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宗門の過疎対策について

宗派ニュース2020.06.08

宗門における過疎対策の推進は、総局が「中央寺院振興対策委員会」並びに「教区寺院振興対策委員会」と緊密な連携を図り、過疎地域に所在する寺院をはじめとする既存寺院が「寺院規程」に定める"寺院の目的"を果たすことができるよう支援するものです。
具体的には、ふるさとを離れて過ごす門信徒や、その子や孫への伝道を目的とした「離郷門信徒のつどい」の開催支援があります。
また、「寺院振興金庫」(財的支援)、「寺おこし事業の紹介」(寺院相互扶助)、「寺院振興に向けた相談窓口」など、宗門の伝道教化基盤であるそれぞれの寺院の充実振興により、宗門の教線が維持されることを願っています。

「寺院振興支援対策(過疎対策)」の基本方針(目的、対象、方法)(PDF)
2020(令和2)年度「寺院振興支援対策(過疎対策)推進計画」について(PDF)(6月8日更新)

「離郷門信徒のつどい」(ふるさとの会)開催のご提案

-子どもたちへ、お念仏の声をとどけるために-

長いあいだ、お念仏は「家」の伝統のうえに伝えられてきました。「家の宗教」だったから教えに出会えたという人もありました。
しかし現在、その「家」のなかで育まれた伝承は崩れつつあるのではないでしょうか。阿弥陀さまの前で深々と頭を下げる父を見て育った人も、口ぐせのようにとなえる母の念仏を聞いて育った人も、「家」を離れ、自分が父や母となり、そして老いはじめています。
しかも、その子どもたちには、そんな父や母の「こころの風景」は見えにくくなってきました。郷里を離れ、年月を重ねると、いまでは極めて細い糸でお寺とつながっているかのようにも感じます。
いま、この細い糸をたぐり、より合わせてもっと太い糸や綱にしておかねば、将来、どうなっていくのでしょう。
お釈迦さまは、「美田に種子おろすべし」と示唆されたといいます。
その美田とは、誰かが阿弥陀さまに頭を下げる情景を見、どこかでお念仏の声を聞いて育った人々のところに残されているのではないでしょうか。
その人々と、またその子どもたちとつながっていこう、そして細い糸をより太いものにしていこうというのが、ここに提案します「離郷門信徒のつどい」です。

「ふるさとからお念仏を伝えにいきませんか」

宗門では全国各地の人口集中都市へ移り住まれている寺族、門信徒、また核家族で過ごされている次世代の方々への伝道に取り組むため「離郷門信徒のつどい」の開催を奨励しています。ふるさとを離れて過ごされている門信徒の方々とご住職、そして、浄土真宗のみ教えとの出遇いの場を提供するものです。
ふるさとやお寺と離れて暮らす方々が、浄土真宗のみ教えに出会い、手を合わせていただく機会が増えることを願っています。
今年度より、さらに多くの方々がご法縁に恵まれますよう「離郷門信徒のつどい」を開催する団体に対して、開催規模に応じた助成金の交付を行うなど支援をいたしております。
ご住職の皆様方には何かとご多用とは存じますが、宗門全体で浄土真宗のみ教えを次の世代へ伝える場として、ご縁づくりにご尽力いただきますようご案内いたします。

1.支援内容
(1)「離郷門信徒のつどい」開催にかかる相談・受付
(2) 会場・備品等の無償貸与(事前に日時確認・申込等が必要です)
(3) 当日の開催補助等
(4) 開催助成金の交付
詳しくは「離郷門信徒のつどい」開催奨励パンフレット、リーフレットがございます。ご希望の方には郵送させていただきます。

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「離郷門信徒のつどい開催助成金」交付要綱(PDF)
「離郷門信徒のつどい」開催実績(PDF)
「離郷門信徒アンケートの報告①」(『宗報』2016年11・12月合併号記事)(PDF)
「離郷門信徒アンケートの報告②」(『宗報』2017年1月号記事)(PDF)

「寺院振興金庫」について

親鸞聖人750回大遠忌宗門長期振興計画の重点項目として「過疎・過密対策」が掲げられ、その対策の1つとして一般寺院の振興支援並びに国内開教の促進を図るための財的支援(貸付・助成)を目的に設置されたのが、「寺院振興金庫」です。
なお、貸付利息は、実際に貸付を行う年度の4月1日の基準割引率及び基準貸付利率(公定歩合)に、0.5%を加算した数を乗じた額になりますので、ぜひご活用ください。

