○宗教法人「本願寺○○別院」寺則準則
第1章 総則
(目的)
第1条 この寺院は、親鸞聖人を宗祖と仰ぎ、浄土真宗の教義をひろめ、法要儀式を行い、僧侶、寺族、門徒、信徒その他の者を教化育成し、公共の福祉に貢献することを目的とし、その他この目的を達成するための業務及び礼拝の施設などの財産の維持管理を行う。
(名称)
第2条 この寺院は、宗教法人法による宗教法人であって、「本願寺○○別院」といい、その法人規則を「寺則」という。
(事務所の所在地)
第3条 この寺院は、事務所を に置き、これを「寺務所」という。
(包括団体)
第4条 この寺院を包括する宗教団体は、宗教法人「浄土真宗本願寺派」(以下「宗派」という。)とする。
(住職)
第5条 この寺院に、住職を置き、門主が就任する。
2 この寺院の住職代務は、門主代務をもって充てる。
(公告の方法)
第6条 この寺院の公告は、寺務所の掲示場に10日間掲示して行う。
第2章 役員その他の機関
第1節 代表役員及び責任役員
(員数)
第8条 この寺院には、○人の責任役員を置き、そのうち1人を代表役員とする。
(代表役員の資格及び任命)
第9条 代表役員は、この寺院の輪番をもって充て、総長の申達によって、門主が任命する。
2 輪番の任命手続等は、直属寺院規程(平成24年宗則第3号)の定めるところによる。
一 この寺院の崇敬区域にある一般寺院若しくは非法人寺院に所属する僧侶又は寺族若しくはこの寺院の職員(輪番及び僧侶でない者を除く。)
二 この寺院又はこの寺院の崇敬区域にある一般寺院若しくは非法人寺院に所属する門徒のうちから総代が選んだ者
(代表役員及び責任役員の職務権限)
第11条 代表役員は、この寺院を代表し、その事務を総理する。
2 この寺院の事務は、責任役員の定数の過半数で決する。この場合において責任役員の議決権は、各々平等とする。
3 代表役員以外の責任役員は、この寺院の事務の決定に加わるほか、代表役員を補佐して、この寺院の護持発展に努めなければならない。
4 代表役員及び責任役員は、退任又は任期満了の後でも、後任者又は代務者が任命される時まで、なおその職務を行うものとする。
(責任役員の任期)
第12条 代表役員及びこの寺院の職員たる責任役員以外の責任役員の任期は、4年とし、再任されることができる。
2 補欠によって、就任した責任役員の任期は、前任者の残任期間とする。
(代務者)
第13条 次の各号のいずれかに該当するときは、代務者を置く。
一 代表役員又は責任役員が死亡その他の事由によって欠けた場合において、速やかにその後任者を選ぶことができないとき。
二 代表役員又は責任役員が病気その他の事由によって3か月以上その職務を行うことができないとき。
2 代表役員及び責任役員の代務者は、総長の申達によって、門主が任命する。
3 代務者は、代表役員又は責任役員に代ってその職務の全部を行い、その置くべき事由がなくなったときは、当然その職を退くものとする。
(仮代表役員及び仮責任役員)
第14条 代表役員は、この寺院と利益が相反する事項については、代表権を有しない。この場合においては、仮代表役員がこの寺院を代表する。
2 責任役員は、その責任役員と特別の利害関係がある事項については、議決権を有しない。この場合において、議決権を有する責任役員の員数が責任役員の定数の過半数に満たないことになったときは、その過半数に達するまでの員数以上の仮責任役員を置く。
3 仮代表役員及び仮責任役員を置くべき事由が生じたときは、代表役員は、その任命を総長に申請しなければならない。
4 仮代表役員及び仮責任役員は、該当事項について、代表役員及び責任役員に代って、その職務を行う。
第2節 監査役
(監査役)
第15条 この寺院が自ら、その決算、経理の運用その他財務にかかる事項等の監査を行うため、この寺院に、2人又は3人の監査役を置く。
2 監査役は、この寺院の崇敬区域の僧侶、寺族及び門徒のうちから、代表役員が責任役員会の議を経て任命し、総局に届出なければならない。この場合において、監査役のうち1人は、必ず門徒でなければならない。
3 監査役の任期は、4年とする。但し、補欠による監査役の任期は、前任者の残任期間とする。
4 第2項の規定にかかわらず、代表役員は、責任役員会の議を経て、○○教区の監査委員を監査役に任命することができる。
5 監査役は、○○教区教務所又はこの寺院の職員と兼ねることができない。
(監査業務)
第16条 監査役は、毎会計年度終了後、この寺院の歳入、歳出についての決算、財産の管理等を監査し、監査報告書を代表役員に提出しなければならない。
