○宗務員規程
平成24年2月10日
宗則第25号
目次
第1章 総則(第1条―第8条)
第2章 服務(第9条―第17条)
第3章 分限(第18条―第25条)
第4章 資格試験及び講習会
第1節 宗務員資格試験(第26条―第28条)
第2節 管理職任用資格試験(第29条―第31条)
第3節 宗務員資格試験委員会及び管理職任用資格試験委員会(第32条・第33条)
第4節 宗務員講習会(第34条―第39条)
第5章 補則(第40条)
附則
第1章 総則
2 宗務員は、特に定める場合を除き、すべてこの宗則の規定に従って、その任務を遂行しなければならない。
(宗務員の本分)
第2条 宗務は、すべて如来の大悲をひろめ伝えるための公務である。
2 宗務員は、真実の信仰の喜びに燃えて、広大な仏恩に報謝する心から、大悲伝化の本分を全うするとともに、本山本願寺の永世護持に努めなければならない。
(宗務員の種別)
第3条 宗務員は、第1種宗務員、第2種宗務員及び第3種宗務員とする。
2 第1種宗務員は、次の各号に掲げる者とする。
一 総長、総務及び副総務
二 勧学寮頭及び勧学寮員
三 監正局長、特別審事、審事、会計検査員及び監事
四 直轄寺院の宗務長及び副宗務長
3 第2種宗務員は、第1種宗務員を除く、次の各号に掲げる者とする。
一 宗務部門の職員(研究職員を含み、嘱託職員、保安職及び用務職を除く。)
二 宗会事務局の職員
三 勧学寮の職員
四 監正局の職員
五 教務所の職員
六 直轄寺院の職員
七 直属寺院の職員
八 開教総長、海外別院の輪番及び開教使
九 沖縄県宗務事務所の職員
十 仏教学院の職員(講師及び嘱託を除く。)
4 第3種宗務員は、次の各号に掲げる者とする。
一 組長及び副組長
二 布教使及び輔導使
三 宗務特別開教区の都市開教専従員
四 宗務所出仕及び宗務所用係
五 直轄寺院及び直属寺院の財産管理調査員
六 勤式指導員
七 司学
2 本山の執行長、副執行長及び執行は、第1種宗務員とする。
3 前項以外の本山寺務所員(嘱託職員及び用務職を除く。)は、第2種宗務員とする。
(宗務員補任の原則)
第5条 宗務員は、僧侶又は帰敬式を受けた寺族及び門徒のうちから補任することを原則とする。
2 前項の規定にかかわらず、総局は、特に必要があると認めたときは、専門性に応じた外部人材を、宗務員に補任することができる。
(補任手続)
第6条 第2種及び第3種宗務員に補任される者は、宗達の定めるところにより、履歴書、誓約書、各種証明書その他必要な書類を当該宗務機関(以下、特に定のない場合は本山の寺務機関を含む。)に提出しなければならない。
2 前項の規定による提出書類の記載事項に異動があるときは、そのつど、当該宗務機関に届出なければならない。
(宗務員等級)
第7条 宗務の統制を図り、宗務員の秩序を保持するため、宗務員に、次の各号に掲げる等級を設ける。
一 特授 1等から3等まで
二 親授 1等から4等まで
三 禀授 1等から5等まで
四 例授 1等から3等まで
(等級その他共通事項の処理)
第8条 前条の規定による等級の付与及び昇級など、宗務員等級に関する一切の事務は、総長が統括して行う。
2 総局は、宗務員台帳を作製し、これを保管しなければならない。
3 宗務機関は、前項の台帳を随時閲覧することができる。
第2章 服務
(宗務員の遵守事項)
第9条 宗務員は、常に第2条に定める本分を自覚し、品位を重んじ、礼儀を正しくするとともに、職務に関すると否とを問わず、その信用を失うような行為があってはならない。
(守秘義務)
第10条 宗務員は、職務上知り得た秘密を漏らすことができない。退職の後も同様とする。
(文書の公表の禁止)
第11条 宗務員は、宗務(以下、特に定のない場合は本山寺務を含む。)に関する事項又は文書について、発令その他公示の手続が終らない前に、これを公表してはならない。
(批議言説の公表禁止)
第12条 宗務員は、宗務に関する事項について、濫りにこれを批議する言説を公表することができない。
(復命義務)
第13条 第2種宗務員は、その職務を行うについて、上長宗務員の命に従わなければならない。
(職務専念義務)
第14条 第2種宗務員は、上長宗務員の許可を得ないで、本職のほかに俸給又は手当等を得て、他の業務を行うことができない。
(離職、離任の禁止)
第15条 第2種宗務員は、上長宗務員の許可を得ないで、職務を離れ、又は任地から離れることができない。
(贈与受取の禁止)
第16条 宗務員は、職務に関して、濫りに他人の贈与を受けることができない。
(ハラスメント行為等の禁止)