※貸付・助成申請期限は、各教区教務所(都市開教対策本部)を通じて、毎年度9月末日までに寺院活動支援部<国内伝道・寺院伝道支援担当>必着となります。

「寺院振興金庫」のご案内(PDF)

「寺院振興に向けた相談窓口」について

寺院振興に向けた相談窓口 ~お寺のことは門徒さんの一大事~

過疎地域とは、「人口が減少している地域」という意味だけではありません。「過度なる人口減少」と共に、「地域社会の活力が低下」し「基礎的生活条件の維持が困難な状態にある」という問題を抱えています。
向都離村から生じる人口減少は、必ず門信徒の減少とは言えませんが、門信徒の後継者を失うことを誘引しています。ひいては、門信徒による寺院の運営・護持を維持する力を弱めることにつながります。人口減少は避けることのできない問題です。寺院活動から生じる収入に依存することのない、寺院の運営・護持が成り立たなければ、「寺院活動の存続」は極めて困難な局面を迎えることになります。
ご住職は、寺院の主宰者である責任感を強く持たれ、周囲からの期待も高く、寺院活動を続けていただいています。今後、益々人口減少が進む時代社会にあって、寺院活動の存続は、重大な問題となります。寺院がその地域()にとって、「なくてはならない」とする「在り方」を示せるか否かは、寺院の存否に関わることになります。この「寺院の在り方」から導かれる「伝道・教化活動」や、「地域の教線維持」は、主宰者たるご住職へ一任され展開されています。
寺院の状況は様々ですが、ご住職が現状の課題への対応や、寺院の将来展望を案じておられることを静観することがないよう「寺院振興に向けた相談窓口」を設けています。

以下ファイルを利用し、メール・FAX・お手紙にてご相談ください
「寺院振興に向けた相談窓口」ご相談フォーム(PDF)

~こんなご相談をいただいています(主な事例)
1.「宗派の過疎対策についての資料がほしい」(組会・連研で活用したい)
2.「住職代務をしている寺院の今後について相談にのってほしい」
3.「近隣の過疎地域の現状を見てほしい」
4.「住職を退任し、年金で生活をしている。時間的な余裕もあるため、過疎地域の寺院でお手伝いできないか」
※この他、寺院運営について、「離郷門信徒のつどいの開催」、「寺院振興金庫(貸付・助成)」や、「寺おこし事業の紹介」に関すること等、ご相談やご要望等をいただいています。

「宗門の過疎対策の基本方針」
「寺院振興支援対策」(過疎対策)
<目的> 宗門の伝道教化基盤の充実振興を図る
<対象> 「過疎地域」に所在する寺院、並びに過疎化現象から生じる門信徒数の減少などにより、寺院の護持・運営が困難な状況にある寺院が、「寺院規程」に定める"寺院の目的"を果たすことができない、または将来その可能性が高い寺院
<方法> 「寺院規程」に定める"寺院の目的"を果たすことができるよう支援する
     ○寺院の実態に即した対応をするため、教区と綿密な連携を図る
     ○寺院の護持・運営等に関する相談に対応する

「過疎地域」の定義
宗門における「過疎地域」は、国の定める「過疎地域自立促進特別措置法」(以下「過疎法」)に定義される過疎地域を適用し準用する次の地域を宗門において「過疎地域」と定める。

「過疎地域市町村」
人口要件、財政力要件ともに該当する市町村。(「過疎法」第2条第1項及び第32条)

「過疎地域とみなされる市町村」
過疎地域市町村を含む合併による新市町村で人口要件、財政力要件、公共施設の整備状況、人口・面積の規模の各要件に該当する市町村。(「過疎法」第33条第1項)

「過疎地域とみなされる区域のある市町村」
過疎地域市町村を含む合併による新市町村は、過疎地域市町村の要件・過疎地域とみなされる市町村の要件ともに該当しない場合でも、その新市町村のうち合併前に過疎地域であった市町村の区域は過疎地域とみなされる。(「過疎法」第33条第2項)

