兵庫教区姫路南組 お寺の危機管理

◆災害に備えて各寺院の取り組むべきこと
姫路南組では2012(平成24)~2014(平成26)年度の3カ年に亘って「お寺の危機管理(防災)への啓発-災害に備えて各寺院の取り組むべきこと-」を重点プロジェクトに掲げ活動しました。
組委員会には30代~40代の若い委員が多く、僧籍を持ちながら一般の会社で働いている人もいますので、活発な協議となりました。協議の結果、研修会を開催し近隣に住む一級建築士に寺院建築などについて講演してもらうという斬新な案にまとまりました。その建築士は阪神・淡路大震災の後、各地の寺社を回って建築について研究し、姫路南組内の寺院建築にも携わった方です。研修会では、寺院の耐震や構造について講演いただき寺院境内地の防災や安全性について学びました。
また、消防署員からも防災についての講義や、AED操作の講習を受け、寺族・門信徒とともに学びを深めました。
◆重点プロジェクトとの連動
即如前門様(当時ご門主)の組巡教を機縁として姫路南組の「報恩講スタンプラリー」を始め、10年ほど経過した現在ではかなり定着し、報恩講には本堂いっぱいの方にご参拝いただいています。そこで、組重点プロジェクトと連動させ「報恩講スタンプラリー」の記念品として、3ケ寺以上参拝した方に防災関係の品物を贈呈することとしました。これまでに書籍『震災のときあったらいいもの手帖』や「避難持ち出し袋」などさまざまな記念品を毎年100~130名に配布しました。
◆災害・緊急事態に備えて
仏教NGOネットワーク(BNN)が発行している『寺院備災ガイドブック』を各寺院に配布し、それぞれが備災状況をチェックし、足りないところを補うようにしていますが、各寺院の現状が違うので一斉にチェックしたり改善していくことは難しく、粘り強く取り組む必要性を感じています。
また、組内寺院で起きた参拝者が法要中に倒れるといった緊急事態について、その時の状況・対応についても組内で情報を共有しました。これらを通じ、組内各寺院において今後も取り組みを続けてまいります。
講演風景
講演風景
AED講習