仏教語豆事典

炬燵(こたつ)

 日本の冬には欠かせない

 寒いですね。暖冬に慣れた身体には、この寒さはこたえます。ホームコタツに入り込んで、テレビを見ながら、みかんなどを食べているなんて、結構な風情ですね。

 炬燵が仏教語というわけではありませんが、中世に中国から禅宗とともに日本に入ってきたといわれますから、当時の舶来はくらい文化の一つだったようです。

 炬燵はもとは「火搨子かとうし」といいましたが、その唐宋音とうそうおんなまったものといわれています。

 搨子とうしとは腰掛けのことですから、火搨子は床を切ってを設け、上にやぐらを置いたものですが、日本では、それに布団ふとんをかけ、その中にもぐりこんで暖をとりました。

 また、床を切らずに、やぐらの中に火を入れた置き炬燵もあります。

 炬燵によく似た「行火あんか」も禅宗によって一般化しました。「行」は持ち運びのできるものという意味ですから、こちらは炭火を入れて持ち運んだものです。

 「四角でも炬燵は野暮やぼなものでなし」

  いき川柳せんりゅうですね。

本願寺出版社「くらしの仏教語豆事典」より転載