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新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)に関する総局見解

重要なお知らせ2025.04.16

宗告第5号

 このたび、別紙のとおり「新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)に関する総局見解」を告知する。

  2025(令和7)年4月16日

総長  園  城  義  孝

 

総務  桑  羽  隆  慈

総務  竹  田  空  尊

総務  松  原  功  人

 


 

新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)に関する総局見解

 

 『新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)についての消息』は、令和5年、親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年の節目の年に、当時の石上智康総局の申達により、ご門主様から発布賜りました。

 宗門が置かれている現状として、従来の『領解文』が、現代の人々には理解が難しくなっているとの認識から、正しく、わかりやすく、阿弥陀様のお救いを伝えるべく、新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)が制定されました。これを受け、勧学寮より「ご消息 解説」が示されました。

 

 当時の総局は、全国の寺院・門信徒において唱和100%を目標に掲げ、推進いたしました。しかしながら、全国から理解が困難であるとの声が多数あがり、混乱が広がったのであります。また、学階勧学・司教有階者有志の方々をはじめとする有識者から、教義理解に重大な誤解を生じる危険があるとの指摘の声もあがりました。さらには、普及推進に慎重であってほしいという請願が宗会に提出されました。しかし、当時の総局はその声に耳を傾けることなく、強硬に周知・普及を推進されたのであります。

 

 その後、石上総局を引き継いだ池田行信総局のもと、全教区・沖縄県宗務特別区で学習会が開催されました。これは、理解を深めることを目的に開催されたのでありますが、内容への理解が深まるどころか、かえって宗門全体に混乱が大きく広がる結果となりました。

 その混乱と総局への不信感は、賦課基準の総局試案や宗務全般へまで波及し、昨年12月の宗会議員総選挙では、新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)を普及推進してきた総局の方針に対する反対意見が支持される結果となりました。

 その結果、本年2月招集の第325回定期宗会において、池田総局は、新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)に関する施策を取り下げた上で、宗門内の混乱を長引かせた責任を重く受け止め、人心一新し、一刻も早い信頼回復を図るべく総辞職を決意され、このたびの新しい総局体制が発足するに至った次第であります。

 

 これも偏に、総局の申達によって始まった混乱に対して、その申達責任を取らなかったことに混乱の根源があったと認識いたしております。

 この間、ご門主様をはじめ、宗門関係者の皆さまには大変ご心配をおかけいたしました。今後は、中央・地方の宗務機関にわたり、風通しのよい組織運営を図り、宗門全体の声を反映するよう宗務を執行していかなければなりません。そうした宗務環境の中、念仏者として、本願名号の真実の教えを主とする各般の宗務の取り組みを通し、ご法義繁盛のために力を尽くしてまいります。

 そのことからも、新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)は、宗意安心について相互理解ができるまで、関係する施策は行わないことといたします。

 

 時代は激しく移り変わります。今を生きる私たちは、触れる縁のなかに右往左往しながら生きているばかりです。それゆえに、どんな変化のなかにも申されるお念仏がましますこと一つが有難く、確かなものと聞こえます。

 お念仏の声が聞こえる宗門をめざし、宗務を推進してまいりたく存じますので、宗門関係者の皆さまには、ご理解・ご協力を賜りますよう切にお願い申しあげます。

 以 上