地域での活動レポート

東京教区三浦組 にちにち小坊主体験

関東・甲信越2018/04/09
  • 寺院活動

◆お寺をもっと身近に感じてほしい

 東京教区三浦組が主催する「にちにち小坊主体験」は、お寺を身近に感じてもらうため浄土真宗本願寺派の若手僧侶らが企画し、平成26年にスタートしました。
 実行委員長で、神奈川県横須賀市大津町にある信誠寺(しんじょうじ)の綴喜誠淳さんは、「敷居が高いと思われがちなお寺のイメージを払拭したいと思っていました。非日常感を楽しみながらお寺の雰囲気を子どもたちに知ってほしいですね」と企画の経緯を話します。
 お寺の毎日の生活を味わってほしいと名付けられた「にちにち小坊主体験」。市内の小学1年生~4年生を対象に年1回開催し、4回目を数えました。毎回、10~20名の児童が参加し、小坊主の衣に身を包み、お経の練習や本堂・境内の掃除などを通して、お寺の生活を体験します。

◆お寺の生活を楽しく体験

 子どもたちは朝8時に集合し、まず装束に着替えます。そして住職から「聡念(あきねん)」「貴念(たかねん)」「心春信尼(こはるしんに)」など、1日限りの"小坊主名"を拝命。本堂や境内の掃除をしたあとはお経の練習。
 ふりがな付きの聖典を手にお経を唱える「読経」では、慣れない正座に戸惑う子どもたちの姿も。しかし、「み仏の み教えを きくものは なかよく やさしく 礼儀正しく いたします」――。揃いの装束に身を包み、仏教の教えを唱和する子どもたち。気分は立派な「お坊さん」です。
 プログラムの内容は、お寺の生活体験を通じてお寺に親しんでもらうため、「お寺でしかできないこと」を若手僧侶が集まって考えます。本堂の掃除もお寺の古き良きものを味わえるようにホウキを使用。
 「畳の目に沿って掃いてくださいね」などと掃除の基本を住職から教わると、子どもたちは目を輝かせて熱心に取り組みます。さらに雑巾掛けや境内の掃除など隅々まで熱心に行っています。
 隣のお寺へ行脚して梵鐘つき体験、和菓子を作って抹茶体験、宝探しなどのゲームでも盛り上がり、最後にお経を読み、15時30分に下山式を行います。

◆「来年も来たい!」と子どもたち

 「にちにち小坊主体験」は主催側が考える以上に反響があり、ご縁のなかった家庭からの参加も多く、「来年も来たい!」と子どもたちは目を輝かせます。実際にリピートでたくさん参加してくれています。
 一般の方に広く参加してもらうために、地域紙「はまかぜ新聞」に案内を掲載するなどして、今では地域にすっかり根付きましたが、第1回目を開くときは小坊主の装束、周知の方法、スタッフ人員の確保など、さまざまなことに準備時間がとられました。
 しかし、会を重ね、参加者が満足してくれることで、そのような苦労も吹き飛びました。寺院の若手僧侶の中には幼稚園の園長やボーイスカウトの指導者もおり、その経験が活かされているようです。
 課題はスタッフの人数や内容により、受け入れる子どもの人数が限られることがあるという点。また今後は5年生以降の子どもを対象にしたイベントの開催など、ネットワークをつなげることが大切ではないかと考えて現在検討中です。

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