実践運動

北海道教区上川南組法生寺 地域で子どもの学習を支援する「とむとむききる」

2018年11月

  • 北海道

◆少子高齢化の中で

 北海道旭川市は少子高齢化が進んでおり、法生寺(藤田興至住職)のある西神楽地域では、65歳以上の高齢者が人口の47%に上り、子どもの割合は8%ほどです。

 法生寺の坊守、藤田安樹子さんはお寺を人の集まれる場所にしようと、お寺で漢方チャクラヒーリングの会を開催したり、精進カレーを振舞ったり、夏休みに子どもたちの自由研究としてハンドメイドのワークショップをするなど、その他にもさまざまな活動を行っています。

 その安樹子坊守が地域の人と協力して始めた取り組みが、子どもの学習支援「とむとむききる」です。

◆居場所スペースの開設に向けて

 西神楽地域では、塾や児童館など子どもが集まれる場所がなく、塾に行こうとすると5キロほど離れたところまで行かなければなりません。また、現在では外勉(ファミリーレストランなどで勉強する)子どもが増えています。安樹子坊守は法生寺に嫁いだ時から、地元で子どもの居場所を作ることが出来ないかと考えていました。

 本年4月、西神楽で学習支援の取り組みを行うため、地元のNPO法人グランドワーク西神楽に相談しました。理事さんが事務所の2階を会場として使用することを提案してくれました。安樹子坊守は、小学校・中学校の保護者に、子どもの学習スペースが地域に必要かどうかアンケートを取りました。回収結果は「学習スペースがあると助かる」という回答が大半でした。地域のニーズも聞き入れ、だんだんと学習スペース開設が現実味を帯びてきました。

 地域の協力者も揃い、農林水産省の助成金の申請にも間に合いました。試行錯誤の中でしたが、5月24日に第1回目の「とむとむききる」が開かれました。

◆とむとむききる

 「とむとむききる」という名前はアイヌ語でホタルの意味があります。西神楽地域では町おこしの一環としてホタルが大切に育てられています。そのホタルの光に安樹子坊守の「子どもたちを照らす未来への明かりを」という思いが込められました。毎週木曜日、午後3時から8時までとむとむききるは開かれ、参加費は無料です。現在、学習スペースを利用する子どもたちは、小学生と中学生で40人以上になることもあります。学習指導には元塾講師やプログラマーが協力し、子どもたちの見守りで協力してくれる人もいます。夕方には近所の食堂が、放課後でおなかをすかせた子どもが勉強に集中できるよう、おにぎりと簡単なおかずを安価で提供してくれます。地域の人が協力して子どもたちを育てています。

 参加した子どもたちは、「楽しい、木曜日の夜は家で勉強しなくていい」「家だとだらけるけど、ここなら同級生がいて刺激になる」と楽しんでいる様子で、保護者も「家では勉強の仕方が分からず困っていることもあったが、ここで家庭学習のヒントがもらえたようだ」と話します。子どもたちが多くなり、机や椅子が足りないこともあり、すでに地域には欠かせない存在のようです。

 安樹子坊守は「3人の子育て中で、毎週木曜日に家を留守にすることになりますが、住職や前坊守が家を支えてくれています。地域の人や家族のおかげでこの活動が続けられています。今後も子どものニーズに合わせて息長く活動したい。」と話し、また「お寺は今のいのちが尊いと知ることができる場所であり、人が集える場所です。この活動がいつかお寺の活動と連携できればよりありがたいと思います」と意欲いっぱいに語りました。

実践事例北海道教区上川南組法生寺 地域で子どもの学習を支援する「とむとむききる」画像

勉強中の様子

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