○寺院規程

昭和27年3月25日

宗則第15号

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 設立(第6条・第7条)

第3章 管理

第1節 住職、住職代務、兼務住職及び副住職(第8条―第15条)

第2節 法人の役員(第16条―第24条)

第3節 寺族及び門徒総代等(第25条―第29条)

第4節 備付表簿(第30条)

第4章 財務(第31条―第38条)

第5章 事業等(第39条・第40条)

第6章 補則(第41条―第47条)

附則

第1章 総則

(この宗則の趣旨)

第1条 宗法第4章及び宗規第4章の規定による一般寺院についての基本的な事項及び手続等に関しては、特に定める場合を除いて、この宗則の定めるところによる。

(用語の定義)

第2条 この宗則における用語の意義は、次のとおりとする。

 寺院とは、特に定める場合を除いて、一般寺院をいう。

 住職とは、一般寺院の住職をいう。

 住職代務とは、一般寺院の住職代務をいう。

(寺院の目的)

第3条 寺院は、浄土真宗の教義をひろめ、法要儀式を行い、その寺院に所属する僧侶、寺族、門徒、信徒その他の者を教化育成し、公共の福祉に貢献することを目的とし、その他この目的を達成するための業務及び事業並びに礼拝の施設などの財産の維持管理を行う。

(寺院の責務)

第4条 寺院は、宗門及び本山本願寺を永世護持し、宗門の規則を誠実に遵守しなければならない。

(寺院に対する援助)

第5条 総局は、寺院の不動産その他の重要財産が火災その他の災害によって滅失し、又は著しい災害を被ったときは、別に定めるところにより、その修復に必要な経費を援助することができる。

第2章 設立

(寺則の承認)

第6条 寺院を設立しようとする者は、次の各号に掲げる事項を記載した寺則を作成し、所轄庁に認証の申請をする以前に、所定の書類を添え、組長及び教務所長を経由して、総長の承認を受けなければならない。

 目的

 名称

 事務所の所在地

 宗教法人「浄土真宗本願寺派」の被包括団体であることの明示

 住職、住職代務に関する事項

 代表役員、責任役員、代務者、仮代表役員、仮責任役員及び門徒総代その他の機関に関する事項

 門徒に関する事項

 財産管理その他の財務に関する事項

 事業を行う場合には、その種類及び管理運営又は収益処分に関する事項

 公告の方法

十一 寺則の変更に関する事項

十二 移転、合併及び解散に関する事項

十三 宗派との制約事項

十四 その他前各号に関連した事項を定めた場合には、その事項

第7条 この宗派以外の包括団体に包括される宗教法人がこの宗派に属しようとするときは、その代表者は、前条の規定に準じて、所轄庁に認証の申請をする以前に、総長の承認を受けなければならない。

第3章 管理

第1節 住職、住職代務、兼務住職及び副住職

(住職)

第8条 寺院には、住職1人を置く。

2 住職は、その寺院に所属する教師のうちから、当該寺院が申請した者について、門主が任命し、寺務を主宰する。

(住職代務)

第9条 宗規第45条第2項の規定に該当した場合には、住職代務1人を置く。

2 住職代務は、教師のうちから、寺院が申請した者について、総長が任命し、住職に代ってその職務を行う。

3 住職代務の任期は、2年とし、再任されることができる。但し、特別の事由がある場合には、寺院の申請により、総長の承認を得て、住職代務の任期を4年とすることができる。

4 住職代務は、代務する寺院の僧侶として、宗会議員の選挙権及び被選挙権並びに教区会議員の被選挙権を有しないとともに、組長及び副組長にも就任できない。

5 住職代務は、その置くべき事由がなくなったときは、当然その職を退かなければならない。

(兼務住職)

第10条 住職が死亡その他の事由によって欠けた場合において、相当の期間後任住職の任命の申請をすることができないなど特に必要と認められる事由があるときは、寺院の申請により、総長は、当該寺院以外の寺院に所属する住職を当該寺院の住職(以下「兼務住職」という。)として任命することができる。

2 住職が兼務できる寺院は、自己が所属する寺院の所在する組内の寺院及びそれに隣接する組内の寺院を原則とし、自己が所属する寺院を除いて2か寺以内とする。

3 兼務住職の任期は、4年とし、再任されることができる。

4 兼務住職は、当該寺院の寺務を主宰し、その置くべき事由がなくなったとき、又は自己が所属する寺院の住職を退任した時は、その職を退かなければならない。

5 前条第4項の規定は、兼務住職について準用する。

(住職、住職代務及び兼務住職の任命申請)

