「自死に向きあう広島僧侶の会」 自死に向きあう

◆「自死に向きあう広島僧侶の会」
日本では昨年25,427人が自死によって亡くなられました。そして、自死遺族の方はその数以上におられます。自死は決して個人の問題ではなく、社会全体が関わっている「いのちの問題」であります。この大きな課題に僧侶として何かできることはないかと模索していた時、 2007(平成19)年より東京において「自死・自殺に向き合う僧侶の会」(当時「自殺対策に取り組む僧侶の会」)が自死者追悼法要や自死遺族の集いの開催、自死に関する啓発活動などを行っていること、また、2009(平成21)年より「自死に向きあう関西僧侶の会」(関西地方)や「いのちに向き合う宗教者の会」(東海地方)が同様の趣旨で活動していることを知りました。そこで、活動の輪を広島にも広げていきたいと県内の僧侶に働きかけたところ、趣旨に賛同した20数名が宗派を超えて集り、2010(平成22)年に「自死に向きあう広島僧侶の会」を結成しました。現在は、臨済宗、真言宗、真宗大谷派、浄土真宗本願寺派の僧侶で活動をしています。
◆自死者追悼法要「いのちの日 いのちの時間 広島」
平成27年12月24日、本願寺広島別院において、第6回自死者追悼法要「いのちの日 いのちの時間 広島」を勤め、24名の方が参列されました。自死遺族の方に、仏さまの前に座り安心して大切な人とのつながりを感じる時間を過ごしていただきたいとの願いから、2010(平成22)年より毎年開催しています。
◆「いのちの集い~自死者遺族の分かちあいの集い~」
また、2012(平成24)年より、奇数月の第2木曜日に、自死遺族の分かちあいの場「いのちの集い」を開催しています。
遺族の方と僧侶が車座になり、ご遺族の想いが言葉になるのを待ちます。参加者はそれぞれに違う苦悩を抱えておられ、その言葉をありのままに聞かせてもらいます。想いを吐露される方、涙で言葉にならない方、他の遺族の言葉にじっと耳を傾ける方等さまざまです。抱え込んでいた想いを聞いてもらうこと、他の遺族の想いに共感することで、孤独感が少しでも解消されればと願っています。
「自死に向きあう広島僧侶の会」では、僧侶として「いのちの問題」に向き合い、自死遺族の方に安心していただける場を提供できるよう、今後も活動を続けていきます。そして、この活動がさらに各地域に広がっていくこと、また、将来この法要や集いを行う必要がなくなる社会になることを心より願っています。