地域での活動レポート

相愛大学 「食事のことば」をひろめよう!

近畿2017/03/09
  • 関係団体活動

◆食育を通して

 宗門関係学校の相愛大学では、人間発達学部 発達栄養学科において食環境の課題発見・解決のため専門知識と実践力を養い、管理栄養士や栄養教諭の資格取得をめざした教育を行っています。
 食事は人が生きていく上で不可欠なものです。特に2005(平成17)年に「食育基本法」が制定されて以来、「食」に関する意識が全国的に向上しており、栄養マネジメントをベースとした幅広い領域で活躍できる「食」と「栄養」の専門家の育成は大変重要といえます。
 「食育」というと「食と健康」や「食に関する正しい知識を学ぶ」ことがメインの学びだと思われています。しかし、相愛大学では食に関する知識を習得することだけに止まらず、「食といのち」についてのメッセージを社会に発信したいと考えています。

◆「食」は「いのち」であること

発達栄養学科1回生と2回生の有志は、「食」は「いのち」であり、その「いのち」をいただいて自分の「いのち」が支えられていることを伝えるため、「食事のことば奨励推進活動」を行っています。

「食事のことば」とは、浄土真宗本願寺派(西本願寺)が制定した、
  <食前のことば>
  多くのいのちと、みなさまのおかげにより、このごちそうをめぐまれました
  深くご恩を喜び、ありがたくいただきます
 <食後のことば>
  尊いおめぐみをおいしくいただき、ますます御恩報謝につとめます
  おかげで、ごちそうさまでした

という二つのことばです。

 2017(平成29)年3月27日には相愛学園本町講堂を会場として、大阪府・農林水産省近畿農政局・大阪府栄養士会・相愛大学の主催で「食育ヤングリーダーフォーラム」が開催されました。このフォーラムは若い人たちが健康的な食生活について真剣に考えることを目的として開催されており、大阪府内の学生・生徒をはじめとして200人以上が参加しました。今回、相愛大学の「食事のことば奨励推進活動」メンバーは、活動の第一歩として、会場ロビーで自作のポスターを設置し、訪れた参加者に「食事のことば」の理念を伝えました。
 ポスターは4枚あり、金子みすずさんの「大漁」から始まります。その「大漁」の心を通して、「いただきます」「ごちそうさま」「ありがとう」というポスターが並びます。学生は訪れた人たちに「食事はいのちです。いのちをいただいて私たちのいのちがあるのです。いのちの育みに感謝しましょう」と説明します。参加者は学生の説明に「食事がいのちであるという観点に改めて気づかされた」とうなずきながらポスターを眺めていました。ポスターの横では「食事のことば」ポストカードが置かれ、自由に持ち帰ることができます。「孫にもあげたい」「幼稚園の食育指導に使いたい」と、たくさんの方にポストカードを渡すことができました。

◆社会へ発信する第一歩

 食育により日々充実した正しい食生活を送る知識を身につけることは大切ですが、いのちの犠牲の上に私たちの食事が成り立っていることを広く伝えたい―。相愛大学では、これからも「食はいのち」であり、食に感謝することを教員と学生が連携しつつ社会に訴えていきます。今回の取り組みは「食といのち」を伝える第一歩です。宗門校ならではの活動として、今後もさまざまかたちで「食事のことば」を推奨する取り組みを続けていきたいと考えています。

 この「実践事例」のコーナーでは、相愛大学の今後の取り組みも紹介していきます。

※「食事のことば」ポストカードは宗派において無償配布しています(送料のみ申し込み者負担)。
お問い合わせは、統合企画室まで(℡075-371-5181<代>)

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手作りのポスター

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食事のことばも配ります

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ポスターの説明をする様子