第11条 寺院が住職、住職代務又は兼務住職の任命を申請しようとするときは、住職、住職代務又は兼務住職が次の各号に掲げる者の同意を得て、行うものとする。但し、住職代務又は兼務住職が申請する場合には、次の各号に掲げる者のほか、寺族代表者の同意を得なければならない。

 就任を予定されている者

 責任役員

 門徒総代

2 前項のほか、兼務住職を申請しようとするときは、申請しようとする兼務住職が所属する寺院の責任役員及び門徒総代の同意を得なければならない。

第12条 寺院が住職、住職代務又は兼務住職の任命を申請しようとする場合において、住職、住職代務又は兼務住職が共にないときは、責任役員の互選した者(代表役員又はその代務者がいるときはその者)が、前条第1項但書の規定に従い、任命の申請を行うものとする。

第13条 住職、住職代務又は兼務住職が死亡その他の事由によって欠けたときは、直ちに後任の住職又は住職代務を置かなければならない。

第14条 宗規第45条第4項の規定に基づき、住職又は住職代務が特命されたときは、当該寺院の住職又は住職代務は、特命された住職又は住職代務の在任中、当該寺院の寺務に従わざるものとする。

(副住職)

第15条 寺院に、副住職2人以内を置くことができる。

2 副住職は、その寺院に所属する教師のうちから、住職の申請によって、総長が任命する。

3 副住職は、住職を補佐して、寺門の護持発展に努めるものとする。

第2節 法人の役員

(代表役員及び責任役員)

第16条 寺院には、責任役員3人以上を置き、そのうち1人を代表役員としなければならない。

(職務)

第17条 代表役員は、法人を代表し、その事務を総理する。

2 責任役員は、寺院の事務の決定に加わるほか、住職及び代表役員を補佐して、寺門の護持発展に努めるものとする。

3 代表役員及び責任役員がその職務を執行するに当って、住職が責任役員に加わっていないときは、十分住職の意思を尊重しなければならない。

第18条 第11条及び第12条の規定は、宗規第46条第2項但書の規定によって住職以外の者が代表役員の代務者に就任しようとする場合の任命の申請について準用する。

(任期)

第19条 住職以外の者が代表役員に就任したときは、その代表役員の任期は、4年とする、但し、再任されることができる。

2 前項の規定は、代表役員以外の責任役員の任期について準用する。但し、住職が責任役員であるときは、この限りでない。

3 代表役員及び責任役員は、退任又は任期満了の後でも後任者が任命される時まで、なおその職務を行うものとする。

4 代表役員及び責任役員が、宗規第46条第3項各号に掲げる該当資格を失なったときは、退任したものとする。

第20条 第13条の規定は、代表役員又は責任役員が欠けた場合に準用する。

(代務者)

第21条 代表役員及び責任役員が、次の各号のいずれかに該当したときは、代務者を置かなければならない。

 代表役員又は責任役員が死亡その他の事由によって欠けた場合において、速やかに後任者を選ぶことができないとき

 代表役員又は責任役員が病気その他の事由によって3か月以上その職務を行うことができないとき

(代務者の職務)

第22条 代務者は、寺則の定めるところにより、代表役員又は責任役員に代ってその職務を行い、その置くべき事由がなくなったときは、当然その職を退くものとする。

(仮代表役員及び仮責任役員)

第23条 代表役員は、その寺院と利益が相反する事項については、代表権を有しない。この場合においては、当該寺院が所在する教区の教務所長又は教務所長が指名する者が仮代表役員となり、当該寺院を代表する。

2 責任役員は、その寺院と特別の利害関係がある事項については、議決権を有しない。この場合において、議決権を有する者の員数が責任役員の定数の過半数に満たないこととなったときは、寺則で定めるところにより、その過半数に達するまでの員数以上の仮責任役員を選ばなければならない。

(職務)

第24条 仮代表役員及び仮責任役員は、該当事項について、代表役員及び責任役員に代ってその職務を行う。

第3節 寺族及び門徒総代等

(寺族、坊守及び寺族代表者)

第25条 寺院に、寺族、坊守及び寺族代表者を置き、その選定方法などについては、別に定める。

(門徒)

第26条 門徒になろうとする者は、当該寺院の門徒名簿に登録を申請しなければならない。

2 門徒が、所属寺院を転換し、又は離脱しようとするときは、当該寺院の門徒名簿の抹消を申請しなければならない。

3 門徒名簿の登録及び抹消は、住職が行い、その旨を総局に届け出るものとする。

(門徒総代)

第27条 寺院には諮問機関として、門徒総代を置く。

2 門徒総代は、寺則の定めるところにより、その職務を行い、住職及び代表役員を補佐して、その諮問に応じて意見を具申するものとする。

(門徒総代の任期及びその解任)

