三昧
「読書三昧」や「ゴルフ三昧」などと、日常使われているように、一つのことに熱中して他のことに心が向かないことを「××三昧」と呼んでいます。
この三昧は、サンスクリット語「サマーディ」を音写した語で、精神を一つのことに集中して乱さないことをいい、仏道修行上、大切な仏教語なのです。
比叡山の常行堂では、常行三昧という修行が行われています。これは、伝教大師の説かれた四種三昧(常坐三昧・常行三昧・半行半坐三昧・非行非坐三昧)の一つで、阿弥陀仏のまわりを不眠で九十日間めぐり歩いて、不断念仏をおさめる修行です。
このように、三昧は、精神集中という意味でひんぱんに使われる言葉なので、一般にも浸透していったのでしょう。
しかし、同じ三昧でも、「念仏三昧」は、ありがたいことですが、「ぜいたく三昧」や「刃物三昧」「道楽三昧」などは、ちょっと困りますね。