地域での活動レポート

山口教区大島組 燈炬会 葬儀勤行聖典を作成

中国・四国2015/09/10
  • 寺院活動

◆燈炬会

 山口教区大島組に属する荘厳寺(白鳥文明住職)・淨念寺(淺原賢明住職)・正覚寺(松原功人住職)・德正寺(田村泰成住職)では「燈炬会(とうこえ)」という勉強会を30年以上前から開催し、さまざまな活動をしています。
 同会では現在、僧侶もご門徒も一緒に使うことができる共通の葬儀用聖典を発行し、さまざまな葬儀の場で活用いただいております。

◆みんなでお勤めできる聖典を

 発端は、若婦人の集まりである「蓮遊会」で「お葬式の時にお坊さんも一般の会葬者も、みんなが一緒にお勤めができる聖典があれば...」という言葉からでした。
 確かに宗門から発刊されている勤行本はあくまで僧侶対象のものです。葬儀の場で誰もが使える勤行本があれば大変有り難いことと思い立ち、燈炬会では早速勤行本の作成に入りました。
 西本願寺の葬送儀礼は『浄土真宗本願寺派 葬儀規範』に定められておりますので、その中から一般の方が一緒にお勤めする、「帰三宝偈」「三奉請」「正信念仏偈」「念仏」「和讃」と、法要の最後に拝読する「白骨の御文章」を掲載するこことしました。

◆試行錯誤しながら

 お勤めのご文だけではなく、現代語訳などを掲載しつつ、1999(平成11)年ようやく最初の冊子が発刊されたのですが、発刊後に見直してみると、まだまだ言い足りないことや、誤字等も見つかりました。
 再度、燈炬会で検討し改良を重ねていよいよ2006(平成18)年に『浄土真宗 葬儀勤式聖典 み仏にいだかれて』として発刊しました。
 内容は、燈炬会で検討された意訳や、おつとめの解説、また本のタイトルともなった仏教讃歌「みほとけにいだかれて」も最後に掲載しました。

◆この冊子がご縁になるように

 当初は燈炬会に関係するお寺で活用されていたのですが、だんだん使用する寺院が増えてきました。ある時、葬儀会社から「浄土真宗の方のお葬式の際に使いたい」と依頼があり寄付しました。その会館では浄土真宗のお葬儀があるたびにこの冊子を参列者に配布しており、葬儀ではみんな一緒にお勤めをしてくださいます。他にも宮崎県の葬儀社でも活用いただいております。

 冊子の最後には「みなさまへ」と題され、親鸞聖人のお手紙が意訳で掲載されています。

 この身は、もはや歳を重ねて別れるときが来ました。
 みなさんより先に往生することは間違いないですから、
 お浄土にて、かならずかならずおまちしています。   親鸞

 ご葬儀は、親しい人との別れの場でもありますが、その方を通して仏様とのご縁を結んでいく大切な儀式です。大切な方を亡くされた時の悲しみははかり知れないものですが、お浄土に親鸞さまも私の大切な方も、今間違いなく往生なさっておられることをお味わいさせていただきたいものです。

 尚、この勤行聖典は現在も頒布しておりますので、ご希望の方は山口教区大島組荘厳寺(℡0820-73-0351)までご連絡ください。

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