農業は頑張った分だけ作物が育つので、より大きな達成感を得ることができます。スポーツ等でも達成感を得ることができるかもしれませんが、競い事であるがゆえに、常に成長が求められる世界です。いくら興味関心があっても、長続きしない可能性があります。「長続きしなければ意味がない。その反面、野菜は目をかけた分だけ大きく育ち、私たちの期待に応えてくれる」と堀住職は話します。自身が丹精を込めて作った作物が花を咲かせ、実をつけた時、達成感を感じることができるといいます。また、育てた野菜は、自分たちの手で直売しています。自身が育てた野菜を、お客さんが購入された時には、大きな達成感へとつながります。

 利用者の中には、人間関係や家庭の事情を理由に会社を退職し、再就職を試みるも思うように職に就けず、いつしか引きこもりになってしまった人がいます。そんな時に、HPでこの活動を知り、参加したことで心情に大きな変化が起きたそうです。他にも、今まで農業に興味が持てなかった人も「いつしか、農業をすることが楽しく感じるようになり、将来、畑をもつことが夢になった」「たくさんの経験を積むことができた。そのおかげで再び社会へと羽ばたくことができた。この"居場所"は本当に心地よい、"良い場所"」と話す人も出てきたそうです。夢をもつことが、もう一度生きるための力となります。そのきっかけを与えてくれるのがチュラサンガの活動です。

◆力を合わせて新しい一歩を!

 堀住職は、「引きこもりになる人は、こだわりを持っている人が多い。そのこだわりが、原因で人間関係につまずいてしまい、周りに取り残され、いつの間にか引きこもりになってしまうことがある。そのこだわりのせいで、引きこもりになってしまったのならば、そのこだわりを捨てることが大切だ」と話します。

 チュラサンガの活動は、社会で居場所を失う人がいる限り続きます。この活動は、申し込み次第でいつでも参加することができ(日曜日はお休み)、活動時間は、9時から18時まで、宿泊のみでも参加できます(7時からお晨朝、19時からお夕事がお勤めされ、参拝することもできます)。少しでも多くの人が、社会へ復帰できるように、これからもチュラサンガのスタッフ一同、同じ苦しみを持った"仲間"として、一緒に悩み、助け合いながらサポートしていきます。

実践事例生きづらさを抱えた人たちの居場所画像1

農業の風景

実践事例生きづらさを抱えた人たちの居場所画像2

堀無明住職

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