○本山典令

平成23年8月29日

目次

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 住職等(第7条―第16条)

第3章 住職の法灯伝承(第17条―第21条)

第4章 内局(第22条―第30条)

第5章 本願寺評議会(第31条―第39条)

第6章 本願寺総代及び本願寺参与

第1節 本願寺総代(第40条―第44条)

第2節 本願寺参与(第45条―第49条)

第7章 教学顧問(第50条・第51条)

第8章 財務

第1節 財産管理(第52条―第55条)

第2節 予算及び決算(第56条―第71条)

第3節 検査及び監査(第72条)

第9章 補則(第73条―第79条)

附則

第1章 総則

(名称)

第1条 この寺院は、「本願寺」という。

(山号)

第2条 この寺院の山号は、「龍谷山りゅうこくざん」という。

(目的)

第3条 この寺院は、親鸞聖人を宗祖と仰ぎ、本願寺住職(以下「住職」という。)を中心として、浄土真宗の教義をひろめ、法要儀式を行い、僧侶、寺族、門徒、信徒その他の者を教化育成し、自他共に心豊かに生きることのできる社会の実現に貢献することを目的とする。

(包括団体)

第4条 この寺院を包括する宗教団体は、「浄土真宗本願寺派」(以下「宗門」という。)とする。

(本山)

第5条 この寺院は、宗門の本山であり、一宗弘教の根本道場である。宗門に包括されるすべての個人及び団体によって永世護持される。

2 この寺院は、宗門に包括される宗教団体であるが、その運営上の独自性の享有をさまたげられない。この寺院は、宗門の本山として、宗門の宗制宗法宗規その他の規則を遵守し、宗門との強固な協力体制を築くとともに、積極的にその役割を果たすものとする。

(飛地境内建物)

第6条 この寺院は、由緒ある重要な礼拝施設として、次の各号に掲げる飛地境内建物を備える。

 大谷本廟

 日野誕生院

 角坊

第2章 住職等

(住職)

第7条 住職は、法灯を伝承して、この寺院を統一し、寺務を統理する。

2 住職は、宗門の門主に就任する。

(寺務の執行)

第8条 住職は、寺務機関の申達によって寺務を行う。

2 前項の寺務については、申達した寺務機関が、その責任を負う。

(職務)

第9条 住職は、執行長の申達により、得度式、帰敬式その他法要儀式の執行、教義の宣布、消息の発布、改悔批判の与奪並びに法物及び染筆の授与のほか、次の各号に掲げる職務を行う。

 本山典令の変更の発布

 宗教法人「本願寺」寺法(以下「寺法」という。)の変更の発布

 寺達の制定及び変更の発布

 この寺院の諸規則による寺務員その他の任命

 前各号のほか、この寺院の諸規則で住職の権限に属するものとされた事項

(本願寺前住)

第10条 第18条第1項の規定によって、住職を退任した者を本願寺前住(以下「前住」という。)という。

(本願寺嗣法)

第11条 第17条第1項第1号又は第2号に掲げる者で、得度式を受けた者を、本願寺嗣法(以下「嗣法」という。)という。

2 嗣法は、住職を補佐する。

3 嗣法は、宗門の新門に就任する。

(住職代務)

第12条 住職が次の各号のいずれかに該当するときは、住職代務を置く。

 遷化その他の事由によって欠けた場合において、速やかに住職の法灯伝承(以下「伝承」という。)を行うことができないとき。

 未成年者であるとき。

 相当の期間その職務を行うことができないとき。

2 住職代務は、住職に代ってその職務権限の全部を行う。

(住職代務の就任順位)

第13条 住職代務には、嗣法が就任する。但し、未成年者である場合は、この限りでない。

2 前項の規定による住職代務を置くことができないときは、第17条第1項第3号から第6号までに掲げる者で、得度式を受けている者のうちから、住職法灯伝承委員会(以下「伝承委員会」という。)において、住職代務を選定する。

3 前項の規定によって住職代務に就任した者の任期は、4年とする。

(住職代務の退職)

第14条 住職代務は、その置くべき事由がなくなったときは、その職を退くものとする。

2 住職代務は、伝承委員会の同意を得て辞任することができる。

3 住職代務は、前条第1項の規定による者を除いて、伝承委員会において不適任であると認めたときは、その職を退かなければならない。

(本願寺坊守)

第15条 住職の配偶者を、本願寺坊守(以下「坊守」という。)という。

2 坊守は、宗門の裏方に就任する。

(本願寺前坊守)