2 監査役は、その全員が必要を認めたとき又は代表役員が要求したときは、現況監査を行うことができる。
第3節 諮問機関等
(総代及び参与)
第17条 この寺院の諮問機関として、○人の総代及び若干人の参与を置く。
(総代の選任、任期及び職務)
第18条 総代は、この寺院の門徒又はこの寺院の崇敬区域内にある一般寺院若しくは非法人寺院の僧侶、寺族及び門徒並びに学識経験がある門徒のうちから、代表役員の申請に基づき、総長の申達によって、門主が委嘱する。
2 総代の任期は、4年とし、再任されることができる。
3 総代は、この寺則に定める職務権限を行うほか、この寺院の代表役員を補佐して、寺門の護持発展並びに崇敬区域の教勢の伸展に努め、その諮問に応じて、代表役員に意見を具申する。
(参与の選任、任期及び職務)
第19条 参与は、この寺院の門徒又はこの寺院の崇敬区域内にある一般寺院若しくは非法人寺院の僧侶、寺族及び門徒について、代表役員の申請に基づき、総長が委嘱する。
2 参与の任期は、4年とし、再任されることができる。
3 参与は代表役員を補佐して、この寺院の護持発展並びに崇敬区域の教勢の伸展に努め、その諮問に応じ、寺門運営に関する事項を審議する。
(総代及び参与の解任)
第20条 総代又は参与が、その職務の執行に当り、正しくない行為があったとき、又は僧侶、寺族及び門徒として適正でない行為があったときは、代表役員は、それぞれ他の総代又は参与に諮問し、責任役員の同意を得て、その解任を総長に申請することができる。
(その他の機関)
第21条 この寺院には、総代及び参与のほか、総長の承認を経て、必要に応じて、その他の機関を設けることができる。
第3章 門徒
(門徒)
第22条 第1条に掲げる目的を遵奉して、本山に帰向し、この寺院に所属する者で、この寺院に備え付ける門徒名簿に登録された者を門徒とする。
2 門徒名簿の登録又は抹消は、本人の申出に基づき、輪番が行い、その副本を総長に届出るものとする。
(責務)
第23条 門徒は、宗派及び本山並びにこの寺院の護持発展に努めなければならない。
2 門徒は、責任役員の決定に従い、この寺院の護持に必要な経費を負担するものとする。但し、特別の法要儀式その他重要な事項に関する経費の負担は、責任役員が総代及び参与並びにその他の機関を置く場合はその機関の意見を聞いて決定したところによるものとする。
(所属の廃止)
第24条 門徒が、この寺院から離れようとするときは、書面でその旨を輪番に届出るものとする。
(門徒名簿の削除)
第25条 門徒が、その本分にそむいたときは、輪番は、責任役員の4分の3以上の同意を得て、門徒名簿から削除することができる。
第4章 財務
(財産の区分)
第26条 この寺院の財産は、特別財産、基本財産及び運用財産とし、代表役員がこれを管理する。
2 特別財産は、次に掲げる財産とする。
一 本尊、影像その他礼拝の対象となる有体物
二 法物
3 基本財産は、次に掲げる財産とする。
一 不動産
二 宝物
三 基本財産として指定寄附を受けた有価証券、現金その他の動産
四 基本財産に編入することを決定した有価証券、現金その他の動産
4 運用財産は、次に掲げる財産とする。
一 懇志
二 基本財産から生ずる果実
三 特別財産及び基本財産以外の財産並びに雑収入
5 特別財産及び基本財産の設定又は変更は、総代に諮問し、総長を経て、門主の認証を得なければならない。但し、特別財産の設定は、総代に諮問することを要しない。
(財産の管理)
第27条 不動産は、必要な登記をし、基本財産たる現金は、不動産若しくは確実な有価証券に替え、又は確実な銀行に預けなければならない。
2 有価証券は、確実な信託会社に信託又は保護預をするものとする。
3 特別財産及び基本財産の管理の方法については、代表役員は、総長を経て、門主に上申しなければならない。
(現金の保管)
第28条 運用財産たる現金は、確実な銀行に預けなければならない。但し、やむを得ないときは、代表役員が確実に保管しなければならない。
(物品の保管)
第29条 礼拝の用具、什物、什器及び備品その他金銭以外の動産(消耗品を除く。)は、物品台帳の記載に従い、確実に保管しなければならない。
(出納職員の責任)
第30条 金品の出納又は保管に関する事務を処理する職員は、その所管にかかる金品を失ったときは、自己の過怠によるものでない旨を監正局に証明し、責任解除の決定を受けなければ、弁償の責を免れることができない。
(財産目録)
第31条 代表役員は、第26条に規定する区分に従い、毎会計年度終了後3か月以内に財産目録を作成し、総代に諮問し、総長を経て、門主の認証を得なければならない。