第28条 門徒総代の任期は、4年とする。但し、再任されることができる。

2 門徒総代がその職務の執行に当り、正しくない行為のあったときは、住職は、責任役員の同意を得て、解任することができる。

3 住職は、門徒総代を委嘱又は解任したときは速やかにその者の氏名、住所その他必要な事項を総局に届け出なければならない。

(機関の設置)

第29条 寺院には、門徒総代のほか、必要に応じて、顧問、参与、世話係その他の機関を設けることができる。

2 前条第2項の規定は、前項の機関の職にある者について準用する。

第4節 備付表簿

第30条 寺院には、常に次の各号に掲げる書類及び帳簿を備え、これらを整備するものとする。

 寺則及び所轄庁の認証書

 役員名簿

 寺族名簿及び坊守名簿

 門徒名簿

 過去帳又はこれに類する帳簿

 境内建物及び境内地の図面

 財産目録

 資産の状況を表わす書類

 責任役員その他寺則で定めた機関の議事録及び事務処理簿

 事業を行う場合にはその事業に関する書類

十一 その他必要な書類

2 前項第5号の規定による過去帳又はこれに類する帳簿の取扱いについては、同朋教団の本旨に反しないよう、その取扱いについての基準を定めるものとする。

第4章 財務

(財産の管理)

第31条 寺院の財産は、代表役員が管理する。

2 代表役員は、その保護管理する財産については、寺則の定めるところに従い、常に良好の状態において管理し、寺院の目的以外の目的のために使用し、又は濫用してはならない。

(財産の区分)

第32条 寺院の財産は、特別財産、基本財産及び運用財産とする。

2 特別財産は、次の各号に掲げる財産とする。

 本尊、影像その他礼拝の対象となる有体物

 法物

3 基本財産は、次の各号に掲げる財産とする。

 不動産

 宝物

 基本財産として指定寄附を受けた有価証券、現金その他の動産

 基本財産に編入することを責任役員が議決した有価証券、現金その他の動産

4 運用財産は、次の各号に掲げる財産とする。

 懇志

 基本財産から生ずる果実

 特別財産及び基本財産以外の財産並びに雑収入

(特別財産、基本財産の設定及び変更)

第33条 特別財産若しくは基本財産の設定又はその変更は、責任役員の決定を経て、代表役員が行う。但し、住職が責任役員に加わっていないときは、住職の同意を得て行う。この場合において、住職がないときは、寺族代表者の同意を得るものとする。

(財産の保管方法)

第34条 寺院は、その不動産は必要な登記をし、基本財産たる現金は、不動産若しくは確実な有価証券に替え、又は確実な銀行に預け、その他適当な方法で管理するようにするものとする。

(財産処分等の手続)

第35条 寺院が、次の各号に掲げる行為をしようとするときは、門徒総代に諮問し、住職が責任役員に加わっていないときは、住職の承認を得、その行為の少なくとも1か月前に門徒その他の利害関係人に対し、その行為の要旨を示して、その旨を公告するものとする。但し、第3号から第5号までに掲げる行為が緊急の必要に基づくものであり、又は軽微のものである場合及び第5号に掲げる行為が一時の期間にかかるものである場合は、この限りでない。

 不動産又は財産目録に掲げる宝物を処分し、又は担保に供すること

 借入(当該会計年度内の収入で償還する一時の借入を除く。)又は保証をすること

 主要な境内建物の新築、改築、増築、移築、除却又は著しい模様替をすること

 境内地の著しい模様替をすること

 主要な境内建物の用途若しくは境内地の用途を変更し、又はこれらを寺院の目的以外の目的のために供すること

(予算の編成)

第36条 寺院の毎会計年度におけるすべての収入及び支出は、すべて会計年度開始前に予算に編成するものとする。

(財産目録及び決算の作成)

第37条 寺院の財産目録及び決算は、毎会計年度終了後3か月以内に作成するものとする。

(会計年度)

第38条 寺院の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終るものとする。

第5章 事業等

(事業)

第39条 寺院は、浄土真宗の教義に基づき、第3条の目的に反しない限り、公益事業又は公益事業以外の事業を行うことができる。

2 前項の事業を経営する寺院は、その事業を行うために必要な手続をした後、その名称、目的、所在地、種類、機関、財務その他必要な事項を記載して、総局に届け出るものとする。

(講社その他の所属団体)

第40条 寺院は、その目的達成に資するため、講社その他の所属団体を組織することができる。

2 講社その他の所属団体を組織したときは、住職は、前条第2項の規定に準じ総局に届け出るものとする。

第6章 補則

(寺則の変更)

