東京教区鎌倉組 お寺で出会い、集い、つながる活動を

東京教区鎌倉組善了寺では、実践目標を「日常の寺院活動:一人ひとりが大切にされる場所作り」とし、お寺でのデイサービスをはじめNPO法人とも協力しながら、お寺が本来持っているコミュニティーを活かす活動を続けています。
◆社会福祉活動を担う寺院でありたい 「還る家ともに」
「還る家ともに」(かえるいえともに)は、善了寺が運営する少人数制のデイサービスです。生老病死と向き合える場所が少なくなっている社会で、地域における社会福祉活動をお寺が担いたいという住職・坊守の思いから、平成17年4月に介護保険事業所としてデイサービスをはじめました。
だれもがいつでも還ってくることができる場所であり、どれだけ歳をとっても、どのような障がいがあっても「その人らしくあたりまえの生活を続ける場所・第二の家」でありたいと願い「還る家ともに」という名前がつけられました。
利用者にそれぞれのペースで過ごしてほしいので特にタイムテーブルを決めておらず、どうすれば利用者の方が思い思いに過ごせるか、その人らしさを自然に引き出すことのできるスタッフの育成にも力を入れています。
少人数制だからこそ、全ての利用者と密接なコミュニケーションをとることができ、「いつでも顔を見られる関係」でいることが、リラックスして過ごしてもらうことにもつながっていきます。
また、日頃から施設にご門徒さんが手伝いに来てくれるなど、「還る家ともに」は設立から約10年を経て、お寺を拠点とした地域とのつながりを築いています。
◆お寺から、地域にひろがるご縁
善了寺では、デイサービスだけではなく、地域や地元の学生たちを交えた活動も広げています。善了寺がある横浜市戸塚で、環境文化活動を実践してきたNPO法人カフェ・デラ・テラと協力して、多様な活動を展開しています。
具体的には、地域コミュニティーの活性化を柱として、お寺でヨガをしたり、ワークショップや落語の寄席、年に2回、夏至と冬至に電気を使わず、ろうそくの灯の中で思い思いの時間を過ごすキャンドルナイトなど、催す行事によって善了寺はさまざまな姿をみせます。お寺が、地域の人や学生さんと協力しながら、都会で希薄になりつつある人との繋がりや関係性をもっと広げていきたい―そんな住職の思いが善了寺を拠点に発信されています。
今後も寺院、門徒、施設職員、学生や地域が一体となった活動を精力的に進めていきます。