○審査審判規程施行条例

平成24年4月1日

監正局達示第1号

目次

第1章 総則(第1条―第19条)

第2章 懲戒委員会による手続

第1節 懲戒処分に関する手続(第20条―第39条)

第2節 決行猶予の取消しに関する手続(第40条・第41条)

第3章 審査委員会による手続

第1節 審査委員会が行う懲戒処分に関する手続(第42条)

第2節 懲戒委員会の懲戒処分に対する不服申立てに関する手続(第43条―第46条)

第3節 宗務審判に関する手続(第47条―第49条)

第4章 特別委員会による手続

第1節 特別委員会が行う懲戒処分に関する手続(第50条)

第2節 特別委員会による審判手続(第51条・第52条)

第5章 補則(第53条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 審査審判規程(平成24年宗則第65号。以下「規程」という。)の施行について必要な事項は、この達示の定めるところによる。

2 規程第2条の規定による用語の定義その他規程中で用いた略称等については、特に定める場合を除き、この達示においても同様とする。

(忌避と除斥)

第2条 忌避の申立ては、忌避の相手方となった審事の属する委員会がその認否を決する。

2 前項の認否は、忌避の相手方となった審事を除く当該委員会委員の意見を書面で聴取し、過半数の意見で決しなければならない。

3 忌避の決定に対して、不服の申立てができない。

4 事案を担当する委員が除斥の理由があると自認するときは、委員会にその旨を申し出た上その承認を得て担当事案の調査・審査等から回避する。

(提訴の当事者)

第3条 数人が共同して機関又は団体を代表する場合にも、提訴については、各自が、これを代表する。

第4条 共同の利益の者が多数あるときは、代表者1人以上を選定して、提訴をすることができる。

2 前項の代表者の1人以上が、死亡その他の事由により、代表者の資格を喪失しても、そのために審判の進行は妨げられない。但し、代表者全部が、その資格を喪失したときは、この限りでない。

3 代表者の全部が、その資格を喪失したときは、新たに1人以上の代表者を選定して、審判の継続を請求することができる。

(代表者の変更等)

第5条 当該委員会又は当事者は、正当の事由があるときは、宗務機関若しくは団体の代表者又は前条の代表者を、審判の係属中に、変更又は追加若しくは除外することができる。

2 当事者が代表者を変更又は除外する場合は、変更又は除外される者の記名押印した承諾書を添えて、これを申出なければならない。但し、死亡の場合は承諾書を添えることを必要としない。

3 当事者が代表者を追加する場合は、既に代表者である者から、これを申出なければならない。

(代理人)

第6条 代理人は、宗門の僧侶、寺族又は門徒で、宗務経歴を有する教師又は学識経験のある者若しくは専門的知識を有する者のうちから、選任しなければならない。

2 代理人を選任するときは、被選任資格を有することを証する書類を添付し、当該委員会に申出なければならない。

3 説諭以外の懲戒に処せられて、その決行を終わらない者又は決行猶予中の者は、代理人となることができない。

(出向聴取)

第7条 当該委員会は、必要に応じて、申告人、嫌疑者、被審人、当事者、証人、鑑定人及び関係人の調査又は審問を監正局外において行うことができる。

2 当該委員会は、前項の調査又は審問を、事務担当に命じることができる。

(傍聴)

第8条 宗門の僧侶、寺族又は門徒は、当該委員会の許可があった場合に限り、特別審決会及び審決会を傍聴することができる。

2 傍聴を希望する者は、書面で当該委員会に、許可を申出なければならない。

3 前項の書面には、僧侶、寺族又は門徒であることを証する書類を添えなければならない。

4 傍聴人は、特別審決会及び審決会が定めた傍聴席の数を超えて傍聴することはできない。

5 特別審決会及び審決会の傍聴人は、別に定める傍聴人傍聴規則を遵守しなければならない。

(傍聴許可の取消し)

第9条 当該委員会は、何時でも傍聴の許可を取消すことができる。

(供述書及び証言記録)

第10条 懲戒手続における調査等にあたり、審査会又は審決会以外において事案について供述又は証言した内容は、供述書又は証言記録として作成しなければならない。

2 供述書及び証言記録は、供述者又は証言者に閲覧又は読み聞かせて、誤りのないことを明らかにした後、記名押印させなければならない。但し、故意に記名押印を拒んだときは、その事由を記して、当該委員会委員長の記名押印でこれに代えることができる。