第15条の2 前住の配偶者(生存配偶者を含む。)を、本願寺前坊守(以下「前坊守」という。)という。

(本願寺衆徒)

第16条 この寺院に、住職の認証を得て、本願寺衆徒(以下「衆徒」という。)を置くことができる。

2 前項の衆徒は、住職若しくは住職であった者の直系血族1親等の卑属又は坊守若しくは前坊守で、得度式を受け、僧籍にある者でなければならない。

第3章 住職の法灯伝承

(法灯伝承の順序)

第17条 住職は、世襲であって、宗祖の系統たる大谷宗家の家系に属する者が、次の順序によって、これを伝承する。

 住職の嫡出の長男子

 住職の嫡出の長男子の長男子

 前号以外の住職の嫡出の長男子の子孫

 前各号以外の住職の子孫

 住職の兄弟及びその子孫

 住職の最近親の系統に属する者

2 住職を伝承する者は、得度式を受け、僧籍にある者でなければならない。

(法灯伝承の時期)

第18条 住職の伝承は、住職の遷化又は退任によって行う。

2 前項の伝承は、嗣法が就任しているときは、直ちにこれを行う。

3 前条第1項第1号又は第2号に掲げる者が得度式を受けていないときは、得度式を受けないことが確定するまでは、同条第1項第3号から第6号までに掲げる者が得度式を受けている場合でも、住職代務を置かなければならない。

4 前条第1項第3号から第6号までに掲げる者のうちから、住職を伝承する者を選定する場合においては、伝承委員会の議決によらなければならない。

(住職の伝承ができない者)

第19条 第17条第1項各号に掲げる者に、精神若しくは身体の重篤な疾患があるなど、重大な事故があるときは、住職を伝承することができない。

2 前項に規定する事由の判定及び前条第3項に規定する得度式を受けないことの確定は、伝承委員会の議決によらなければならない。

(住職の伝承の辞退)

第20条 第17条第1項第1号及び第2号に掲げる者、並びに同項第3号から第6号までに掲げる者で伝承委員会において住職を伝承する者に選定された者は、自己の意思に基づいて、住職の伝承を辞退することができる。

2 前項の場合においても、住職の伝承の順序は、第17条第1項の規定に従う。

(伝承委員会)

第21条 伝承委員会は、次の各号に掲げる者で組織する。

 住職又は住職代務

 住職であった者

 坊守

 住職であった者の配偶者又はその生存配偶者

 第17条第1項第1号及び第2号に掲げる者(未成年者を除く。)

 前号に掲げる者の配偶者

 住職及び第5号に掲げる者の血族1親等の尊属

 執行長、本願寺評議会議長

 宗門の総長、宗会議長、勧学寮頭及び監正局長

2 伝承委員会は、執行長の申達によって、住職又は住職代務が招集する。但し、住職及び住職代務がともにないとき、又は事故があるときは、執行長が招集する。

3 伝承委員会に議長を置き、会議のつど、出席者の互選によって定める。

4 伝承委員会は、第1項に規定する者の4分の3以上が出席しなければ、議事を開き議決することができない。

5 伝承委員会の議事は、出席者の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。但し、伝承委員会を組織する者の一身上の事項については、その者は表決に加わることができない。

第4章 内局

(設置目的)

第22条 この寺院の寺務を執行する機関として、内局を置く。

(組織)

第23条 内局は、執行長、副執行長及び執行の3人で構成し、内局会議を組織する。

(執行長)

第24条 執行長は、教師のうちから住職の指名する2人又は3人の執行長候補者について、本願寺評議会が選挙を行い、その当選人を住職が任命する。

2 執行長は、内局を代表し、その寺務を総理する。

3 執行長の任期は、2年とし、再任されることができる。

4 執行長は、本願寺評議会が、評議員の定数の4分の3以上の多数により不適任であると認めたときは、その職を退かなければならない。

(副執行長)

第25条 副執行長は、教師のうちから住職の認証を得て、執行長が任命する。

2 副執行長は、執行長を補佐し、執行長に事故があるときは、その職務を代行する。

3 副執行長は、執行長が退任し、又は欠けたときは、退任しなければならない。

(執行)

第26条 執行は、寺務職員のうちから、執行長が任命する。

2 執行は、執行長の指示に基づき、寺務を処理する。

3 前条第3項の規定は、執行について準用する。

(職務の継続)

