地域での活動レポート

所務部〈文書担当〉 千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要

関東・甲信越2015/10/10
  • 宗派活動

◆「千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要」

 私たちの宗門では、お釈迦様が「兵戈無用」と示され、親鸞聖人が「世のなか安穏なれ 仏法ひろまれ」と願われたことをもとに、戦争協力の歴史を真摯に慚愧し、非戦・平和の願いを広く発信するために、1981年より毎年、千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要を勤めています。
 2015年9月18日に第35回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要が国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑(東京都千代田区)において、ご門主ご親修のもと厳修されました。門信徒や僧侶をはじめ、国会議員、各国駐日大使など政財界や宗教界の約2500人が参拝し、戦後70年の節目にあたり、国籍や思想・信条を超えて、日本のみならずすべての戦争犠牲者を追悼し、非戦・平和の誓いを新たにしました。

◆「非戦・平和への道」

 法要は、ご門主御導師のもと営まれました。ご門主は、法要の趣旨を示した「表白」で、自己中心の考えから幾多の戦争を繰り返し、かけがえのない多くの命が失われたことへの痛みと悲しみ、そこから出発した戦後70年の歩みに学ぶことの大切さを述べられました。続いて「私たちの根本的な愚かさと、かつて戦争を支持した宗門の歴史を深く省みて、同じ過ちを二度と繰り返さぬよう、非戦・平和への道を歩み続けてまいります」と決意を述べられました。
 参拝者全員で「正信偈」をおつとめする中、衆参両院の国会議員や米国をはじめとする各国の駐日大使ら来賓の方々が焼香されました。

◆「平和宣言」

 法要に先立ち、石上智康総長が「平和宣言」を行い、「武力を背景にした緊張の上で保たれる平和は、はたして真の平和のすがたといえるのでしょうか」と問い掛け、「自己本位で排他的なあり方に厳しい批判的な目を持ち、この地上世界に平和が実現するよう努めるべきでありましょう」と念仏者としての使命を宣言されました。

◆若い世代とともに

 法要にあわせて、宗門関係学校から「非戦・平和」「いのち」をテーマにした作文を募集しており、最優秀作文に選ばれた龍谷大学付属平安中学3年の船橋維さんと、千代田女子学園高等学校1年の渡邉衣織さんが表彰され、それぞれの作文を朗読して、参拝者に非戦・平和といのちの大切さを訴え掛けました。その後、千代田女子学園や国府台女子学院などの聖歌隊が仏教讃歌を斉唱する中、各教区や宗門校の代表者らが献華しました。また、親鸞聖人がお示しされたお言葉「世のなか安穏なれ 仏法ひろまれ」の「安穏」の文字を刻み込んだ「平和の鐘」が鳴り響くなか、参拝者は恒久平和への願いを新たにしました。
 宗門では、この戦後70年の年に営まれた第35回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要を機縁として、非戦・平和の願いを新たに、今後とも宗門内外に強く発信していきます。

jissen_334.jpg

平和の鐘

jissen_335.jpg

石上総長による「平和宣言」

jissen_337.jpg