仏教語豆事典

豆腐(とうふ)

 メイド・イン・寺院だった食べ物

 寒いですね。湯豆腐が恋しくなります。

 豆腐といえば、高野こうや豆腐、南禅寺なんぜんじ豆腐、空也くうや豆腐などと、何となく仏教に関係があると思いませんか。

 豆腐が仏教語というわけではありませんが、豆腐は中国で作られ、入唐僧によって日本に伝えられ、まず寺院に普及し、やがて、民間にも広まっていったのですから、仏教に深い関係のある食べ物なのです。

 僧は魚食肉食をしなかったので、大切な蛋白たんぱく源として愛用しました。油揚げ、厚揚げ、がんもどきなどの材料ともなります。

 また、同じように、日本に渡来したものに味噌みそ納豆なっとう饅頭まんじゅうがあります。いずれも寺院から民間に普及し日本化しました。

 味噌は中国の鑑真がんじんが伝えたといわれ、納豆の初めは寺納豆といい、饅頭は入唐僧に随従して来日した中国人の弟子が製造した奈良饅頭が最初といわれています。

 仏教とともに渡来した食べ物は数多くあるのです。

 さて、今夜は湯豆腐で一パイなど・・・・・・。

本願寺出版社「くらしの仏教語豆事典」より転載