第17条 宗務員は、次の各号に掲げる行為を行ってはならない。
一 性的言動により他の宗務員に苦痛を与え、又はそれへの対応によって労働条件について不利益を与える行為。
二 職務上の地位を利用して、他の宗務員に交際を強要したり、性的関係を強要するなどの行為。
三 性的な言動により就業環境を害する行為。
四 職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景にした、業務の適正な範囲を超える言動により、他の宗務員に精神的・身体的な苦痛を与える、又は就業環境を害する行為。
五 妊娠・出産等に関する言動及び妊娠・出産・育児・介護等に関する制度又は措置の利用に関する言動により、他の宗務員に精神的・身体的な苦痛を与える、又は就業環境を害する行為。
六 前各号のほか、性的指向・性自認に関する言動によるものなど職場におけるあらゆるハラスメント行為及び刑法や交通関連法規などの法律又は都道府県条例等に違反する行為。
第3章 分限
(解職)
第18条 第2種宗務員で、次の各号のいずれかに該当するときは、これを解職することができる。
一 不法行為があったとき。
二 精神又は身体の故障で、職務を執ることができないとき。
三 職制又は規則の変更で過員を生じたとき。
四 勤務怠慢のとき。
五 勤務成績が不良のとき。
六 一身上の都合で、退職を願出たとき。
(懲戒による解職)
第19条 第2種宗務員で、次の各号のいずれかに該当するときは、当然解職される。
一 監正局の懲戒で、僧籍剥奪、重戒、軽戒、罷職、失格又は欠格に処せられたとき(決行猶予を含む。)。
二 宗務員懲戒で、免職に処せられたとき。
(定年による退職)
第20条 第2種宗務員が、定年に達したときは、別に定める場合を除き、定年に達した日の月末をもって退職とする。
(休職)
第21条 第2種宗務員で、次の各号のいずれかに該当するときは、休職を命じることができる。
一 病気その他の事故で、3か月以上職務を執ることができないとき。
二 職制又は規則の変更で過員を生じたとき。
三 宗務上の事由による長期の海外在留又は国内、海外において留学を命じられたとき。
四 私事欠勤が1か月に達し、なお欠勤が続くとき。
(事件による休職)
第22条 第2種宗務員で、次の各号のいずれかに該当するときは、事件の継続中、休職を命じることができる。
一 宗務員懲戒として監正局の審査に付されたとき。
二 懲戒事件として監正局の審査に付されたとき。
三 刑事事件に関して起訴されたとき。
(懲戒による休職)
第23条 第2種宗務員で、次の各号のいずれかに該当するときは、休職させる。
一 宗務員懲戒で、停職に処せられたとき。
二 監正局の懲戒で、謹慎に処せられたとき。
(復職)
第25条 第21条の規定によって、休職を命じられた者に対しては、何時でも復職を命ずることができる。
第4章 資格試験及び講習会
第1節 宗務員資格試験
(宗務員資格試験)
第26条 宗務員資格試験(以下「資格試験」という。)は、事務員資格試験、法務員資格試験及び特別法務員資格試験とする。
2 前項の資格試験は、宗務所において、毎年7月又は8月に実施する。但し、必要がある場合には、臨時に実施するものとする。
(受験資格)
第27条 第2種宗務員で、基本講習会の課程を修了した者のうち、教師は、事務員資格試験及び法務員資格試験の受験を、教師でない僧侶、寺族、門徒その他の者は、事務員資格試験の受験を願出ることができる。但し、特別法務員資格試験は、法務員資格試験合格者でなければ受験を願出ることができない。
2 前項の規定にかかわらず、中央仏教学院研究科勤式課程を卒業した者で教師資格を有する者は、法務員資格試験又は特別法務員資格試験の受験を願出ることができるものとする。但し、特別法務員資格試験は、法務員資格試験合格者でなければ受験を願出ることができない。
(資格認定)
第28条 総局は、特に必要があると認めたときは、教師を、事務員資格試験、法務員資格試験及び特別法務員資格試験合格者として、教師でない僧侶、寺族、門徒その他の者を、事務員資格試験合格者として、それぞれ随時認定することができる。
第2節 管理職任用資格試験
(管理職任用資格試験)
第29条 第2種宗務員で、宗務所員勤務規程(平成24年宗則第26号)第3条第3項の規定による管理職、直轄寺院の管理職、直属寺院の輪番及び主管並びに教務所長又は本山の管理職(以下「管理職」という。)に任用するため、管理職任用資格試験(以下「管理職試験」という。)を実施する。
2 管理職試験は、第1種及び第2種の2種とする。
