安居特別講義「現代における老いと仏教 ~他力信心と認知症~」開催について

2018年07月10日

安居期間中に、下記の特別講義を開催いたします。

安居出席者と僧侶が対象ですが、どなたでもご聴講いただけますので、ご来場くださいますようご案内申しあげます。

講  師釈 徹宗 氏(相愛大学教授)
内  容「現代における老いと仏教 ~他力信心と認知症~」(安居特別論題)について
日  時7月21日(土)午後1時より
場  所龍谷大学大宮キャンパス 東黌301教室
(京都市下京区七条通大宮東入大工町125番地1)
参加費無料
お問い合わせ 安居事務所
 〒600-8501 京都市下京区堀川通花屋町下る
        浄土真宗本願寺派宗務所勧学寮内
 TEL:075-371-5181(代)
※安居開講期間中は龍谷大学大宮学舎本館内に事務所を設置します

以下に講師の釈徹宗先生に執筆いただきました講義予定の内容を掲載しております。

特に安居に出席されます方は、事前にご一読の上、特別講義並びに自由討議に臨んでください。

「現代における老いと仏教 ~他力信心と認知症~」

相愛大学教授  釈 徹宗

 今回、「認知症の問題を安居の特別講義で行いたい」という打診をいただいた。かなりの難題である。はたしてこの問題について、浄土真宗教団や真宗者はどのような取り組みができるのか。教学的な呼応が可能なのか。私が明確な理路を示すことはできそうもない。しかし、なんらかの視点の提起を試みることで、第一歩としたい。

 認知症とは何か、どのような状態を認知症と呼ぶのか、どのような原因や症状があるのか。これらの基本的な事項を規定することさえ簡単ではない。まだまだこれから解明していかねばならない部分も少なくない。もちろん高齢者による認知能力の低下は、昔からある事態である。しかし、日本のように平均年齢が男女ともに八十歳を超えた社会だからこそ浮き上がってきた問題、といった面もある。六十五歳以上の人口比を高齢化率という。高齢化率が七~十四%となれば、高齢化社会と呼ばれることになる。十四~二十一%に達すれば、高齢化ではなく、高齢社会となる。そして二十一%以上は、超高齢社会と呼ぶ。内閣府の「高齢者社会白書」によれば、現在の日本は二十七.三%である。国連の発表によれば、二〇五〇年に世界全体の高齢化率は十八%になるそうである。世界各国と比較すれば、平均寿命・高齢化していく速度・高齢者数、日本はどれをとっても世界一だ。この問題において日本社会はフロントランナーに立たされている。人類史上かつてなかったような社会なので、先行モデルがない。どのような方向へと歩みを進めていけばよいのか、日本社会が模索していかねばならない。そして、高齢者の十五%が認知症である。近々、二十%に達する見込みだ。つまり認知症は、これからの我々の社会を考えるために、避けることができないテーマなのである。

 この特別講義では、個別の認知症の事例を知ることで、本人の問題と周囲の問題を合わせて考えていく。個々の人格や自尊心の内実にも関わることになる。この問題はどこまでいっても、個別に向き合っていくしか手立てはないように思う。その作業は人間の実相へと迫る取り組みでもある。そこで我々はもう一度、宗祖の言葉をかみしめることになるのではないか。

 他にも、「真宗者であり、認知症者である」という立ち位置、「真宗者であり、介護者である」という立ち位置、さらには「場の運営」などの論点についても言及する予定である。

2018(平成30)年度 安居特別講義予定内容(PDF)

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