地域での活動レポート

本願寺名古屋別院 Oneコイン朝市

中部2014/11/10
  • 教区活動

◆昔のような活気溢れた町に

 本願寺名古屋別院は、中京都市圏における浄土真宗本願寺派の中心道場として活動しているお寺です。近くには、大須観音(真言宗智山派別格本山)や東別院(真宗大谷派名古屋別院)といったお寺があり、昭和の始め頃までは、お彼岸やお盆の時期になると、東別院から西別院へ参拝し、大須に立ち寄って買い物をして帰るというルートがあり、町全体が活気に溢れていました。
  現在も大須商店街には人が集まり賑わっていますが、東西別院への参拝者は昔ほど多くありません。西別院前の門前町通り(仏壇通り)には、人の行き来はあるものの、境内に入ってこられるのはごく一部の方です。西別院が通りから少し入ったところにあるため、門信徒以外の方にはあまり知られておらず、まずは西本願寺の名古屋別院がここにあること自体をアピールする必要があることと、昔のような活気溢れた町にしたいとの思いから、新たな取り組みを模索していました。

◆「西別院Oneコイン朝市」「東西別院寺町まちづくり協議会」

 そこで、2013年5月より親鸞聖人のご命日(旧暦)である28日に東別院において開催されている、「東別院てづくり朝市」と連携して、西別院も同じ日に境内で朝市を開催することにしました。「西別院Oneコイン朝市」と名付け、「人と地域がつながる、温かさが溢れる朝市」をキャッチフレーズに、門信徒だけでなく、近隣の方や、大須に買い物にきた人なども気軽に立ち寄ってもらえる朝市をめざして、2014年4月より開催しています。
 さまざまな宗派の寺院が集まる東別院から西別院界隈は、「寺町」と呼ばれ、昔ながらの伝統を受け継ぐ仏壇店、和紙店、和菓子店等の老舗とともに、おしゃれな喫茶店、パスタ店、開店即完売のパン屋等もあり、散策してみるとさまざまな魅力に出会えます。
 そんな寺町の魅力を多くの方に知ってもらい、昔のようなにぎわいを取り戻したいと、東西別院と地域の商店有志などが集まって「東西別院寺町まちづくり協議会」を結成しました。
 まちづくり協議会では、寺町の魅力をたくさん盛り込んだ「寺町めぐりおさんぽMAP」を作成し、朝市や寺町のお店等で配布しています。今では、このおさんぽMAPを片手に寺町界隈を散策される方も見かけられるようになり、地域の飲食店の方も「最近はおさんぽMAPを見て、ランチタイムにお越しくださる方が増えました。少しでも多くの方に知っていただくご縁となって有り難いです」と話されるなど、人と地域のつながりが広がりつつあります。
 また、境内だけでなく本堂にも入ってもらい、西別院をより身近に感じてもらいたいと、本堂で「寄席」や「雅楽演奏」、「囲碁サロン」、「子ども縁日」、「伝統工芸職人展」等を開催しています。
 「西別院Oneコイン朝市」が、門信徒や地域の方に今まで以上に親しみやすいお寺と感じてもらえるきっかけに、そしてどなたにも気軽に西別院の境内や本堂に入ってもらい、新たなご縁を結ぶきっかけとなることを期待しています。
 また、近隣の東別院や商店、地域の方々とつながり、共にアイデアを出し合い協力することで、昔のような活気のある寺町を取り戻すことが、新たなご縁づくりの土台になることを願い、これからも地域と共に歩んでいきます。

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