第35回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要が修行されました

2015年10月01日

 9月18日(金)、東京・国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑において、ご門主様ご親修のもと「第35回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要」を修行し、約2,500名の参拝者にご参拝いただきました。
 宗門として恒久平和への願いを新たにするため、石上智康総長より下記の通り「平和宣言」を行い、「世のなか安穏なれ」との願いを込めて「平和の鐘」を撞きました。また、宗門関係学校生徒による、「いのちの尊さ」「非戦・平和の大切さ」をテーマとした作文の朗読及び表彰式が行われました。
 法要は、『宗祖讃仰作法 音楽法要』の和讃・念仏を取り入れた「正信念仏偈(音楽依用)」をおつとめし、各国大使、国会議員、その他政財界関係者及び宗教界の来賓をはじめ、教区・寺院での団体参拝など各地から多くの方々にご参拝・ご焼香いただきました。
 また、9月16日(水)より24日(木)まで、築地本願寺本堂において、戦後70年の取り組みとして、「非戦平和」をテーマとした写真パネル展を開催いたしました。

【平和宣言(日本語)】

浄土真宗本願寺派
平和宣言

 

 世界中を戦禍に巻き込んだ悲惨な大戦の終結から70年の歳月が経ちました。ここ千鳥ヶ淵戦没者墓苑に参集されたみなさまと共に、戦争によって犠牲になられた5000万人にも及ぶ国内外すべての方々に、心から哀悼の意を表します。さらに、ご遺族の方々の消えることのない悲しみを、あらためて心に深く刻みます。

 世界では今もなお各地で紛争が起こり、戦火の絶えることはありません。つねに世界のどこかで、戦火の火種を宿し続けているのが私たちの世界の実情です。国家や民族が互いに不信を抱き、武力を背景にした緊張の上で保たれる平和は、はたして真の平和のすがたといえるのでしょうか。

 戦争は怒りと悲しみを広げるだけの愚かな行為です。誰もがそのことを知りながら、繰り返される争いの連鎖を、私たちはなぜ、断ち切ることができないのでしょうか。
 「煩悩成就のわれら」と親鸞聖人が述べられたように、どこまでも根深い欲望と愚かさに根差しているのが人間という存在です。そういう私たちではありますが、阿弥陀如来の智慧の光に照らされて、その愚かさに気づかされるのです。おのれの内なる愚かさに気づかされた私たちは、常に過去の歴史に学び、愚かな過ちを再びおかすことのないよう、また自己本位で排他的なあり方に厳しい批判的な目を持ち、この地上世界に平和が実現するよう努めるべきでありましょう。

 縁起の真理に目覚められた釈尊は「一切の生きとし生けるものは、幸福であれ、安穏であれ、安楽であれ」と願っておられます。この世界に存在する命は、私たち凡夫の計らいを超え、縁起によって互いに深く関わり合っているのです。釈尊から  2500年隔てた私たちの願いもまた、戦争のない安穏な社会で、皆ともに幸せに生きていくことにあります。この普遍の理想を実現するために、互いに排他的な憎しみの心を克服することに努め、尊い命を奪い合うという愚かな争いをこの地球上からなくすことこそ、皆が共有すべき目標であることを確認いたしましょう。

争いによって、多くの尊い命が失われてきた歴史を、決して無駄にしてはなりません。私たちが目指すべき「自他共に心豊かに生きることのできる社会」とは、誰かを犠牲にして成り立つものではありません。一人ひとりが尊ばれる社会、互いに信頼し合える安穏なる世界に向けて、仏の智慧に教え導かれる念仏者として、これからも、いっそう力強く歩みを進めてゆかねばなりません。

 『仏説無量寿経』に説かれた「兵戈無用」という武器なき恒久的な平和への願いを込めて、本日、全国の各寺院から平和の鐘が鳴り響きます。この鐘の響きに込められた平和への願いが、世界中の人びとへ、そして将来を担っていく子どもたちに届いてゆくよう、共に力を合わせてまいりましょう。

2015(平成27)年9月18日
浄土真宗本願寺派
総長 石 上 智 康

 

【平和宣言(英語)】

 

Peace Declaration

 

This year marks the seventieth anniversary of the end of World War II, which brought devastation to the whole world. Together with you who gathered here today, we pay solemn tribute to all the war victims throughout the world that is said to be more than fifty million. We would like to take this opportunity to deeply inscribe in our hearts and minds that their families’ sorrow will never disappear.

