厚生労働大臣の「少子化対策」関連の発言問題に関する見解の表明
トピックス2007.05.05
このたびの柳沢伯夫厚生労働大臣の「少子化対策」関連の発言問題に関し、下記の通りの見解を表明し安倍晋三内閣総理大臣宛に提出しました。
2007(平成19)年2月5日
内閣総理大臣
安倍 晋三 様
浄土真宗本願寺派
総局公室部長 渉外・広報担当
中村 澄枝
厚生労働大臣の「少子化対策」関連の発言問題に関する見解の表明
このたびの柳沢伯夫厚生労働大臣による「女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」などの発言の報道に接しました。この発言は、いのちの尊厳性という観点から、女性蔑視発言であり、まことに憂慮する発言といわざるを得ません。
2003(平成15)年に制定された「少子化社会対策基本法」では、「もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくもの」と明確に定義した上で、「家庭や子育てに夢を持ち、かつ、次代の社会を担う子どもを安心して生み、育てることができる環境を整備し、子どもがひとしく心身ともに健やかに育ち、子どもを生み、育てる者が真に誇りと喜びを感じることのできる社会」をめざすため、一人ひとりの人格や価値観を尊重した施策を提示しています。
この基本法の精神に基づき、抜本的な少子化対策を講じるべき立場にある「少子化対策担当大臣」のこのたびの発言は、女性蔑視は言うまでもなく、さらには国の責務を個人の責任に押し付けかねない重大な問題をはらむ発言といわざるを得ません。
このような発言を行った厚労大臣の責任を軽視している首相の責任もまことに重大であります。
一人ひとりを大切にできるわが国をめざす上で、国政をつかさどる首相・国務大臣の皆さまには、性差別を払拭するという課題と、自らの職責を自覚し、真摯にお取り組みいただきますよう、見解を表明します。
以 上