布施
お布施といえば、一般には仏事のときにお坊さんに差し上げるお金のことを言っているようです。お経料と思っている人もいます。 しかし、布施とは、もともとサンスクリット語「ダーナ」の意訳です。布施は、菩薩行(ぼさつぎょう)である六波羅蜜(ろくはらみつ)の第一に挙げられている、たいへん重要な行いで、自分の持ち物を惜しみなく他人に与え、ともに助けあい喜びあうことをいう言葉です。 僧が仏の道を説くことを「法施(ほうせ)」といい、在家(ざいけ)の人が金銭や物品を差し上げるのを「財施(ざいせ)」といいます。さらに、菩薩が人びとを恐怖の念から救う「無畏施(むいせ)」を加えて「三施(さんせ)」と呼んでいます。 また、真心と愛情に満ちた態度で相手に接するのも、乗り物で席をゆずることも布施 いい、必ずしもお金や物のことだけではなく、自分にできる「ほどこし」はみな布施だったわけです。 これを「無財(むざい)の七施(しちせ)」と呼んでいます。