第27条 執行長、副執行長及び執行は、退任した後でも、後任者が就任するときまで、なおその職務を行うものとする。

(執行長・副執行長の代務者)

第28条 執行長又は副執行長が、次の各号のいずれかに該当するときは、代務者を置く。

 病気その他の事由によって3か月以上その職務を行うことができないとき。

 死亡その他の事由によって欠けた場合において、速やかにその後任者を選ぶことができないとき。

2 執行長代務者は、副執行長について住職が任命し、副執行長代務者は、住職の認証を得て執行長又は執行長代務者が任命する。

3 代務者は、執行長又は副執行長に代ってその職務の全部を行う。

4 代務者は、その置くべき事由がなくなったときは、その職を退くものとする。

(内局会議)

第29条 内局会議は、寺務の執行に関する重要事項並びに責任役員会及び本願寺評議会に提案又は付議すべき案件について審議し、決定する。

2 住職は、執行長の申達により、内局会議に臨席することができる。

(兼任禁止)

第30条 執行長、副執行長、執行及び副執行長代務者は、宗門の宗会議員を兼ねることができない。

第5章 本願寺評議会

(設置目的)

第31条 この寺院の議決機関として、本願寺評議会(以下「評議会」という。)を置く。

(組織)

第32条 評議会は、15人の評議員で組織する。

2 評議員は、次の各号に掲げる者について、執行長の申達により、住職が任命する。

 宗門の総長

 宗門の総長の推薦する総務 1人

 宗門の宗会議長

 宗門の宗会副議長

 宗門の宗会から選出された宗会議員 1人

 本願寺総代(責任役員を除く。)代表者 3人

 本願寺参与会議代表者 1人

 全国講社連絡会代表者 1人

 執行長が推薦する有識者 5人

3 前項第7号から第9号までに掲げる評議員は、宗門の宗会議員を兼ねることができない。

(職務権限)

第33条 評議会は、次の各号に掲げる事項をつかさどる。

 本山典令及び寺法の変更について議決すること。

 寺達の制定及び変更について議決すること。

 寺務の基本方針について議決すること。

 予算について議決すること。

 財産処分等について議決すること。

 決算について承認すること。

 前各号のほか、この寺院の諸規則によって評議会の権限に属するものとされた事項に関すること。

2 評議会は、寺務に関する重要な事項について提案することができる。

(任期)

第34条 第32条第2項第1号から第4号に規定する評議員以外の評議員の任期は、2年とし、再任されることができる。但し、補欠による者の任期は、前任者の残任期間とする。

(招集)

第35条 評議会の招集は、住職の認証を得て、執行長が行う。

2 評議会は、毎年2回、定期に招集する。但し、必要に応じて、臨時に招集することができる。

3 評議員の定数の2分の1以上の者が、緊急の必要を認めて要求するときには、執行長は、評議会の招集を決定しなければならない。

(定足数、議決数)

第36条 評議会は、評議員の定数の4分の3以上の出席がなければ、議事を開き、議決することができない。

2 評議会の議事は、特別の定がある場合を除いて、出席者の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(書面表決)

第36条の2 前条の規定にかかわらず、評議員は、やむを得ない事由により評議会に出席することができないときは、別に定めるところにより、書面による議決権の行使(以下「書面表決」という。)ができるものとする。

2 書面表決は、出席評議員の4分の3以上の多数による議決を要する事項、及び評議員全員が出席した評議会において、全員の賛成による議決を要する事項その他特別の定がある事項については、これを行うことができない。

3 書面表決を行う評議員の数及び書面表決による議決数は、前条の規定による評議会の定足数及び議決数に算入する。

(執行長への報告)

第37条 評議会で議決した事項は、速やかに執行長に報告しなければならない。

(議長その他役員の選任)

第38条 評議会は、議長及び副議長各1人その他必要な役員を選任する。

(住職の臨席)

第39条 住職は、執行長の申達により、評議会に臨席することができる。

第6章 本願寺総代及び本願寺参与

第1節 本願寺総代

(設置目的)

第40条 この寺院の諮問機関として、本願寺総代(以下「総代」という。)を置く。

(組織)

第41条 総代は、7人以上12人以内で組織し、学識経験のある門徒のうちから、執行長の申達によって、住職が委嘱する。

(職務)

第42条 総代は、この寺院の諸規則に規定する職務を行うほか、住職及び執行長の諮問に応じ、この寺院の運営に関する重要事項について意見を具申する。

(任期)

第43条 総代の任期は、4年とし、再任されることができる。

(兼任禁止)

