第38回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要が修行されました

2018年09月26日

 9月18日(火)、東京・国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑において、ご門主様ご参拝、千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要委員会副委員長 安永雄玄築地本願寺宗務長導師のもと「第38回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要」を修行し、約1,400名の方々にご参拝いただきました。

 宗門として恒久平和への願いを新たにするため、千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要委員会委員長 石上智康総長より下記の通り「平和宣言」を行い、「世のなか安穏なれ」との願いを込めて「平和の鐘」を撞きました。また、宗門関係学校生徒による、「いのちの尊さ」「非戦・平和の大切さ」をテーマとした作文の朗読及び表彰式が行われました。

 法要は、『宗祖讃仰作法 音楽法要』の和讃・念仏を取り入れた「正信念仏偈(音楽依用)」をおつとめし、国会議員、政財界関係者及び宗教界の来賓をはじめ、教区・寺院での団体参拝など各地から多くの方々にご参拝・ご焼香いただきました。

【平和宣言(日本語)】

浄土真宗本願寺派
平和宣言

 1945年 8月 15日、多くの人びとが深い悲しみと耐え難い苦しみに打ちひしがれた過酷な大戦が終結した日から、73年の歳月が経ちました。本日、この千鳥ヶ淵にご参集の有縁の皆さまとともに、その犠牲になられた国内外のすべての方々に心から哀悼の意を表します。そして、ご遺族の方々の癒えることのない痛みを改めて心に刻み、再び戦禍による悲しみと苦しみを生みだすことのないよう、ここに平和への願いを新たに表します。

 5000万人に及ぶ犠牲をともなう悲惨な大戦の歴史を経験したにもかかわらず、世界には今なお武力紛争やテロの絶えることがありません。犠牲になられた方々が望まれていたことは、平和な社会の実現であり、罪なき人びとまでも犠牲にするようなことではなかったはずです。今こそ未来を担う私たちは、非道な戦禍の教訓を生かさなければなりません。

 私たち宗門のよって立つところは、煩悩に苛まれている私たちの闇を照らし、一人残さずに救い取らずにはおられないという阿弥陀如来のさとりの真実にあります。そして、その真実に教えられる時、一方的な正義を振りかざし、人びとを傷つけることが、どれほど自己中心的な愚かな行いであるのかという内省がわき起こり、共に生きる他者の苦しみや悲しみに無関心ではいられなくなります。

 ブッダは仰せになります。「おのが身にひき比べて殺してはならず、殺さしめてはならない」と。

 私たちが目指すべき「自他共に心豊かな社会」とは、煩悩から逃れることができない私たちという共通の認識のなかで、それにもかかわらず、さとりの真実に導かれ、国境や地域、思想・信条の異なりを超え、互いの心が響き合う争いのない世界なのです。私たちはこの、共に心豊かに生きていこうという願いを世界に発信し、それがたとえ小さな一歩であろうとも、実践し続けていかなければなりません。

 私たち宗門は、戦後 70年の節目となる2015年を契機として「平和に関する論点整理」を行い、そこから非戦平和を呼びかけるだけではなく、実際に平和に寄与する活動が不可欠であると再確認するに至りました。そして、多様な平和貢献策のなか、仏教徒として、念仏者として行うことのできる、行うに相応しい平和への具体的な取り組みとして「貧困の克服」という点に多くの賛意が示されました。深刻な貧困に見舞われている国や地域では武力紛争が常態化しており、恒久的な平和を実現するためには単に戦争がないというだけではなく、その原因となる貧困や抑圧をなくすことが必要だと考えられているからです。深刻な経済格差が広がる社会では多くの人びとが苦悩を強いられ、貧困は、次代を担う人びとの未来を奪ってしまうことにもなります。平和の実現へ向けての一つの具体的な行動として、国内外の貧困の克服へむけ、私たちは宗門をあげて、できることから取り組んでまいります。

 今日、平和への願いを込めて全国各地の寺院から平和の鐘が鳴り響きます。この響きに込められた平和への願いが、世界へ、子や孫へ届いてゆくよう、共に尽力してまいりましょう。

2018(平成30)年 9月18日
浄土真宗本願寺派
総長 石 上 智 康

平和宣言(日本語)PDF

平和宣言(英語)PDF

第38回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要画像 宗門関係学校生徒作文表彰式

宗門関係学校生徒作文表彰式

第38回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要画像 献華

献華

第38回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要画像 平和の鐘

平和の鐘

第38回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要画像 平和宣言

平和宣言

第38回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要画像 お勤めの様子

お勤めの様子

第38回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要画像 聖歌隊

聖歌隊

第38回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要画像 参拝者焼香

参拝者焼香

第38回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要画像 法要の様子

法要の様子

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