仏教語豆事典

金輪際(こんりんざい)

 「もう金輪際いたしません」というように、金輪際は、ふつう「絶対に」とか「どんなことがあっても」というような意味に使われています。

 仏教の宇宙観によれば、虚空(こくう)のなかに風輪(ふうりん)という円筒状の気体の層が浮かんでおり、その上に水輪(すいりん)という水の層、さらに、その上に金輪(こんりん)という固体の層があって、それが大地を支えています。

 その大地の上に、高さ五十六万キロの須弥山(しゅみせん)を中心に、九山、八海、四大(しゅう)があり、人間はその四大洲の贍部洲(せんぶしゅう)に住んでいる、といいます。

 そして、それらの大地を支えている金輪の最下端、つまり、金輪と水輪との境い目を金輪際と呼んでいます。

 私たちにとっては、これより先のない、ぎりぎりのところ、われわれの世界の最下底という意味なので、金輪際の「際」は「果て」ということです。

本願寺出版社「くらしの仏教語豆事典」より転載