一 特別財産又は基本財産を処分し、又は担保に供すること。
二 借入(当該会計年度の収入で償還する一時の借入で借入金の現在高が、門主があらかじめ指示する一定額以内のものを除く。)又は保証すること。
三 主要な境内建物の新築、改築、増築、移築、除却又は著しい模様替をすること。
四 境内地の著しい模様替をすること。
五 主要な境内建物及び境内地の用途を変更し、又はこれらをこの寺院の教義の宣布、法要儀式の執行及び信者の教化育成以外の目的のために供すること。
(経費の支弁)
第33条 この寺院の毎会計年度における経費は、その年度の収入で、運用財産に属するものをもって支弁する。
(予算の編成)
第34条 代表役員は、毎会計年度における一切の金品の収納を歳入とし、一切の支出を歳出として、これを予算に編成し、会計年度開始前に、総代に諮問し、総長の承認を経て、門主の認証を得なければならない。
2 予算は、必要に応じて経常部及び臨時部に分け、各々これを款、項及び目に区分し、歳入の性質及び歳出の目的その他必要な説明を摘記しなければならない。但し、目の区分は省略することができる。
3 収納した物資の出入は、別途に計上するものとする。
4 特別の目的に充て、又は特別の事業を行うため、一般会計と区別して経理する必要がある場合には、別途会計を設けることができる。
(予備費)
第35条 予見し難い予算の不足を補うために、予備費を使用するときは、代表役員は、総代に諮問しなければならない。
(補正予算)
第36条 予算編成後に、やむを得ない事由が生じたときは、代表役員は、総代に諮問し、総長の承認を経、門主の認証を得て、その既定予算の補正をすることができる。
(目的外使用及び移用の禁止)
第37条 予算は、各項に定める目的のほかに定額を使用し、又は各項間において彼此移用することができない。
(決算の作成)
第38条 決算は、毎会計年度終了後3か月以内に、予算と同一の区分により、代表役員が作成して、総代に報告し、総長の承認を経て、門主に上申しなければならない。
2 決算には、監査報告書のほか、当該会計年度末現在の財産目録、貸借対照表、説明書並びに業務及び寺務の執行に関する成果表を添付するものとする。
(剰余金の処分)
第39条 毎会計年度において、決算に剰余を生じたとき、又は予算外に収入があったときは、代表役員は、これを翌年度の歳入に繰り入れ、又は総代に諮問し、総長を経、門主の認証を得て、その一部又は全部を基本財産に編入することができる。
(会計年度)
第40条 この寺院の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終るものとする。
第5章 会計検査
(会計検査)
第41条 この寺院の財産の管理及び経理の運営に関する検査は、監正局が行う。
第6章 補則
(寺則の変更)
第42条 この寺則を変更しようとするときは、代表役員は、総代に諮問し、総長の承認を経て、門主の認証を得た後、所轄庁に認証の申請をするものとする。
(欠格)
第43条 代表役員及び責任役員その他の役員は、次に掲げる者であってはならない。
一 未成年者
二 心身の故障によりその職務を行うに当って必要となる認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
三 破産者で復権を得ていない者
四 軽戒以上の懲戒処分を受け、その決行を終るまで、又は決行を受けることがなくなるまでの者
五 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終るまで、又は執行を受けることがなくなるまでの者
(残余財産)
第44条 合併及び破産の場合を除いて、この寺院が解散した場合の残余財産は、本山に帰属する。
(施行細則)
第45条 この寺則の施行に必要な細則は、代表役員が総代に諮問し、総長を経、門主の認証を得て、制定することができる。
(宗派の規則の効力)
第46条 宗会又は常務委員会の議決を経た宗派の規則及びその委任に基づいて制定された規則中、この寺院に関係がある事項に関する規定は、この寺院についても、その効力を有する。
(解釈規定)
第47条 この寺則のいかなる規定も、この寺院の役員その他の機関の職にある者に対し、この寺院の教義、信仰その他宗教上の機能又は行持等について、いかなる支配権その他の権限も与えるものと解釈してはならない。
附則
1 この寺則は、この寺院の設立の登記をした日から施行する。
2 この寺則施行の際現に施行されている予算は、この寺則による予算とみなす。