(ご参考)http://www.kaso-net.or.jp/publics/index/17/
<全国過疎地域市町村自立促進連盟 過疎市町村マップ>

寺院振興支援(寺院施設新築)に資する情報提供について

今般、宗門総合振興計画『基本方針Ⅲ.宗門の基盤づくり』の中で、「持続可能な寺院のあり方を検討、運用」する取り組みとして、本堂・納骨堂・門徒会館などの寺院施設新築計画検討に資する「多目的礼拝施設モデル」について情報提供をいたします。
(経緯)『第10回宗勢基本調査報告書』の中で、「寺院施設の改築・新築の必要がある」と回答した寺院(65.4%)には「資金的な見通しが立っていない」寺院が多数(86.7%)含まれるという結果でした。
そこで、資金的に見通しの立てやすい2,000万円程度で、ハウスメーカーへ相談しました。モデル設計の基本仕様は、平屋、水回りなし、約100平米(30)で建築することを想定しています。
図面・費用など勘案の上、資料請求やご相談については記載の連絡先へお願いをいたします。

1.基本仕様

本体工事のみ
1)建築面積:約100平米(30)程度
2)仕様:平屋、水回り無
※既存施設の除却、及び屋内施設などの設営などは含まない。

2.提案業者
  資料請求先
1)ミサワホーム近畿株式会社 本社 担当:渡邊 PDF
 <大阪市北区堂島2丁目2番2号 近鉄堂島ビル TEL:06-6341-1301>
2)大和ハウス工業株式会社 本社 PDF
 <大阪市北区梅田3-3-5 TEL:06-6342-1254>
3)株式会社 ヤマダホームズ 京滋支社 担当:畑澤 PDF
 <京都市下京区堀川通綾小路下ル綾堀川町293-1 堀川通四条ビル2階 TEL:075-344-0073>
4)トヨタホーム近畿株式会社 担当:山内 PDF
 <大阪市西区立売堀3-1-14 阿波座ビル TEL:06-6537-1100>
3.事務対応 1)問い合わせに対しては直接業者を紹介するのみとして、当該者同士で対応ください。
2)新築については、宗派内手続等が必要です。お尋ねください。
3)提案希望の業者様は当部までご連絡ください。持続可能な寺院運営に資するため、「一部上場企業」及び「経営業務の管理責任者」が在籍している企業体を基本とし、「住宅完成保証制度」があることも条件としています。

み教えを次世代に繋げる研究・調査

1)過疎問題連絡懇談会

2015(平成27)年、過疎問題に関する各教団の現状や対策を共有する「過疎問題連絡懇談会」を立ち上げ(本派協賛、大谷派を事務局)、寺院活動支援部<過疎地域対策担当>と総合研究所が連携して、み教えを次世代につなげるための情報交換・研究を行っています(2015年度3回、2016年度1回、2017年度2回、2018年度2回開催)。

2)T型集落点検

2015(平成27)年9月、徳野貞雄氏(熊本大学名誉教授)が提唱する「T型集落点検」を、地域活性化の事例的取組モデルとして実施しました。内容については、2017(平成29)年『宗報』3月号にて報告をいたしました。
「ムラから出たご門徒とどう関わるか~ムラのお寺の可能性をさぐる~」PDF
(『宗報』2017年3月号記事)調査結果を受けて、T型集落点検の効果と実践方法について取りまとめ、一般寺院で実践いただくための啓発とテキスト作成など計画をしています。

「T型集落点検」とは
・T型集落点検とは徳野教授が考案した手法で、家族や集落がどんな状況にあるか、またこれからどんな状況を迎えることになるかを予測し把握するために有効な手法です。
・T型と呼ばれるのは、図表で「父親-母親」を水平に書き、その下に子どもを書き、またその子どもが結婚していれば同じ様に家系図を図式化していくというもので、その形がアルファベットのTを連続させていくので「T型」と呼ばれます。(岐阜県郡上市和良町、「和良おこし協議会」より引用)
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3)能登地域寺院調査

