仏教語豆事典

涅槃()

二月十五日は涅槃会(え)です。 涅槃とは、サンスクリット語で「ニルヴァーナ」といい、「吹き消す」ことを意味します。 煩悩(ぼんのう)の火が吹き消された状態。すべての束縛から解脱(げだつ)すること。不生不滅(ふしょうふめつ)の境地に入ったこと。そこから、特に「お釈迦さまの死」を指す言葉になりました。 お釈迦さまは、二月十五日、クシナーラのサーラの林の中で、八十歳の生涯を終えられました。このことを涅槃に入るといい、この日を涅槃会と呼んで、お釈迦さまのお徳を偲ぶ日としています。 私が子どもの頃、おふくろがこの日になると、「お釈迦様の鼻糞(はなくそ)」を作ってくれましたが、なぜだかわからずに食べていました。 『仏教故事名言辞典』に、「涅槃会に民間で、炒り豆やアラレを作り、寺に参ってこれを供える風があり、関西ではそれを〈お釈迦様の鼻糞〉といっているが、これは花屑(はなくず)を鼻糞と誤り伝えたものである」とありました。 ナットク!

本願寺出版社「くらしの仏教語豆事典」より転載