第44条 総代は、宗門の宗会議員を兼ねることができない。

第2節 本願寺参与

(設置目的)

第45条 この寺院の護持発展のため、本願寺参与(以下「参与」という。)を置く。

(組織)

第46条 参与は、僧侶、寺族及び門徒のうちから、執行長の申達によって、住職が委嘱する。

(職務)

第47条 参与は、参与総会に出席するとともに、この寺院の護持発展に努める。

(参与会議)

第48条 住職及び執行長の諮問に応じるため、参与会議を置き、参与会議委員15人以上20人以内で組織する。

2 参与会議委員は、門徒たる参与のうちから、執行長の申達によって、住職が委嘱する。

(任期)

第49条 参与の任期は、4年とし、再任されることができる。

第7章 教学顧問

(設置目的)

第50条 教義及び教学に関する住職の諮問又は相談に応じるため、教学顧問を置く。

2 教学顧問は、3人とし、宗門の勧学寮頭、及び執行長の推薦する学階勧学を有する者2人について、宗門の総長の同意を得、住職が任命する。

(任期)

第51条 宗門の勧学寮頭たる教学顧問以外の教学顧問の任期は、4年とし、再任されることができる。但し、補欠による者の任期は、前任者の残任期間とする。

第8章 財務

第1節 財産管理

(原則)

第52条 この寺院の財産は、僧侶、寺族、門徒、信徒その他の者の懇念の結晶であるから、常に良好の状態において管理し、適正に運用しなければならない。

2 この寺院の財産は、本山典令寺法その他の規則に定める場合を除き、これを交換し、貸し付け、又は適正な対価なしに譲渡してはならない。

(財産の区分)

第53条 この寺院の財産は、特別財産、基本財産及び運用財産とする。

2 特別財産は、次の各号に掲げる財産とする。

 本尊、影像その他礼拝の対象となる有体物

 法物

3 基本財産は、次の各号に掲げる財産とする。

 不動産

 宝物

 基本財産として指定寄附を受けた有価証券、現金その他の動産

 基本財産に編入することを評議会において議決した有価証券、現金その他の動産

4 運用財産は、次の各号に掲げる財産とする。

 冥加金及び懇志

 基本財産から生ずる果実

 その他特別財産及び基本財産以外の財産並びに雑収入

(財産処分等の手続)

第54条 次の各号に掲げる行為をしようとするときは、あらかじめ総代の意見を聞き、評議会の議決(第1号から第3号については、出席評議員の4分の3以上の多数による議決)を経て、住職の認証を得た後、宗門の総長の承認を得、その行為の少なくとも1か月前に、信者その他の利害関係人に対し、その行為の要旨を示してその旨を公告しなければならない。但し、公告については、第4号から第6号までに掲げる行為が緊急の必要に基づくものであり、又は軽微のものである場合及び第6号に掲げる行為が一時の期間にかかるものである場合は、この限りでない。

 特別財産又は基本財産を設定又は変更すること。

 特別財産又は基本財産を処分し(法物を僧侶、寺族、門徒、信徒その他の者に授与する場合を除く。)、又は担保に供すること。

 借入(第66条第1項の規定による一時借入を除く。)又は保証をすること。

 主要な境内建物の新築、増築、移築、除却又は著しい模様替をすること。

 境内地の著しい模様替をすること。

 主要な境内建物の用途若しくは境内地の用途を変更し、又はこれらを寺院の教義の宣布、法要儀式の執行及び僧侶、寺族、門徒、信徒その他の者の教化育成以外の目的のために供すること。

2 前項第2号に掲げる行為をしようとする場合において、不動産(金額において、一般会計の予算の1割以内である場合を除く。)及び宝物を処分し、又は担保に供する場合は、住職の認証を得た後、宗門の宗会の同意を得、宗門の総長の承認を得なければならない。

3 第1項の規定にかかわらず、第1項第1号又は第2号に掲げる基本財産に関する行為で、その行為が、宗門の総局の申請に基づく本願寺所有不動産(本山境内地及び本山境内建物並びに飛地境内地及び飛地境内建物を除く。)の設定又は変更若しくは処分に該当し、かつ別に定める軽微のものであるときは、評議会の議決を省略することができる。この場合において、執行長は、評議会の議決を省略した案件について、これを次の評議会に報告しなければならない。

(財産目録)

