地域での活動レポート

四州教区今治組 今治組編「葬儀の心得」発刊

中国・四国2018/08/09
  • 寺院活動

◆「葬送儀礼」の取り組みとして
 四州教区今治組では、2012(平成24)年度から2017(平成29)年度に亘る重点プロジェクト実践目標を「葬送儀礼」と掲げました。

 2017年7月、浄土真宗の葬儀、日常の仏事について、意味や在り方を正しく伝える取り組みを行ってきた集大成として、今治組オリジナルリーフレット「葬儀の心得」(A4版横開き14頁)を発刊しました。

 今治組では過去に、組内10カ寺と大谷派寺院とが合同で葬儀会社用資料を作成。清め塩配布の廃止など、改善に取り組んできました。しかし近年は、家族形態の変化が葬儀形態の変化へとつながり、従来とは異なった葬儀が執り行われることが多くなってきました。

 門徒間にも混乱が見られるようになった現状を見過ごしたままではいけないと危機感を抱き、組内で話し合った結果、浄土真宗の葬儀、仏事を正しく伝えるためのリーフレットを作成することになったのです。

◆刊行までの流れ

 リーフレットの作成にあたり、まずは現状を把握するため、組の行事で門信徒との話し合い法座を何度も重ねました。

 法座と並行して、中央仏教学院講師の三栗章夫氏を講師に招き、各寺院の住職・衆徒を対象とした勉強会を開きました。三栗氏には、「単なるマナー本ではなく、どのページを開いてもすべて仏徳讃嘆につながる内容にすること」等のご教示をいただきました。

 さらに、近郊の葬儀会社と今治組寺院で合同研修会を開催し、葬儀の現場の声を聴きました。

 その後、書籍出版経験のある今治組万福寺・淺野執持氏を中心に、掲載内容やレイアウトを厳選していきました。内容は、①浄土真宗の教え ②通夜 ③葬儀 ④還骨・中陰法要 ⑤年回法要 ⑥納骨・墓碑 ⑦日常の仏事・本尊と仏壇 ⑧作法という構成にまとめましたが、特に、すべての仏事が大切な法縁であることを一貫して伝えることにつとめました。

 また、門信徒との話し合い法座で取り上げられた疑問等には、Q&A形式で答えるページを設け、地域の迷信についても用いない理由を説明しました。

◆門信徒の声

 完成したリーフレットは各寺院を介して、門信徒(離郷門徒を含む)と地元の葬儀会社へ配布しました。門信徒からは「非常にわかりやすい」「葬儀や法事を勤める際に便利だ」との声を、葬儀会社からは「葬儀で遺族に対し、清め塩廃止、棺の釘打ち廃止等の説明がしやすくなった」と感想をいただきました。

 これまでは家族が同居し、日々後ろ姿で仏事が伝えられてきました。しかし、核家族化で、それができない時代になりました。冊子ができたことで、故郷を離れた子どもたちに浄土真宗のことを伝えられ、安心したという門信徒もおられます。教区内外からも問い合わせもいただいています。リーフレットをご希望の方は四州教区今治組万福寺までお問い合わせください。

【お問い合わせ先】: manpuku.tp@gmail.com

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