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臓器移植法改正案成立について(要請)

トピックス2009.07.14

今般、参議院での臓器移植法改正案の可決成立をうけて、いのちの尊厳と平等をもとに基幹運動を推進している宗門にとって、看過できないものであるため、総長名による要請文を麻生太郎内閣総理大臣、舛添要一厚生労働大臣、河野洋平衆議院議長、江田五月参議院議長宛出状いたしました。


2009(平成21)年7月14日
浄土真宗本願寺派
総長 不二川 公勝

臓器移植法改正案成立について(要請)

このたび、脳死・臓器移植法の改正案が参議院で可決成立しました。

私たち浄土真宗本願寺派では、臓器移植法改正案には、本人の意思表示を必要としない点、子どもの脳死判定基準の検証が行なわれていないなど、多くの課題があると考え、本年6月19日、江田五月参議院議長宛、「慎重な審議を求める要望書」を提出いたしました。しかしながら今般の国会決議のあり方は、私たちの要望した各種課題が十分審議されたものとは言えず、遺憾に存じます。

私たちは、臓器提供を受けて「助かる生命を助けたい」という願いはよく理解しています。しかし、宗教者の立場から、いのちを尊ぶ社会の実現を願い、脳死を人の死とすることにあらためて警鐘をならすとともに、1年後にこの法が施行されるにあたり国家的努力が進められるよう念願し、以下のことを求めます。

  1. 脳死者への診療が打ち切られるという懸念に関して、国会審議で示された「法的脳死と判定されても、臓器提供の意思を撤回すれば診療が継続される」という内容が厳守されるよう求めます。
  2. 脳死者と家族の人権や生命観を守るため、厳正な手続きの構築を求めます。
  3. 特に子どもの脳死判定基準や被虐待児の問題について厳密な検証が行われることを求めます。
  4. 「脳死を人の死とし、本人の意思表示がなくとも死と判定される」という法案の内容が生命軽視につながらないよう、適切な対応を求めます。

以 上