3 供述者又は証言者が、受刑中、勾留中若しくは居所不明により記名押印を求めることが困難であるとき、又は死亡により記名押印することができないときは、その事由を記して、当該委員会委員長の記名押印した聴取記録で、供述書又は証言記録に代えることができる。

(書類等の閲覧)

第11条 嫌疑者、被審人、当事者又は代理人は、当該委員会委員長の許可を得て、審査会又は審決会に提出された審査・審判に関する書類又は証拠物を閲覧又は謄写することができる。

2 当該委員会委員長は、正当の事由なくして、前項に規定する閲覧又は謄写を拒むことはできない。

(審査・審判調書)

第12条 懲戒手続及び審判手続における審査会及び審決会、特別審決会の要旨は、審査調書又は審判調書(以下「審査・審判調書」という。)としてそれぞれ作成しなければならない。

第13条 前条の関係調書は、事務担当において速やかに整備しておかなければならない。

(記載事項)

第14条 懲戒手続における審査会又は審決会の審査・審判調書には、次の事項を記載しなければならない。

 審査会又は審決会を開いた年月日

 申告人の氏名及び住所

 被審人の氏名、住所、教区、組、所属寺、所属寺における身分及び年齢並びに所属寺の所在(被審人が宗務員の場合は、所属の機関、部署及び職階)

 代理人の氏名及び住所

 被審人の出頭の有無

 証人又は鑑定人の氏名及び住所

 審査、審問及び答の要旨

 弁論の要旨

 審査員又は審決員の意見の要旨

 証人の証言

十一 鑑定人の鑑定

十二 証拠物又はその写

十三 その他必要な事項

十四 審査員又は審決員の氏名

2 前項の審査調書又は審判調書には、審査会会長又は審決会会長が記名押印しなければならない。但し、審査会が組織されていないときは、審査を担当する審査員のうち1人が記名押印しなければならない。

第15条 決行猶予取消しの手続における審査会の審査調書には、次の事項を記載しなければならない。

 懲戒処分を受けた者の氏名及び住所

 懲戒処分の種類及び決行猶予の期間

 懲戒処分を受けた者及び代理人の意見

 懲戒処分を受けた者の行状その他につき調査した資料

 その他必要な事項

 審査員の氏名

2 前項の審査調書には、審査会会長が記名押印しなければならない。

第16条 宗務審判の手続における審決会の審判調書には、次の事項を記載しなければならない。

 提訴者の氏名及び住所又は提訴機関の名称、所在及びその代表者の氏名

 被提訴機関の名称、所在及びその代表者の氏名

 審問及び答の要旨

 弁論の要旨

 証人の証言その他

 その他必要な事項

 審決員の氏名

第17条 特別委員会が行う特別審決会の審判調書については、第14条及び前条の規定を準用する。

第18条 審査委員会及び特別委員会が行う審決会及び特別審決会の審判調書には、審決会会長又は特別審決会会長が記名押印しなければならない。

2 審決会会長又は特別審決会会長に事故があるときは、その審決会又は特別審決会を組織する者の1人が、その理由を記して記名押印しなければならない。

(職務権限の代行)

第19条 事案を担当する委員は、当該事案について、必要に応じて各人が当該委員会の職務権限を代行することができる。

第2章 懲戒委員会による手続

第1節 懲戒処分に関する手続

(共同申告)

第20条 数人が共同して申告することができる。

2 前項の規定による申告の場合は、代表者1人を選定しなければならない。

(申告書の不受理)

第21条 申告人が明らかでない申告書は、これを受理してはならない。

(併合審査)

第22条 同一の事件について、異なる人から申告があったとき、又は同一の嫌疑者について、複数の事件として申告があったときは、併合してこれを処理することができる。

(事実の証明)

第23条 申告書には、反則事実を疎明する資料を添付しなければならない。

(賠償請求の禁止)

第24条 申告は、嫌疑者の反則についてのみ申告し、損害賠償を求めることはできない。

第25条 削除

(関係人の招致)

第26条 懲戒委員会又は事案を担当する審査員若しくは審査会が関係人を招致するときは、招致の日時、目的等を記載した書面を発して行う。

(嫌疑者不出頭による手続)

