第36回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要が修行されました

2016年10月14日

 9月18日(日)、東京・国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑において、前門様ご参拝、千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要委員会副委員長 安永雄玄築地本願寺宗務長導師のもと「第36回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要」を修行し、約1,200名の方々にご参拝いただきました。
 宗門として恒久平和への願いを新たにするため、千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要委員会委員長 石上智康総長より下記の通り「平和宣言」を行い、「世のなか安穏なれ」との願いを込めて「平和の鐘」を撞きました。また、宗門関係学校生徒による、「いのちの尊さ」「非戦・平和の大切さ」をテーマとした作文の朗読及び表彰式が行われました。
 法要は、『宗祖讃仰作法 音楽法要』の和讃・念仏を取り入れた「正信念仏偈(音楽依用)」をおつとめし、各国大使、国会議員、政財界関係者及び宗教界の来賓をはじめ、教区・寺院での団体参拝など各地から多くの方々にご参拝・ご焼香いただきました。

【平和宣言(日本語)】

浄土真宗本願寺派
平和宣言

 

 昨年の戦後70年という節目の年は、「二度と繰り返してはならない」という悲惨な大戦への反省があらためて呼び起こされ、その歴史を見つめ直し、今後私たちがどのように平和への歩みを続けていくべきかを考えさせる年となりました。そして、日本の政治的対立やアジアにおける緊張関係の中で1年が経ち、本年は、大戦の終結から71年になります。ここ国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑に参集されたみなさまと共に、戦争によって犠牲になられた5000万人にも及ぶ国内外すべての方々に、心から哀悼の意を表します。さらに、ご遺族の方々の消えることのない悲しみを、あらためて心に深く刻みます。


 大戦後、世界では平和への取り組みが絶え間なく続けられてきたにもかかわらず、今もなお暴力の連鎖は終わらず、各地で戦火が絶えることがありません。しかも、世界では私たちがこれまで経験したことのないような暴力が生まれています。人びとで賑わい、子どもたちの声が響き合う街角が、突如として荒れ狂う暴力によって多くのかけがえのない命が奪われる現場へと変貌しています。残念ながら、テロリズムという暴力が日常の裏に潜み続けているのです。


 形を変えながら続く暴力や争いの連鎖は、なぜ止まることがないのでしょうか。釈尊は、誰の心にも、むさぼり・憎しみ・怒りの心があると説かれました。親鸞聖人は、「欲もおほく、いかり、はらだち、そねみ、ねたむこころおほくひまなくして」と、根深い欲望と愚かさに根ざしているのが私たちであると示してくださいました。こうした姿に気づかない時、自分だけの都合で判断し、行動してしまい、安易に他人を傷つけ、おとしめ、蹴落としてしまうのではないでしょうか。近年のテロリズムの根底には、人間の愚かさの悲しい闇があります。


 親鸞聖人がお示しになった浄土真宗の教えでは、どこまでも自己中心的な私たちが阿弥陀如来のお覚りの智慧に照らされて、自分自身の愚かさを知らされます。自己中心的なあり方を離れられない不完全な者であろうとも、仏さまの智慧のはたらきによって、対立の元となる自分と他者とを分けへだてる閉ざされた心が少しずつ開かれ、あらゆるものと共に幸せに生きることを目指すようつくりかえられていくのです。

 私たちは日本で、さらに世界から聞こえてくる悲しみ、苦しみの声に無関心でいることはできません。阿弥陀如来の智慧に教え導かれる念仏者として、一人ひとりが尊ばれる社会、互いに信頼し、支え合える安穏なる世界に向けて、これからも、いっそう力強く歩みを進めてまいりましょう。


 歴史と現実をしっかりと見つめ直し、仏さまの慈しみの心に促される行動を通して、容易に克服することのできない暴力の連鎖という壁を打ち壊し、新たな世界を構築していくよう精いっぱいつとめるのです。

 「自他共に心豊かに生きることのできる社会の実現」に向けて、今年もまた、全国の各寺院から平和の鐘が鳴り響きます。この鐘の響きに込められた平和への願いが、世界中の人びとへ、そして将来を担っていく子どもたちに届いてゆくよう、共に力を合わせてまいりましょう。

2016(平成28)年9月18日
浄土真宗本願寺派
総長 石 上 智 康

 

【各国大公使参拝者】

イタリア ドメニコ・ジョルジ特命全権大使(代理)エンツォ・ガスパリーニ・カザーリ大佐
エルサルバドル共和国 マルタ・リディア・セラヤンディア・シスネロス特命全権大使
バーレーン王国 ハリール・ビン・イブラヒーム・ハッサン特命全権大使(代理)マハムード・アブドゥル・アール
パナマ共和国 リッテル・ノベル・ディアス・ゴメス特命全権大使
ブルキナファソ フランソワ・ウビダ特命全権大使(代理)フォカンヴィヴィアン パレ二等書記官
リベリア共和国 ヤンゴー・セベリー・テレウォダ 特命全権大使(代理)ジョセフィン・B・アレイド第二書記官
ロシア エヴゲーニー・ウラジミロヴィッチ・アファナシエフ特命全権大使(代理)ロマン・マリシェフ三等書記官
ベナン共和国 ゾマホン・ルフィン特命全権大使

【各国大使よりの平和メッセージ】

ペルー共和国 エラルド・アルベルト・エスカラ・サンチェス=バレト特命全権大使

トルクメニスタン グルバンマメット・エリャゾフ特命全権大使

ローマ法王庁 ジョセフ・チェノットウ特命全権大使

オーストラリア ブルース・ミラー特命全権大使


宗門関係学校生徒作文表彰式

献華

平和の鐘

平和宣言

聖歌隊

来賓焼香

参拝者焼香

法要の様子
一覧に戻る

ホーム活動お知らせ第36回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要が修行されました

ページの先頭へ戻る