仏教語豆事典

自業自得(じごうじとく)

 「あれは、誰の責任でもないよ。本人が望んで勝手にやったんだから、自業自得だよ」

 というように、自業自得は一般に使われている日常語です。

 業はサンスクリット語で「カルマン」といい、行為という意味です。

 だから、自業自得は、「自分のおこなった行為の報いは、自分自身が受ける」という意味です。

 『正法念処経(しょうぼうねんしょぎょう)』の「自業自得果」の文から出た言葉だそうです。

 行為には善い行為も悪い行為もありますが、現在では、悪い意味に使われる方が多いようです。

 『岩波仏教辞典』には、自業自得の説明をした後、「本来は、主体的な行為・責任を強調したものであったが、後は、特に日本では、自分の行為によって得た結果であるから、あきらめるより仕方がないという宿命論的な意味に解されるにいたった」と解説をしています。

本願寺出版社「くらしの仏教語豆事典」より転載