仏教語豆事典

冗談(じょうだん)

 「あの人は、よく冗談をとばすよ」とか、「冗談はよしてください」とか「彼は冗談が通じないから困る」などという言葉は、一般に、ふざけた話、滑稽(こっけい)な言葉、あるいは、ユーモアのある会話などの意味に使われています。

 「冗談半分」というと、まじめな話とおどけた話が、半ば入りまじっているのでしょう。

 「瓢箪(ひょうたん)から駒が出る」をもじって「冗談から駒が出る」という諺(ことわざ)や、「冗談からしばしば真面目(まじめ)が生まれる」というドイツの諺もあります。

 仏教では、仏道修行中、それに関係のない無用な対話を、冗談と呼んでいます。「冗」とは、むだ、不要、あまっているという意味ですから無駄話という意味なのでしょう。

 それが、やがて、仏道修行以外の場でも用いられるようになり、現在のような日常語になっていったようです。

本願寺出版社「くらしの仏教語豆事典」より転載