第27条 嫌疑者が、規程第21条第3項に規定する出頭要求及び居所出向による調査に応じないときは、その供述を聞くことなく、懲戒審査を行うことができる。

(関係人聴取の請求)

第28条 嫌疑者又は被審人は、関係人を指定して事情を聴取することを請求できる。

(審査会)

第29条 懲戒委員会は、少なくとも10日の猶予期間をおいて、第1回の審査会期日を、被審人及び代理人に通知しなければならない。但し、受刑中、拘留中又は居所不明若しくは死亡した被審人に対しては、この限りでない。

2 代理人選任の申出が、被審人の責任において遅れたときは、前項の猶予期間については、これを代理人に適用しない。

3 第2回以後の審査会期日については、審査会において、これを決定する。

第30条 被審人が、受刑中又は拘留中若しくは死亡した場合を除いて、審査会期日に出頭できないときは、出頭しない事由を証明できる書面その他を、懲戒委員会に提出しなければならない。

2 被審人が、30日以上引き続いて、審査会期日に出頭できないことを明らかにしたときは、審査会期日に、代理人を出頭させなければならない。

3 被審人又は代理人が、正当の事由なく審査会期日に出頭しないとき又は出頭しないことを申出た場合は、被審人又は代理人欠席のまま、審査会を開くことができる。

第31条 被審人又は代理人が、審査会の秩序維持に関する審査員又は審査会会長の指示に従わないときは、その者に退場を命じ、その者の欠席のまま審査会を続けることができる。

2 前項の規定による指示に従わずして、審査会の進行を妨げ、審査員若しくは審査会会長の職務の執行を妨害し、又は懲戒委員会を侮辱する行状をする者は、軽戒以下の処分に付することができる。

3 前項の規定による処分はその審査会の決定によって確定し、不服申立てを行うことができない。

第32条 懲戒委員会委員長は、何時でも審査会に立ち会うことができる。

(証人の招喚請求等)

第33条 嫌疑者、被審人又は代理人は、証人の招喚又は証拠の取り調べを、懲戒委員会に請求することができる。

第34条 削除

(決行猶予の申渡し)

第35条 懲戒処分の決行猶予は、懲戒処分の申渡しと同時に、これを申渡さなければならない。

(審決書の告示送達及び特例送達)

第36条 審決書の送達を受ける者が居所不明の場合、又は送達を受けることを拒んだ場合は、懲戒委員会は、告示送達をすることができる。この場合において、当該人が未成年者であるときは、懲戒委員会は、特例送達をすることができる。

第37条 前条の告示送達は、送達すべき書類の謄本又は抄本を、宗報に掲載してこれを行う。

2 告示送達は、これを掲載した宗報が各機関に配付された日から30日後に、その効力を生ずる。

3 前条の特例送達は、当該人の親族又は当該人が所属する寺院の住職若しくは住職代務宛に審決書の送達をしてこれを行う。

4 特例送達は、正当の事由なく、これを拒むことができない。

5 特例送達は、これを送達した日から30日後に、その効力を生ずる。

(申告人への通知)

第38条 懲戒委員会は、処分の確定した事案が申告によるものであるときは、申告人に処分確定の通知をしなければならない。

2 数人が共同して申告をした場合は、その代表者に通知する。

(懲戒処分の公示)

第39条 確定した懲戒処分の公示には、次に掲げる事項を記載する。

 懲戒処分を受ける者の氏名、教区、組、所属寺並びに所属寺における身分

 懲戒処分の内容及び事由の要旨

 懲戒処分申渡しの年月日

 懲戒処分の確定した年月日

2 宗務員懲戒の事案の場合は、前項のほか、処分を受ける者の所属の機関、部署及び職階を記載する。

3 前2項の規定にかかわらず、懲戒処分を受ける者が未成年者の場合は、第1項第1号の規定による事項の記載を省略することができる。

第2節 決行猶予の取消しに関する手続

(決行猶予取消しの公示)

第40条 決行猶予の取消しにかかる処分の公示には、次に掲げる事項を記載する。

 当該人の氏名、教区、組、所属寺並びに所属寺における身分

 処分の内容及び事由の要旨

 処分申渡しの年月日

 処分の確定した年月日

2 前項の規定にかかわらず、決行猶予取消しの処分を受ける者が未成年者の場合は、前項第1号の規定による事項の記載を省略することができる。

(規定の準用)

