北海道教区 『重点プロジェクト3年間の総括書』作成

北海道教区ではこの度、重点プロジェクト総括書を作成いたしました。
2014(平成26)年度は、2012(平成24)年度からの重点プロジェクトの最終年度にあたり、3年間の点検評価を行い、総括書としてまとめることとなりました。
◆発刊の経緯
当教区では東日本大震災の被害の深刻さを重く受け止め、既に有志による支援活動や北海道教区災害対策委員会に実行部会が置かれているなど、災害支援への体制が整っていたことなどから、「東日本大震災をはじめとする被災者への支援」を重点目標といたしました。
総括書は、当教区の重点プロジェクト計画書、活動時系列表、具体的事業内容、保養事業など3年間の取り組みが全て網羅できるように作成しました。
◆本書の内容(各事業点検)
内容としては、主に北海道内でできる活動と北海道外でできる活動を紹介しています。
◎道内事業
道内事業では災害支援金の募集活動、ボランティア養成研修会、福島の高線量地域に在住の大学生、専門学生を対象にした北海道内寺院を周遊、滞在し、心身ともに健康になっていただくことを目標とした「ほっこりツーリング」などを実施いたしました。
中でも一番の取り組みだったものが、高線量地域に住むご家族を北海道教区内寺院に受け入れ、心身ともに保養していただく事を目的とした「ほっこりプロジェクト」です。
本事業を実施するにあたり、教区内寺院に受け入れのご依頼をさせていただき、受け入れ表明をされた寺院には事前に研修会を実施するなどの準備をいたしました。
当日は、家族単位で受け入れ寺院に移動してもらい、そこで心身ともにゆっくりと保養してもらいました。普段は外で自由に遊ぶことが出来ず重いストレスをかかえる子どもたちも、お寺で過ごす数日間様々な思い出を作ってくれたことでしょう。
2013年、2014年の2年間で開催は3回、その内のべ23家族と21寺院の参加がありました。各事業終了後、それぞれ課題や反省点もありましたが、終了後のアンケート調査から見ても、とても良い取り組みだったように思います。
この事業を通して、参加者と寺院、門信徒が「遠い親戚」となり、北海道と被災地の心の交流をしていただくことがその願いです。
◎道外事業
道外事業では、被災地視察で岩手・宮城・福島へ行き、本願寺仙台別院にてジンギスカンやじゃがバター、ほたてバターなどの北海道ならではの炊き出し事業を行いました。仙台別院や福島の寺院2カ所で落語家・桂雀々師匠をお迎えして落語会を開催もいたしました。
◆むすびに
総括書を制作するにあたって、点検・評価を加えるというのは慣れた作業ではなかったので苦戦することも多々ありました。
一つひとつの事業においての数値目標を明確に定めていた訳ではなかったので、終了後のアンケート調査等も重要な指標となりますが、事業の目的や目標の明確化の必要性を感じました。
また社会に向けて運動を実践しようとするとき、他団体との協働は欠かせない要因となることも実感できました。宗派を超えて、それぞれの思いを持ったなかで協働することは容易ではありませんでしたが、いずれも1年だけでなく、続けて開催をし、他の団体と信頼関係を結ぶことができたことはとても大きな成果だと思います。
そして、今後の活動に期待の声をたくさんいただき、続けて実践していくことの重要性を感じております。
東日本大震災で受けた傷跡はとても大きく、復興への道のりはまだ遠いものであります。将来的には、重点プロジェクトとしての目標は災害支援とは違うものに移行していくでしょうが、できる限り災害支援をテーマとして掲げ、継続した活動に取り組んでいきたいと思います。そしてこの3年間の重点プロジェクトを推進できたことは、たくさんの方々の支えとご協力があったからです。支えてくださった皆様にこの総括書を通して報告と感謝の気持ちが伝われば幸いです。