仏教語豆事典

納豆()

「納豆にはダイエット効果がある」とテレビの生活情報番組が放送した直後から、全国で納豆が品切れになったそうです。 しかし、この番組の実験データは捏造(ねつぞう)でした。そのため番組が打ち切られるなど、大騒ぎになりました。 納豆の語源は、寺院の出納(すいとう)事務を行う納所(なっしょ)で作られ、豆を貯蔵したという説が有力とされています。 『広辞苑』にも、「古来、もっぱら寺院で行われたもので、塩辛納豆・浜納豆・大徳寺納豆・寺納豆・唐(から)納豆などの称がある」とあります。 しかし、これらは塩辛く煮た大豆を発酵させたもので、塩分が強く、糸引き納豆とは別のものだといいます。 納豆は豆腐と同じく、僧によって中国から伝えられて寺院で製造され、やがて民間にも普及しました。 テレビ放送のために、納豆は品切れになったり、売れ残ったりしましたが、納豆には何の責任もない話ですね。

本願寺出版社「くらしの仏教語豆事典」より転載