第41条 決行猶予の取消しにかかる手続については、本節に別の定がある場合を除き、第1節の懲戒処分に関する手続を準用する。

第3章 審査委員会による手続

第1節 審査委員会が行う懲戒処分に関する手続

(規定の準用)

第42条 審査委員会が行う懲戒処分に関する手続については、第2章第1節の懲戒処分に関する手続を準用する。

第2節 懲戒委員会の懲戒処分に対する不服申立てに関する手続

(不服申立権回復請求)

第43条 被審人は、正当の事由により、規程第49条に定める期間内に不服申立てをすることができなかったときは、それを証する書面を添付して、懲戒委員会に、不服申立権回復の請求をすることができる。

2 不服申立権回復の請求は、事由がやんだ日から20日以内にこれをしなければならない。但し、原処分の審決書を送達した日から3か月以後は、これをすることができない。

3 不服申立権回復の請求をする者は、その請求と同時に、不服申立てをしなければならない。

第44条 前条の期間内に、被審人が死亡したときは、被審人の親族又はその所属寺の者は、その不服申立てをすることができる。

2 前項の不服申立ては、その事由のあった日から20日以内に、これをしなければならない。

(不服申立権回復請求の受理)

第45条 審査委員会委員長は、不服申立権回復の請求が、規定に該当すると認めるときは、請求を受理して、審決会を組織しなければならない。

(規定の準用)

第46条 懲戒委員会の懲戒処分に対する不服申立てに関する手続については、本節に別の定がある場合を除き、第2章第1節の懲戒処分に関する手続を準用する。

第3節 宗務審判に関する手続

(証人の招喚請求等)

第47条 当事者又は代理人は、証人の招喚又は証拠の取り調べを、審決会会長に請求することができる。

(審決会の権限)

第48条 審決会会長は、当事者又は代理人が、審決会の秩序の維持に関する審決会会長の指示に従わないときは、その者に退場を命じ、その者の欠席のまま審判を続けることができる。

2 前項の規定による指示に従わずして、審決会における審理の進行を妨げ、又は審決会を侮辱する行状をする者は、軽戒以下の処分に付することができる。

3 前項の規定による処分は、その審決会の決定によって確定し、不服申立てを行うことができない。

(宗務審判の審決の公示)

第49条 宗務審判における確定審決の公示には、次に掲げる事項を記載する。

 当事者の氏名並びに宗務機関の名称、所在及びその代表者の氏名

 主文

 事件の表示及び審決の事由

第4章 特別委員会による手続

第1節 特別委員会が行う懲戒処分に関する手続

(規定の準用)

第50条 特別委員会が行う懲戒処分に関する手続については、第3章第2節の懲戒処分に関する手続を準用する。

第2節 特別委員会による審判手続

(審決書の送達)

第51条 特別審決会が、宗法第66条第1項第1号及び宗規第37条第1項第1号に規定する審決をしたときは、特別審決会会長は、必要に応じて審決書の正本を、総長若しくは宗会議長又は本山の執行長に送達しなければならない。

2 特別審決会会長は審決書の正本を、提訴者及び当事者に送達しなければならない。

(規定の準用)

第52条 特別委員会が行う審判手続については、本節に別の定がある場合を除き、第3章第3節の宗務審判に関する手続を準用する。

第5章 補則

(補則)

第53条 この達示に定めるもののほか、必要な事項については局長がこれを定める。

1 この達示は、平成24年4月1日から施行する。

2 次の各号に掲げる達示は、廃止する。

 代弁人選任・解任に関する達示(平成14年監正局達示第1号)

 審決会傍聴に関する達示(平成14年監正局達示第2号)

 審決の公示に関する達示(平成20年監正局達示第1号)

(平成26.3.26―監正局達示1号)

この達示は、平成26年4月1日から施行する。

(平成29.4.1―監正局達示1号)

この達示は、平成29年4月1日から施行する。

(令和2.2.10―監正局達示1号)

この達示は、令和2年4月1日から施行する。

審査審判規程施行条例

平成24年4月1日 監正局達示第1号

(令和2年4月1日施行)

体系情報
第15編 監正局
沿革情報
平成24年4月1日 監正局達示第1号
平成26年3月26日 監正局達示第1号
平成29年4月1日 監正局達示第1号
令和2年2月10日 監正局達示第1号