○会計監査規程
平成24年3月13日
宗則第68号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 検査(第4条―第12条)
第3章 監査(第13条―第16条)
第4章 補則(第17条―第23条)
附則
第1章 総則
(用語の意義)
第2条 この宗則にいう用語の意義は、次の各号に掲げるところによる。
一 機関とは、宗門、本山、直轄寺院、直属寺院及び教区の各機関をいう。
二 団体とは、所属団体、宗門が設立した学校法人その他補助金、土地、建物の貸与その他の援助を受けている事業体をいう。
三 財務諸表とは、貸借対照表、決算書その他の計算表をいう。
四 証拠書類とは、立案、伝票、営繕及び売買の契約書、見積書、請求書、納品書、領収証書、不動産登記謄本その他財産管理並びに経理の運営に関して計算の基礎を証明する一切の証拠文書をいう。
一 宗門、本山、直轄寺院、直属寺院及び教区の財産の管理又は経理の運営についての検査、及び各種決算の検査を行うこと。
二 宗門の宗務の執行及び財産の状況について監査し、常務委員会及び宗会に出席して報告し、意見を述べること。
三 本山の寺務の執行及び財産の状況について監査し、責任役員会及び本願寺評議会に出席して報告し、意見を述べること。
四 直轄寺院の業務の執行及び財産の状況について監査し、責任役員会及び評議会に出席して報告し、意見を述べること。
五 団体の会計について、決算の報告を求め、又は必要に応じて調査を行うこと。
六 前各号の規定による検査及び監査の結果、不整の点があることを発見したときは、その旨を、宗門にあっては総長又は常務委員会に、本山にあっては執行長又は本願寺評議会に、直轄寺院にあっては宗務長又は評議会に、その他にあっては当該機関の長に通知すること。
七 常備委員会への委任事項を決定し、及び常備委員会の処理した事項について報告を受け、承認すること。
八 前各号のほか、この宗則及びこの宗則の委任による達示で、委員会が行うものとされた事項に関すること。
2 常備委員会は、緊急の必要がある案件に関して委員会の職務を行うほか、委員会があらかじめ委任した事項を行う。
3 常備委員会は、その処理した事項を次の委員会に報告しなければならない。但し、前項の規定による緊急の案件の処理については、委員会の承認を求めるものとし、承認が得られなかったときは、その処置は、将来に対して効力を失う。
第2章 検査
(会計検査員)
第4条 検査は、委員会の会計検査員(以下「検査員」という。)が行う。
(財務諸表の作成)
第5条 宗門、本山、直轄寺院、直属寺院及び教区は、委員会の定める様式により、次の各号に定める財務諸表を作成しなければならない。
一 月ごとの試算表及び四半期ごとの貸借対照表
二 基本財産、備品及び保管金品の管理明細書
三 売買及び貸借に関する契約書及び説明書
四 営繕の契約書及び説明書
五 決算期においては、収支決算明細説明書
(証拠)
第6条 証拠書類は、原本であることを要し、領収証書は当然と認められるもののほか、職員の発行するものであってはならない。
2 証拠書類は、決算の検査が終わるまで、当該収支を所管する機関で保管しておかなければならない。
3 内部の証拠書類により、合理的証拠を確かめることが困難であるときは、外部の証拠により検証する。
(検査の方法)
第7条 検査は、委員会が決定した検査方針に基づき、被検査機関から財務諸表その他検査に必要な財務簿表の提出を求めて、これを行う。
2 検査員は、必要と認めるときは、被検査機関から、その所管の会計事務の処理に関する調書を徴することができる。
3 検査員は、検査の必要に応じ、実地にて検査を行うことができる。
4 委員会は、必要と認めるときは、被検査機関の長又は出納職員その他の出頭を求めて説明を聴取することができる。
5 検査員は、検査にあたって、検査対象に関係する機関及び団体に対し、説明又は財務諸表、証拠書類その他資料の閲覧若しくは提出を求めることができる。
6 機関は、特別な事情のない限り、前項の求めに応じなければならない。
(検査の種類)
第8条 検査は、決算検査及び現況検査の2種とする。
(決算検査)
第9条 決算検査は、宗門、本山、直轄寺院、直属寺院及び教区の決算において、予算施行の収支並びに財産保管が法規に従ってなされたか否かを検証し、かつ、その経理の運営、財産の管理の適否を検討し、決算確認の可否及び所管職員の会計の責任解除の可否を決定して、予算編成の適正化に資することを目的とする。
2 直属寺院及び教区の決算検査は、監正局長(以下「局長」という。)が指定し、告示したものを除いて、2年又は3年ごとに一括して行うことができる。
3 決算検査のため、検査員が決算検査を行うときは、当該機関及びその上級機関に対し、10日前に検査の期日及び担当検査員の氏名を通知する。但し、検査期日までに担当検査員が、病気その他の事故で検査を行うことができないときは、局長の発行する決算検査指令書を他の検査員に所持させて所定の期日に検査を行うことができる。
4 前項の検査指令書には、担当検査員の氏名、検査の対象となる機関の名称及び検査期日を記載しなければならない。
5 決算検査の結果、決算が確認できなかった会計がある場合及び委員会が必要と認めた場合は、改めて検査を行う。但し、委員会が再々検査の結果、不確認とした場合又は1つの会計において最初に不確認とした決算の決算日より3年を超えた場合の再検査は行わない。
(現況検査)
第10条 現況検査は、宗門、本山、直轄寺院、直属寺院及び教区の財産の管理並びに経理の運営に関し、会計事務の処理、帳簿の整理及び予算執行の状況並びに収支の現況を検査することを目的とする。
