「水平社創立100周年にあたって」の表明

　1922(大正11)年3月3日に全国水平社が創立されてから本年100周年を迎えました。水平社には多くの門信徒・僧侶が参加し、その活動の背景には浄土真宗の宗祖である親鸞聖人の同朋精神があるとされ、水平社の部落解放運動は信仰運動でもあったと言われております。その親鸞聖人の同朋精神に立ち還ってほしいとの水平社の解放への願いに当時の教団がじゅうぶんに応えることができなかったことを重く受けとめたいと思います。
　戦後、宗門では戦争協力や部落差別への反省をもとに同朋運動が立ち上がり、これまでさまざまな取り組みを進めてまいりました。さらに、部落差別解消を願う団体や人びとと連帯しながら、部落差別をはじめとするあらゆる差別解消をめざす取り組みを進めております。
　この度の、水平社創立100周年にあたり、先人たちのご苦労を偲びつつ、あらためて宗派として差別・被差別からの解放をめざして、真摯に取り組んでいくことを表明いたします。

2022(令和4)年3月3日

浄土真宗本願寺派総長　石上 智康