仏教語豆事典

一念発起(いちねんほっき)

「一念発起して今日から禁煙することに決心しました」などというように、一念発起とは、思い立ってあることを成し遂げようと決心することをいう言葉です。 この一念発起が仏教語なのです。

また、催し物を主になって計画し、人びとに呼びかける世話人を「発起人(ほっきにん)」といいます。その発起も仏教語で、「悟りを求めようと決意すること。心を起こすこと」をいいます。

華厳経(けごんきょう)』に、「一念発起菩提心(ぼだいしん)(ぼだいしん)」とあります。

「仏に帰命(きみょう)する一念を起こし、菩提(悟り)に向かう心を起こす」という意味で、「(ほつ)菩提心」と同じ意味です。

浄土真宗では、「阿弥陀仏の本願を信じる心がはじめて起こること」をいいます。阿弥陀仏より回向(えこう)された信心(しんじん)がはじめて獲得(ぎゃくとく)された瞬間です。 さて、新しい年を迎えて、なにか一念発起してはじめてみませんか。

本願寺出版社「くらしの仏教語豆事典」より転載