第55条 執行長は、第53条に規定する区分に従い、財産目録を作成し、これに財産の名称、種類、員数その他必要な事項を記載しなければならない。記載事項に変更を生じたときは、そのつど訂正しなければならない。

第2節 予算及び決算

(会計年度)

第56条 この寺院の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終るものとする。

(歳入及び歳出)

第57条 この寺院の1会計年度における一切の金品の収納を歳入とし、一切の支出を歳出とする。

(量入為出の原則)

第58条 この寺院の毎会計年度における経費は、その年度の歳入で、運用財産に属するものをもって支弁しなければならない。

(宗門への回付金)

第59条 この寺院の歳入の一部は、これを一定の割合による回付金として、宗門に回付しなければならない。

2 前項の回付金の割合については、寺達で定める。

(会計の区分)

第60条 この寺院の会計は、一般会計及び特別会計とする。

2 特別会計は、特別の事業を行うため、一般会計と区分して経理する必要がある場合に限り、設定する。

(予算の編成)

第61条 予算は、会計ごとに、歳入及び歳出の区分によって編成しなければならない。

2 予算は、本予算、補正予算及び暫定予算とする。

(予算の区分)

第62条 予算は、必要に応じて経常部及び臨時部に分け、各々これを類、款、項及び目に区分して、その性質及び目的を摘記しなければならない。但し、一般会計にあっては目を、特別会計にあっては類及び目を省略することができる。

(予備費)

第63条 予見し難い予算の不足を補うため、予算中に予備費を設ける。

(予算の議決)

第64条 本予算は、会計年度ごとに執行長が編成し、住職の認証を得、年度開始前の定期の評議会に提出してその議決を経なければならない。

2 執行長は、完成に数年を要する工事その他の事業予算について、特に必要がある場合においては、評議会の議決を経て、2以上の会計年度にわたる継続費とすることができる。

(予算の繰越し及び予算の移用禁止)

第65条 年度予算において決定した経費の定額は、他の年度に属する経費に充てることができない。但し、年度内に終る予定の工事その他の事業で、やむを得ない事由によりその経費の支出を終らないものは、事前又は事後に評議会の承認を受けて、これを翌年度に繰り越して使用することができる。

2 歳出予算は、各項に定める目的以外に定額を使用し、又は各項間において彼此移用することができない。

(一時借入)

第66条 執行長は、予算の執行に当り、その収支の適合を図るため、一時借入をすることができる。但し、その借入金の現在高は、常に、一般会計にあっては予算総額の1割、特別会計にあっては当該特別会計の予算額の3割を超えてはならない。

2 前項の規定による一時借入金は、当該年度の歳入で償還しなければならない。但し、やむを得ない事情により、当該年度内に償還することができないときは、償還の方法を明らかにし、これを次の評議会に提出してその承認を求めなければならない。

3 第1項の規定による一時借入金は、一般会計にあっては特別会計に、特別会計にあっては一般会計及び他の特別会計に充当してはならない。

(補正予算)

第67条 本予算の議決後に生じた事由により、予算に追加その他の変更を加える必要が生じたときは、執行長は、補正予算を編成し、住職の認証を得て、評議会の議決を経なければならない。

(暫定予算)

第68条 一般会計の年度予算が成立しなかったときは、執行長は、住職の認証を得て、1会計年度のうちの一定期間にかかる暫定予算を編成する。

2 暫定予算の編成は、1度限りとし、その期間は、3か月を超えてはならない。

3 暫定予算は、当該年度の予算が成立したときは、失効するものとし、暫定予算に基づく収入及び支出又は負担は、これを当該年度の予算に基づいてなしたものとみなす。

(決算)

第69条 決算は、毎会計年度終了後3か月以内に、予算と同一の区分により執行長が作成し、宗門の監正局会計監査委員会の検査を経て、住職に報告し、その検査報告とともに、翌年度の最初の定期の評議会に提出して、その承認を求めなければならない。

2 決算には、当該年度末現在の財産目録及び貸借対照表並びに説明書及び寺務の執行に関する成果表を添えなければならない。

(剰余金)

第70条 決算に剰余を生じたときは、これをその翌年度の歳入に繰り入れるものとする。

(平衡資金)

第71条 前条の規定にかかわらず、予算編成上収支の均衡を保つために歳入の一部に繰り入れる資金として、評議会の議決を経て、前条の剰余金の一部又は全部を別途に積み立てることができる。

2 前項の規定による積立金を「平衡資金」といい、特別会計とする。

3 平衡資金の使用は、評議会の議決を経なければならない。

第3節 検査及び監査

(検査及び監査)

