地域での活動レポート

佐賀教区 巡番報恩講

九州・沖縄2018/07/09
  • 寺院活動

◆江戸時代から脈々と

 佐賀教区では、教区内全域で「巡番報恩講」「巡番大法要」「大法事(おおほうじ)」と呼ばれる「組」単位による報恩講が実施されています。1年を通して春と秋の2期に、単位内の寺院が持ち回りで会所となり、周期的に当番が巡ってきます。

 起源については不明ですが、江戸時代から佐賀を中心に脈々と続いており、ご門徒からは、寺院での報恩講やお取り越しは「ご正忌さん」と呼ばれ、この巡番報恩講は「報恩講さん」と親しまれています。

 基本的な1日の日程は、お斎、法要、ご法話と続きます。会所寺院では一人でも多くの方に参拝いただけるよう案内方法に工夫をするほか、コンサート、琴や楽器の演奏、人形劇など楽しい催しを企画されるところもあります。

 当番以外の寺院住職・衆徒は、法中(結衆・列衆)として法要に出勤します。その際、住職・寺族は寺院の門徒を引率して団体参拝するなど、住職と門徒が一緒に参拝計画を行う寺院もあります。

◆お寺とご門徒が一致団結して

 このような形で数日間にわたって修行され、次期当番寺院へと引き継がれていきます。「巡番報恩講」「巡番大法要」「大法事」は組内の寺院によるお参り合いのシステムといえます。

 それぞれの寺院では、周期的に巡ってくる会所当番に照準をあわせ、計画性をもって準備が行われます。住職、寺族、門徒が一致団結して、"おみがき"や"清掃奉仕"を実施している寺院もあります。

 また記念事業として、境内建物の改修・整備をする寺院も多くあり、中にはそのために毎年計画的に積立てを行うなど、寺院の護持にもなっています。

 組内寺院が互いに協力し、巡番を積み重ねてさらに次の世代へ――。「巡番報恩講」「巡番大法要」「大法事」はこれからも大切に守り伝えられていきます。

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法要の様子

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お斎の準備