 

Conflicts yet continue to occur somewhere in the world, as the fires of war never completely cease. Constantly somewhere in the world, the flames that sows the seeds of war is the actuality of our world. As distrust stirs about between countries and ethnic groups, is peace that is maintained through military tension really be what we aspire for?

 

War is an act of ignorance which brings about nothing but anger and sorrow. Although we are all well aware of this, why is it that we cannot break free from this vicious cycle of conflicts.

 

Shinran Shonin, the founder of the Jodo Shinshu teaching has described humans as “we, who are possessed of blind passions,” which explains our egoistic desires with which we are constantly preoccupied. Though this may be so, being showered by the infinite wisdom of Amida Buddha, we come to realize our innate ignorance. In so doing, we must strive to make world peace a reality by constantly learning from the past and be critical of our self-centered stance so that we will not repeat the same mistakes.

 

Sakyamuni Buddha, wishing for the happiness, peace, and well-being of all living beings, awakened to the ultimate principle of dependent origination. Beyond our foolish calculations, all living beings in this world are deeply connected to one another according to this very principle. Even after two thousand five hundred years since the time of Sakyamuni Buddha, we too wish for a war-free and peaceful society where we can all happily live together. In order to realize this universal ideal, let us confirm our common goal of ridding ourselves of our closed minds filled with hatred, and eradicate ignorant battles stealing precious life from this earth.+

 

We must not leave history in the past--the conflicts over time that has taken the innocent lives of many. The ideal of “a society in which everyone is able to live a life of spiritual fulfillment” is not a purpose that can be achieved by sacrificing others. As guided by the wisdom of the Buddha, we must hence move forward with strength toward a tranquil world in which there is mutual trust amongst everyone, in a society in which each individual is respected.

 

In the Sutra on the Buddha of Immeasurable Life it states, “there is no need to use soldiers and weapons,” and with this wish for peace in mind, the bells of peace shall be tolled throughout Japan on this day. The wish for peace which reverberates through the sounding of the temple bells shall reach people throughout the world, and with hope that it will reach our children who bear the future on their shoulders, let us strive for this common goal.

September 18, 2015

Governor General Chiko Iwagami
Jodo Shinshu Hongwanji-ha

 

 

【各国大公使参拝者】

アメリカ合衆国 キャロライン・ケネディ特命全権大使 (代理)マルゴ・キャリントン公使
エジプト・アラブ共和国 イスマイル・カイラット特命全権大使 (代理)ハムディ・シャーバン参事官

ガーナ共和国 シルベスタ・ジュドゥ・パポ・パーカー・アロテ特命全権大使

セネガル共和国 シェール・ニャング特命全権大使 (代理)ポレット・ディウフ・ンドング二等書記官

パナマ共和国 リッテル・ノベル・ディアス・ゴメス特命全権大使

バングラディシュ人民共和国 マスード・ビン・モメン特命全権大使

(代理)モハマッド・ジョベイド・ホセン二等書記官

フィリピン共和国 マニュエル・エム・ロペス特命全権大使 (代理)ギルバート・アスケ次席大使
ベルギー王国 ギュンター・スレーワーゲン特命全権大使

(代理)クリストフ・ドゥ・バッソンピエール公使参事官

【各国大使よりの平和メッセージ】

バングラディシュ人民共和国 マスード・ビン・モメン特命全権大使

フィリピン共和国 マニュエル・エム・ロペス特命全権大使
オーストラリア ブルース・ジェイムズ・ロス・ミラー特命全権大使

宗門関係学校生徒作文表彰式

献華

平和の鐘

平和宣言

聖歌隊

来賓焼香

法要の様子


参拝者焼香

写真パネル展
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