地域での活動レポート

安芸教区・本願寺広島別院 「全戦争死没者追悼法要並びに原爆忌70周年法要」を厳修

中国・四国2015/07/10
  • 教区活動

◆終戦から70年を迎えて

 終戦70年という節目を迎えるに当たり、本願寺広島別院と安芸教区は2日間にわたり法要を営みました。
 初日の7月3日には広島平和記念公園・原爆供養塔前で専如ご門主ご親修のもと「平和を願う法要」が執り行われ、法要後にはご門主が「お言葉」を述べられました。ご門主が平和記念公園で法要を営まれるのは、1982年に来広された大谷光真前門様以来で、33年ぶりのこととなりました。
 また翌7月4日には本願寺広島別院にて「全戦争死没者追悼法要並びに原爆忌70周年法要」がご門主ご親修にてお勤めされ、法要後にはご門主より「ご親教」が述べられました。

◆平和を願う法要

 法要に先立ち、ご門主は「原爆死没者慰霊碑」に献花をされました。このたびの「平和を願う法要」は、宗門内だけでなく、多くの方と共に、非戦平和を願いたいとの思いから、広島平和記念公園内の原爆供養塔前での法要となりました。お勤めに先立ち400人にものぼる僧侶・ご門徒の庭儀(お練り)が行われ、雅楽に合わせたその厳かな列は、原爆資料館から原爆死没者慰霊碑前を通り、原爆供養塔まで歩みを進めました。法要は「十二礼作法」でお勤めされ、法要後にはご門主よりお言葉「戦後70年によせる平和への願い」が述べられました。

◆全戦争死没者追悼法要並びに原爆忌70周年法要

 翌日には本願寺広島別院において「全戦争死没者追悼法要並びに原爆忌70周年法要」がご門主ご親修にて営まれ、1800人の僧侶・ご門徒が参拝されました。法要前には安芸教区広陵東組浄宝寺の諏訪了我住職が、記念布教として、原爆により両親と姉を亡くされ、戦争孤児となった過去から、平和の大切さを力強くお話しされました。この日も法要に先立ち庭儀が行われ、多くの参拝者と共に「正信念仏偈作法」がお勤めされました。法要後にはご門主よりご親教が述べられ、戦争や差別のない、御同朋の社会の実現に向けて歩んでいくことを呼びかけられました。

◆平和への思いを伝える

 20世紀は「戦争の世紀」と言われ、期待をもって迎えた21世紀でしたが、現在でも世界の各地で戦争・紛争は絶えません。終戦から70年経とうとする今、直接戦争を経験された方々は少なくなり、その記憶はだんだん風化されています。本願寺広島別院・安芸教区では、この2日間の法要だけではなく、これまでの歩みを踏まえ、更に非戦平和についての取り組みを進めるため「非戦・平和を願って70年」として、さまざまなイベントを開催してきました。記憶が風化しつつある今だからこそ、私たちは仏教徒として、仏の願いの中、異なる価値観を認め合えるよう、次代に平和の大切さやいのちの尊さを伝えていかねばなりません。
 参拝者一人ひとりに思いがある中での70周年法要でありました、法要や関連行事を通して、次代につなぐ非戦平和への思いが伝えられていきました。

◆宗門の各地でも終戦70年に関する行事を開催

 本山本願寺においても8月15日にお勤めされる「戦没者追悼法要」に併せ、8月10日から19日まで非戦平和に関するパネル展をお茶所と安穏殿において開催いたします。また千鳥ヶ淵全戦没者墓苑でも9月18日に宗派主催の「千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要」がお勤めされ、築地本願寺本堂においてパネル展を開催予定です。さらに各地の別院等でも非戦平和に関する法要や行事を開催いたしますので、そちらにもどうぞご参拝ください。

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7月4日 本願寺広島別院における「全戦争死没者追悼法要並びに原爆忌70周年法要」