「宿坊」の効果 <東北教区 若松組 西福寺>

(人の交流×地域・寺院活性化)
宿坊を寺院事業としている西福寺は福島県下郷町に位置し、会津の観光の拠点として親しまれています。
1987(昭和62)年12月、ご住職は、横浜の企業に勤めた後、かねてからの願いであったペンション型の宿坊「ペンション柿の坊」を立ち上げました(「寺則」の変更の他、各種申請が必要です)。
宿坊の特徴は、「美味しい郷土料理」と「朝の法話」です。
地元の野菜、山菜、川魚、加工品(味噌、果実のソース、漬物)などを使った料理に、翌朝は本堂でのお勤め後、朝食までの間、約50分ご法話を行います。法話には各部屋に設置している『住職のふっと...』という感話ファイルを読まれた感想や、お給仕を通じた会話で気付いたことを取り入れています。
「ペンション柿の坊」は2017年12月で30周年を迎えました。
「宿坊のリピーターができたことが何よりの喜び」と住職。宿坊の運営は、予約受付に始まり、前日準備から翌日作業まで、重労働もあります。継続するため不可欠なことは、「浄土真宗のみ教えを広めたい」という住職の篤い思いはもとより、ご門徒の理解と寺族の理解・協力が第一であるとお話しくださいました。
今後に向けては、さらに郷土料理の提供を特色にする方向も検討しています。高齢化した地域の元気を取り戻すためにも、ご門徒が作る地元野菜を食材とし、地域が活性化したいと考えています。
住宅宿泊事業法(民泊新法)が平成29年6月に成立しました。一般寺院でも既存の寺院伽藍(書院など)を利用する方法で「人の交流」による寺院や地域活性化が検討できます。
(※「ペンション柿の坊」の取り組みは、『本願寺新報』(2017年1月20日号)や『宗報』(2009年9月号)、寺院活動事例集『広がるお寺』(2011年)などでも紹介されています。)
スタッフ一同
自慢の檜風呂
宿泊部屋
会津の郷土料理
朝のお勤め
会津の観光地(大内宿)