深く知る、仏事・行事

家庭での「報恩講」をお勤めしましょう!

2021/09/27

 「報恩講ほうおんこう」は阿弥陀如来あみだにょらい本願ほんがんのおこころを明らかにしてくださった宗祖親鸞聖人しゅうそしんらんしょうにんのご遺徳いとくしのび、そのご恩に感謝の思いからおつとめされる、もっとも大切な法要ほうようです。

 「報恩講」はお寺でお勤めされるだけではなく、古くから広くご門徒の家庭でもお勤めされてきました。地方によっては、「親の法事はもちろん大切だけど、報恩講はさらに大切」とまで言われるほどです。親の法事の他に、さらに「報恩講」が大切とは、どういうことなのでしょうか?その答えは、親鸞聖人の教えの中にあります。

 『歎異抄たんにしょう』は、親鸞聖人が「亡き父母の追善供養ついぜんくようのために念仏ねんぶつしたことは、かつて一度もありません」とおっしゃったと伝えています。そう聞くと、「親鸞聖人は親不孝だったの?」と思われる方がおられるかもしれませんが、そうではありません。『歎異抄』には、続けて「というのは、命あるものはすべてみな、これまで何度となく生まれ変わり死に変わりしてきた中で、父母であり、兄弟・姉妹であったのです。この世の命を終え、浄土に往生してただちに仏となり、どの人をもみな救わなければならないのです」と記されています。

 確かに、お父さん、お母さんこそが、直接に私に命をくださった方かも知れませんが、命の連続の中で考えるなら、すべての命はつながっているのです。私たちは、自然の恵みのもとで多くの命とつながり合い、はぐくまれています。そして、多くの方々の支えと仏さまのご縁に、いかされて生きているのです。

 このように、多くの命のつながりと、私の命の落ち着き先である浄土への道を示し、今の私を支えてくださる「畢竟依ひっきょうえ」(究極のりどころ)を示してくださったのが親鸞聖人でした。ですから、私たちは、阿弥陀如来のおこころを聞かせていただくとともに、親鸞聖人のお導きへの感謝の思いから「報恩講」を大切にお勤めしてきたのです。

 たくさんのご家族と一緒にお住まいの方、実家から離れ別の土地で世帯を持たれている方、マンションなどで一人暮らしをなさっている方、現代はさまざまな生活の形がありますが、念仏者として一番大切な「報恩講」をお勤めしましょう!

 


 

報恩講とは

 「報恩講」という名称は、親鸞聖人のひ孫である本願寺ほんがんじ第3代覚如上人かくにょしょうにんが、聖人の33回忌かいきにあわせて『報恩講私記ほうおんこうしき』を著されたことに由来しています。

 先年ご往生されたかけはし實圓じつえん勧学かんがくはご法話の中で、「ご開山かいさん(親鸞聖人)さま、ありがとうございました。あなたのおかげで私もあなたと同じお念仏をいただいて、同じ信心をいただいて、同じお浄土で今度は出遇であわせていただきます、とお礼を申しあげる法要が報恩講だよ」とおっしゃられています(『伝道』201 No84・星野親行師の寄稿より)。

 一般寺院や本山、別院などの全国の浄土真宗のお寺でお勤めされる報恩講に皆さまも是非とも参りし、またご家庭でも報恩講をお勤めいたしましょう。

 

●寺院の「報恩講」

 全国の各寺院では一年に一度お勤めされます。本山の報恩講と同じ期日にお勤めする寺院では「御正忌ごしょうき」、本山の報恩講に先立ち9月から1月頃にかけてお勤めする寺院では、「おげ」や「おし」と呼ぶことが多いようです。また、地域によっては、「ほんこさん」と呼んで親しまれています。

 

●本山本願寺ほんがんじ、別院などの「報恩講」

 本山本願寺においては、親鸞聖人の祥月命日しょうつきめいにちにお勤めすることから「御正忌報恩講ごしょうきほうおんこう」といい、毎年1月9日から16日までお勤めします。

 また、東京の築地本願寺ほか、各地における念仏の中心道場として別院、教堂が全国にありますが、多くは、本山の御正忌報恩講に先立ち、9月から1月上旬にかけて「報恩講」をお勤めします。

一覧にもどる