第41条 寺院が寺則を変更しようとするときは、門徒総代に諮問し、責任役員の3分の2以上の多数の議決を経て、総長の承認を受けた後、所轄庁に認証の申請をするものとする。この場合において、住職が責任役員に加わっていないときは、責任役員の議決に先立ち住職の同意を得なければならない。

2 前項の規定によるほか、寺院が従たる事務所を設置する場合には、従たる事務所を設置しようとする地域の組長及び教務所長の承認を経なければならない。

3 第1項の規定は、寺院が移転、合併、解散をしようとする場合に準用する。

(登記に関する届出)

第42条 寺院が設立、合併、解散の登記その他必要な登記をしたときは、遅滞なく登記簿の謄本又はその登記した事項にかかる抄本を添えてその旨を総局に届け出るものとする。

(報告)

第43条 寺院は、宗務機関から寺院の経営に関する報告を求められたときは、文書で報告するものとする。

(欠格)

第44条 宗規第13条の規定は、寺院の住職、住職代務、副住職、法人の役員及び門徒総代の欠格について準用する。但し、同条第4号中「軽戒」とあるのは「重戒」と読み替えるものとする。

(寺院に対する規制)

第45条 寺院が宗門の規則に従わず、及びその寺則に違反して公共の福祉を害するような行為があったときは、総局は、適当な指示を与え、又はその他の処置をとることができる。

(公告についての処置)

第46条 寺院は、その公告した事項について、門徒その他の利害関係人が、その意見を申し述べたときは、その意見を十分に考慮して、適切な方途を講じるように努めるものとする。

(宗達への委任)

第47条 この宗則の施行について必要な事項は、宗達で定める。

1 この宗則は、宗規施行の日から施行する。

(27.5.31)

3 この宗則施行の際現に存する前項寺院規程(以下「旧規程」という。)による寺院(宗教法人たる教会を除く。以下同じ。)は、この宗則施行後も、旧規程による寺院として存続することができる。

4 旧規程は、前項の寺院については、寺院が宗教法人法による新宗教法人として設立の登記を完了する時まで、なおその効力を有する。

5 宗教法人法附則第5項及び第6項の規定により、第3項の寺院が新宗教法人となろうとするときは、第2章の規定に従い、寺則を作成し、総長の承認を受けなければならない。

6 旧規程による寺院が、前項の規定により、昭和27年10月2日までに、新宗教法人となろうとする申請をしなかったときは、届出のない限り解散したものとみなして、当該寺院を宗務所備付の寺院台帳から削除することができる。

7 当分の間、宗教法人でない教会に関する事項は、宗達で定めるところによる。

(昭和31.3.25―宗則10号)

この宗則は、発布の日から施行する。

(昭和34.4.1―宗則4号)

この宗則は、発布の日から施行する。

(昭和59.3.9―宗則5号)

この宗則は、発布の日から施行する。

(平成16.3.10―宗則4号)

1 この宗則は、発布の日から施行する。

2 宗教法人法の改正に伴う宗務措置に関する宗則(平成8年宗則第4号)は、廃止する。

(平成16.11.2―宗則17号)

この宗則は、発布の日から施行する。

(平成20.2.29―宗則3号)

この宗則は、平成20年4月1日から施行する。

(平成24.2.10―宗則43号)

1 この宗則は、平成24年4月1日から施行する。

2 この宗則施行の際現に存する宗教法人たる教会は、この宗則による一般寺院とみなす。この場合において、現に教会の主管者たる者は、この宗則による一般寺院の住職とみなす。

(平成27.3.24―宗則4号)

この宗則は、発布の日から施行する。

(平成30.3.28―宗則4号)

1 この宗則は、平成30年4月1日から施行する。

2 僧侶規程(昭和21年宗則第9号)の一部を次のように変更する。

〔次のよう〕略

3 冥加金規程(昭和22年宗則第37号)の一部を次のように変更する。

〔次のよう〕略

4 寺族規程(平成16年宗則第11号)の一部を次のように変更する。

〔次のよう〕略

5 総局は、この宗則施行の日にかかわらず、あらかじめ必要な準備措置を講じることができるものとする。

寺院規程

昭和27年3月25日 宗則第15号

(平成30年4月1日施行)

体系情報
第3編 寺院・僧侶・坊守/ 寺院関係
沿革情報
昭和27年3月25日 宗則第15号
昭和31年 宗則第10号
昭和34年 宗則第4号
昭和59年 宗則第5号
平成16年3月10日 宗則第4号
平成16年11月2日 宗則第17号
平成20年2月29日 宗則第3号
平成24年2月10日 宗則第43号
平成27年3月24日 宗則第4号
平成30年3月28日 宗則第4号