2 現況検査は、宗門、本山及び直轄寺院にあっては、四半期ごと及び次の各号に掲げる場合に行う。
一 宗門、本山及び直轄寺院の行政機関が、当該機関又は下級機関の検査を要求したとき。
二 宗門、本山及び直轄寺院の議決機関が、関係機関の検査を要求することを議決したとき。
三 前2号のほか、委員会が必要と認めたとき。
(現況検査の資料)
第11条 宗門、本山及び直轄寺院は、現況検査に資するため、次の各号に掲げる書類を毎月末日現在で作製し、翌月7日までに委員会に提出しなければならない。
一 一般会計及び各特別会計について、収入及び支出の月計表
二 宗門、本山又は直轄寺院の財産管理の総合勘定を示す書類
三 収納業務を所管する機関は、その所管に属する収納に関する月計表
四 仮納金及び仮出金の月計表
五 宗門、本山又は直轄寺院の経理に属しない保管金(一時預りのものを含む。)の月計表
六 貸借対照表
七 基本財産及び物品(消耗品を除く。)に増減のあった場合はその計算表
2 宗門又は本山の財産を管理する直轄寺院、直属寺院及び教区は、その財産の管理状況について四半期ごとに期末現在で報告書を作製し、2週間以内に委員会に提出しなければならない。
3 前2項の規定により提出された書類について、疑点又は不整の点があると認めるときは、委員会は、会計監査事務担当の職員をして、当該機関に備え付ける財務簿表及び証拠書類と照合を求めることができる。
(検査報告書)
第12条 委員会は、検査の結果を次の各号に掲げる事項を記載した検査報告書により当該被検査機関、上級機関又は関係する機関に通告する。
一 検査成績の査定に関する事項
イ 収支決算の確認、不確認
ロ 不正又は不整事項の有無
二 検査の期日、場所、担当検査員の氏名及び検査の方法
三 検査の対象
四 検査に関する意見
五 是正又は改善を要する点その他についての勧告事項
六 前各号のほか、必要と認める事項
第3章 監査
(監査)
第13条 監査は、宗門、本山及び直轄寺院の宗務又は寺務の執行並びに財産管理及び運用が、予算、法規などに基づいて適正に行われ、予算の効果を高めるため、経済的、効率的及び有効な執行がなされているか検証し、組織及び運営の合理化に努めるとともに、その規模の適正化に資することを目的とする。
(監査の方法)
第15条 監査は、委員会が決定した監査方針に基づき、監事が被監査機関及び関係する機関若しくは団体から監査に必要な資料等の提出を求め、又は閲覧して、これを行う。
2 監事は、監査の必要に応じ、実地にて監査を行うことができる。
3 委員会は、必要と認めるときは、被監査機関の長その他の職員の出頭を求めて説明を聴取することができる。
4 機関は、特別な事情のない限り、前各項の求めに応じなければならない。
(監査報告書)
第16条 委員会は、監査の結果を次の各号に掲げる事項を記載した監査報告書により当該被監査機関、上級機関又は関係する機関に通告する。
一 監査の期日、場所、担当監事の氏名及び監査の方法
二 監査の対象
三 監査事項
四 監査結果の概要
五 是正又は改善を要する点その他についての勧告事項
六 前各号のほか、必要と認める事項
第4章 補則
(調査)
第17条 委員会は、検査及び監査を補完するため、期日、被調査機関その他調査担当者を明示した調査指令書を発して、事前又は事後に、検査又は監査にかかる実地調査を行うことができる。
(処分の要求)
第18条 委員会は、検査及び監査の結果、会計事務を処理する職員が、故意又は重大な過失により、損害を与えたと認めるときは、その所属する機関の長に対し、監正局の懲戒委員会への申告を要求しなければならない。
2 前項の規定は、職員が計算書及び証憑の提出を怠る等、検査又は監査に従わない者にもこれを準用する。
3 委員会は、第9条第5項但書の規定により不確認としたときは、被検査機関の上級機関の長に対し必要な処置又は監正局の懲戒委員会への申告を要求しなければならない。
(弁償)
第19条 委員会は、宗則その他の規則に定める職員の弁償に対する責任解除を決定するについて、委員会全員の承認を必要とする。
2 委員会の認定を不満とする職員は、弁償の決定を受けた日より3か月以内に、委員会に対して再検査を請求することができる。
3 委員会は、前項の請求を受けたときは、前の検査に従事した検査員以外の検査員をもって、再検査をしなければならない。
4 前2項の規定により再検査を行った場合、重ねて検査を請求することができない。
(意見の表示)
第20条 局長は、委員会が検査及び監査の結果、是正又は改善を必要とする事項があると認めるときは、総長、執行長、宗務長又は当該機関の長に意見を表示し、又は是正若しくは改善の処置を要求する。
(処置状況の確認)
第21条 局長は、前条の処置を要求した機関に対して、その処置の状況等について報告を求めることができる。
(財務法規変更等に対する意見の表示)
第22条 委員会は、次の各号に掲げる事項について、宗門及び本山が法規を変更又は制定するときは、あらかじめその通知を受け、これに対し意見を表示する。
一 会計経理、会計書類又は会計組織に関する事項
二 不動産の処分等に関する事項
三 現金、物品及び有価証券の出納、借入、貸付又は交換に関する事項
(達示への委任)
第23条 この宗則の施行について必要な事項は、達示で定める。
附則
1 この宗則は、平成24年4月1日から施行する。
2 会計検査規程(昭和28年宗則第13号)は、廃止する。
附則(平成26.3.21―宗則14号)
1 この宗則は、平成26年4月1日から施行する。
2 前項の規定にかかわらず、監正局長は、この宗則の施行に必要な準備措置を講じることができる。