仏教語豆事典

果報(かほう)

 「果報は寝て待て」という(ことわざ)があります。幸運を求めるにはあせってはいけませんよ、待っていれば自然とやって来るものです、という意味なのでしょう。また運が強く、しあわせな人のことを、よく果報者といったりします。

 仏教では因果応報(いんがおうほう)(ことわり)を説いています。因果とは原因の「因」と結果の「果」ですから、人の行いや考え方の善悪に対して、必ずそれに応じた結果があることをいっているのです。善因善果、悪因悪果がそれです。ですから、果報とは「報いとして受ける結果」のことをいいます。

 一般に使われている果報は、しあわせな善い結果の場合だけのようですが、本来の果報には善果も悪果もあります。

 しかも、それはあなたの行動や考え方によると説かれているのですから、寝て待っているだけではどうもいけないようですよ。

本願寺出版社「くらしの仏教語豆事典」より転載