第72条 この寺院の財産の管理及び経理の運営に関する検査並びに寺務の執行に関する監査は、宗門の監正局会計監査委員会が行う。

第9章 補則

(門徒及び信徒)

第73条 僧侶及び寺族以外の者で、この寺院に帰向し、いずれかの寺院に所属し、当該寺院備付の門徒名簿に登録された者をこの寺院の門徒とする。

2 前項のほか、宗門の信徒をこの寺院の信徒とする。

(所属団体)

第74条 僧侶、寺族、門徒及び信徒は、講社その他の団体を組織して、この寺院に属することができる。

2 前項の規定による所属団体を組織しようとするときは、規則を作成し、執行長の申達によって、住職の承認を受けなければならない。

(法人格)

第75条 この寺院は、宗教法人法による宗教法人であって、その法人規則を「寺法」という。

2 この寺院に、寺法の定めるところにより、4人の責任役員を置き、そのうち1人を代表役員とする。

(本山典令変更の手続)

第76条 この本山典令中、第1章(総則)第2章(住職等)第3章(住職の法灯伝承)第4章(内局)第5章(本願寺評議会)第8章(財務)及び前条(法人格)並びにこの条の規定の変更は、あらかじめ総代の意見を聞き、評議員定数の4分の3以上が出席した評議会において、出席評議員の4分の3以上の多数で議決し、住職の認証を得た後、宗門の総長の承認を得なければならない。但し、第4条(包括団体)の規定の変更は、評議員全員が出席した評議会において、全員の意見が一致しなければ、議決することができない。

2 前項に掲げる規定以外の規定の変更は、評議員の定数の4分の3以上が出席した評議会において、出席評議員の過半数で議決し、住職の認証を得た後、宗門の総長の承認を得なければならない。

3 前2項の規定による本山典令の変更は、宗門全般に公告しなければならない。

(公告の方法)

第77条 この寺院の公告は、機関紙に1回掲載し、寺務所の掲示場に10日間掲示して行う。

(宗門法規の効力)

第78条 宗門法規中、この寺院に関係がある事項に関する規定は、この寺院についても、その効力を有する。

(施行細則)

第79条 この本山典令の施行に必要な事項は、評議会の議決を経て、寺達で定める。但し、寺達で委任された事項に関しては、執行長が達令で定めることができる。

1 この本山典令は、平成24年4月1日から施行する。

2 この本山典令施行の際現に施行されている規則は、すべてこの本山典令による規則とする。

3 この本山典令施行の際現に本願寺の住職又は本願寺の住職代務たる者は、この本山典令による本願寺住職又は本願寺住職代務とみなす。

4 この本山典令施行の際現に本願寺の新門たる者は、この本山典令による本願寺嗣法とみなす。

5 この本山典令施行の際現に本願寺の坊守たる者は、この本山典令による本願寺坊守とみなす。

6 この本山典令施行の際現に本願寺の衆徒たる者は、この本山典令による本願寺衆徒とみなす。

7 この本山典令施行の際従前の規定による執行長は、この本山典令施行後最初に招集される本願寺評議会において選出された執行長の就任のときまで、この本山典令による執行長の職務を行うものとする。

8 この本山典令施行の際現に門徒総代たる者は、この本山典令による本願寺総代とみなし、その任期については、この本山典令施行の日から起算する。

9 この本山典令施行の際現に参与たる者は、この本山典令による本願寺参与とみなし、その任期については、この本山典令施行の日から起算する。

10 この本山典令施行の際従前の規定により、住職の認許を得、宗門の宗会の議決を経た平成24年度本願寺の予算は、この本山典令による本予算とみなす。

11 この本山典令施行の日にかかわらず、この本山典令による本願寺寺務所の設置及び管理運営について必要な準備措置を講じることができる。

12 この本山典令施行の日にかかわらず、現に従前の規定による本願寺寺務所に勤務する者を、平成24年3月31日までに、この本山典令による本願寺寺務所の寺務所員として勤務できるように人事上の措置を講じなければならない。

(第1回一部改正の附則)

この本山典令の変更は、平成26年4月1日から施行する。但し、第15条の2及び第16条の変更規定は、平成26年6月6日から施行する。

本山典令

平成23年8月29日 種別なし

(平成26年6月6日施行)

体系情報
第24編 本山(本願寺)/ 基本法規
沿革情報
平成23年8月29日 種別なし
平成26年3月5日 種別なし第1号