(受験資格)
第30条 管理職試験の受験資格は、次のとおりとする。
一 第1種 事務員資格試験及び法務員資格試験に合格している教師で実務講習会の課程を修了した者
二 第2種 事務員資格試験に合格している教師でない僧侶、寺族、門徒その他の者で実務講習会の課程を修了した者
2 前項の受験を願出る者は、第2種宗務員のうち、第3条第3項第1号から第4号までに該当する者及び本山寺務所員は、宗務所員給与規程施行条例(平成24年宗達第16号)別表第1号又は寺務所員給与規程施行条例(平成24年達令第3号)別表第1号の俸給表における職務等級3等級を、第3条第3項第5号から第7号まで及び第9号に該当する者は、別に定める基準を、それぞれ通算して6年以上経歴した者でなければならない。但し、人事評価に基づき総局が特に必要があると認めたときは、通算経歴が6年未満であっても、受験を願出ることができる。
3 総局は、第2種管理職試験合格者が、教師を授与され、法務員資格試験に合格したときは、第1種管理職試験合格者として名簿に登録することができる。
(資格認定)
第31条 総局は、特に必要があると認めたときは、教師を、第1種管理職試験合格者として、教師でない僧侶、寺族、門徒その他の者を、第2種管理職試験合格者として、それぞれ随時認定することができる。
第3節 宗務員資格試験委員会及び管理職任用資格試験委員会
(宗務員資格試験委員会)
第32条 資格試験の合否の判定及び認定は、宗務員資格試験委員会の審査を経なければならない。
(管理職任用資格試験委員会)
第33条 管理職試験の合否の判定及び認定は、管理職任用資格試験委員会の審査を経なければならない。
第4節 宗務員講習会
(講習会)
第34条 宗務員講習会(以下「講習会」という。)は、第2章の規定による服務を遵守し、宗務員としての自覚を確立するため、開催するものとする。但し、各宗務機関が独自に開催することをさまたげない。
(講習会の受講義務)
第35条 第2種宗務員は、講習会を受講しなければならない。
(講習会の種類)
第36条 講習会は、基本講習会、実務講習会及び管理職講習会とし、それぞれ職制に応じて対象別に開催する。但し、必要に応じてその他の講習会を開催することができる。
(基本講習会)
第37条 基本講習会は、宗務に関する基礎的事項を修得するため、開催する。
(実務講習会)
第38条 実務講習会は、宗務に関する全般的な実務を修得するため、開催する。
(管理職講習会)
第39条 管理職講習会は、管理職として必要な技能的、専門的知識を修得するため、開催する。
第5章 補則
(宗達への委任)
第40条 この宗則の施行について必要な事項は、宗達で定める。
附則
1 この宗則は、平成24年4月1日から施行する。
2 宗務員規程(昭和24年宗則第113号。以下「旧規程」という。)は、廃止する。
3 この宗則施行の際現に廃止される旧規程による宗務員は、すべてこの宗則による宗務員とみなす。宗務員等級についても同様とする。
4 この宗則施行の際現に廃止される旧規程による事務員資格試験、法務員資格試験及び特別法務員資格試験並びに管理職任用資格試験合格者は、この宗則による当該試験合格者とみなす。
5 この宗則施行の際現に廃止される旧規程第48条の規定による管理職は、この宗則による管理職任用資格試験合格者とみなす。
6 この宗則施行の際現に廃止される旧規程による基本講習会、実務講習会及び管理職講習会を受講した者は、この宗則による当該講習会を受講した者とみなす。
7 第1項の規定にかかわらず、総局は、この宗則の施行に必要な準備措置を講じることができる。
附則(平成26.3.21―宗則10号)
1 この宗則は、平成26年4月1日から施行する。
2 前項の規定にかかわらず、総局は、この宗則の施行に必要な準備措置を講じることができる。
附則(平成28.3.25―宗則5号)
この宗則は、発布の日から施行する。
附則(平成29.3.24―宗則4号)
この宗則は、平成29年4月1日から施行する。
附則(平成31.3.26―宗則7号)
この宗則は、発布の日から施行する。
附則(令和4.2.22―宗則7号)
1 この宗則は、令和4年4月1日から施行する。
2 この宗則施行の際現に管理職任用資格試験に合格している教師は、この宗則による第1種管理職任用資格試験合格者とみなし、管理職任用資格試験に合格している教師でない僧侶、寺族又は門徒は、この宗則による第2種管理職任用資格試験合格者とみなす。
3 第1項の規定にかかわらず、総局は、あらかじめ必要な準備措置を講じることができるものとする。