大阪教区 「表白」から学ぶ葬送儀礼

◆大阪教区の重点プロジェクト
大阪教区では、2012(平成24)年度より一貫して「葬送儀礼」を重点プロジェクトのテーマとしています。これまで、アンケート集約や研修用テキストを発刊し、積極的に研修会等を開催し学びを深めています。
2016(平成28)年2月18日には、「表白(ひょうびゃく)」から葬送儀礼を考えることに主題を置いた研修会を開催しました。
◆「表白」を学ぶ
葬送儀礼の中で、通夜や還骨勤行では法話をする時間が設けられますが、葬儀の際には法話の時間的余裕がありません。講師の天岸淨圓師(大阪教区東住吉組西光寺住職)は、時間的な余裕がない葬儀だからこそ、「表白」は重要な役割を果たすと述べました。現在、宗派が発刊している『葬儀勤行集』には表白が掲載されており、その表白をそのまま使用することも少なくありません。天岸講師は浄土真宗の法義に関する箇所などは前住職の文言や、『葬儀勤行集』の表白に沿いつつも、故人の生涯や人となりなどを表す箇所は、自身で作成しているそうです。遺族や会葬者に葬儀・会葬の意味を少しでも味わってもらうため、出来るだけ現代語で作成し、音の響きも考慮しつつ七五調にすることなどを、実際葬儀で拝読した表白を用いながら説明されました。また天岸講師は、作成した表白を葬儀後に喪主に渡しており、その際に法名の説明を添えることもあるそうです。研修会では表白作成の実習も行われ、非常に活発な研修となりました。
◆現代における浄土真宗の葬送儀礼の意義を
大阪教区ではこれまでも「葬送儀礼」に関するさまざまな事案を研修会テーマとしており、この研修会は本年度(平成27年度)第3回目となりました。前期(平成24~26年度)から継続して、僧侶が自らの課題や可能性を思索し実践していくことを目的に「葬送儀礼」について取り組みを行っています。「葬送儀礼」は現代社会において多様に変化しており、僧侶にとっても、一般の方にとっても最重要課題のひとつと言えるでしょう。大阪教区ではこれからも研修会などを通し、現代における浄土真宗の葬儀の意味を明らかにしつつ、時代に即応した葬送儀礼を提唱していきたいと思います