国府教区米山組浄善寺 趣味を活かして笑顔になれるお寺へ

◆世界にひとつだけのオリジナルを
新潟県上越市にある浄善寺(長井順一住職)坊守の彰子さんは、2年前からお寺で「ポーセラーツ」教室をしています。
ポーセラーツとは、磁器「Porcelain」と芸術「Art」を組み合わせた造語。真っ白な磁器に、転写紙と呼ばれる特殊なシートを貼り付け、専用窯に入れて焼き上げることで、世界にひとつだけのオリジナル食器や小物等を作ることができます。
彰子さんがポーセラーツを始めたきっかけは、結婚の記念に両親へ心を込めた贈り物をつくるためでした。その時に、ポーセラーツに夢中になり、インストラクターの資格を取得できるほどに上達したのです。
◆地域とつながるご縁に
結婚当初、茨城県出身の彰子さんは友達もなく、慣れない土地での生活に寂しさを感じていました。
そんなある日、ご門徒さんと話をしていると、彰子さんの趣味であるポーセラーツの話題になり、「おもしろそう。ぜひ教えてほしい!」とご門徒さんは興味津々。そこで、彰子さんは地域の人たちとつながるご縁になればとの思いから、ご門徒さんだけでなく、広く門戸を開いたポーセラーツ教室を始めました。
現在、教室は週に3、4回開いていて、ブログを見て遠方から通う人もいるほどの人気となっています。
◆開かれたお寺に
生徒さんの中には「初めてお寺に入った」という人も。しかし、回を重ねるうちに「お盆やお彼岸はどう過ごしたらいいの」といった仏事に関する質問が出てくるようになり、ポーセラーツ教室を通してお寺にも関心をもってくれる方が増えています。
住職も女性ならではの視点で新たなコミュニティー創出につながる彰子さんの取り組みを応援しています。
浄善寺ではポーセラーツ教室以外にも音楽教育法「リトミック」の教室や、ご門徒さんが講師を勤める英会話教室なども開催し、開かれたお寺づくりに取り組んでいます。
彰子さんは「お寺に親しみ、仏教に関心を持ってもらえるのが嬉しい。伝統を守りながら、新たなことも取り入れて、皆が笑顔になれるお寺にしていきたい」と意気込みを話してくれました。
ポーセラーツ教室の様子
リトミック教室の様子
亡くなった愛犬のために制作した骨壺
彰子坊守