2017(平成29)年8月25日~28日の4日間に亘り、石川県七尾市に所在する仏教寺院20ヶ寺(本願寺派6、大谷派8、曹洞宗4、日蓮宗1、高野山真言宗1、及び葬儀社2社)の「寺院調査(聞き取り調査)」、並びに能登島内の集落(野崎町)にて「ご縁集落点検」を実施いたしました。
「調査員」には本願寺派(当部及び総合研究所)10名、龍谷大学(社会学部社会調査班)の准教授以下学生20名に加え、「過疎問題連絡懇談会」(超宗派)の参加メンバーより13名(大谷派、高野山真言宗、真言宗智山派、曹洞宗、日蓮宗、臨済宗妙心寺派)が加わるなど、大変大掛かりな調査となりました。
・「寺院調査(聞き取り調査)」
寺院への「聞き取り調査」については、各班4~6名程度が4つの班に分かれ、約120分から180分かけて、住職より寺院の置かれている現状や課題、今後の展望について具体的に伺うことが出来ました。
・「ご縁集落点検」
他出子の調査から寺院の未来を展望する「ご縁集落点検」では、能登島野崎町の2ヶ寺(本願寺派及び大谷派寺院)を会場に、地元住民20名が参加するワークショップを行い、翌日は集落の各戸に訪問し「アンケート調査」も実施することが出来ました。
調査の内容は以下PDFファイルをご覧ください。
「能登地域寺院調査」(PDF)
「地域が紡ぐお寺の力」(『宗報』2017年11・12月合併号記事)(PDF)
『離郷者の心に届くご縁 ~能登・氷見地域の「こんごう参り」について~』(PDF)
 (『宗報』2019年1月号記事)

龍谷大学(農学部・社会学部)との連携について

宗門総合振興計画『基本方針Ⅲ.宗門の基盤づくり』の中で、「持続可能な寺院のあり方を検討、運用」する先駆的取り組みとして、宗門関係学校である龍谷大学と「宗学連携」による寺おこし・地域おこしに取り組んでいます。

1)龍谷大学農学部インターンシップ事業(人的交流、地域おこし)

本願寺派寺院は農村漁村地域に多く位置していることから、2015(平成27)年度新設された龍谷大学農学部と連携し、学生の短期受入(インターンシップ)による「人の交流」を2016(平成28)年度より実施しています。外から見た地域の魅力の発掘(地域ブランドを作り出す可能性)や、第2のふるさと(交流の継続)としてまた地元資源の再発見など地域おこしに結び付くとの観点から、2017(平成29)年度は8月8日~9月11日の期間に6ヶ寺が7名、2018(平成30)年度は8月8日~9月8日の期間に3ヶ寺が3名の学生を受入れました。
「寺院を拠点としたインターンシップ」(PDF)
 (『宗報』2016年11・12月合併号記事)
「龍谷大学農学部インターンシップにおける寺院の役割と今後について」
 (『宗報』2017年11・12月合併号記事)(PDF)
2020年度 龍谷大学農学部インターンシップ募集要項 (2020年度募集は終了しました)

2)龍谷大学社会学部コミュニティマネジメント学習(人的交流、地域おこし)

人口減少、少子高齢化、核家族化の影響を受け、地域活力が低下する一方、これまで地域コミュニティを維持してきた寺院の活動は、近年寺院の外から注目されています。そこで、宗派と龍谷大学社会学部(コミュニティマネジメント学科)が連携し、寺院をフィールドとした地域連携に取り組む実習を計画しました。
学生は日常的な寺院活動や法要行事に参加しながら、寺院の活動を学ぶとともに、地域住民も交えた地域活性化の企画も行い、地域おこしに参画するための知識や能力を学びます。寺院にとっては、門信徒以外の方を呼び込む人的交流から、地域及び寺院活性化を目指すものです。
2017(平成29)年度 龍谷大学社会学部コミュニティマネジメント実習受け入れ寺院の募集について

3)お寺de農業インターンシップ(人的交流、地域おこし)

2017(平成29)年度「龍谷大学農学部インターンシップ」へ申込された寺院と協力し、宗派主催で農業インターンシップ(お寺に宿泊しながら地域農業の実習体験)を実施しました。
7月14日~8月28日までの期間中、3ヶ寺(滋賀、京都、山陰)に参加した7名の実習生(学生)は、積極的に参加しながら、地域の方々とふれ合いました。実際の様子は以下PDFファイルをご覧ください。
「お寺de農業インターンシップの様子」(PDF)
実習生を受け入れた、三田真史ご住職(京都教区天橋組浄福寺)からは「地域の様々な農業を知ってもらえる機会ができた」「農家のご門徒が学生との交流を喜んでいただいたことが嬉しい」「来年も受け入れたい」など感想をいただきました。(詳しくは『宗報8月号』10頁"こころ通信"欄に掲載)
「農業インターンシップ 2017(平成29)年」(『宗報』8月号記事)(PDF)
今後、本事業に参加いただいた寺院や実習生(学生)の感想など報告予定しています。

お問い合わせ

寺院活動支援部<過疎地域対策担当>
       <国内伝道・寺院伝道支援担当>

TEL:075-371-5181(代表) FAX:075-351-1211