鹿児島教区東隅組 覺照寺 ~弾痕残る寺で空襲体験談~

◆こどもたちに平和の尊さをつたえる
東隅組の覺照寺では、例年行われているサマースクールの内容に加え、今年は特別な行事を取り入れました。
覺照寺には太平洋戦争中にアメリカのグラマン機により機銃掃射を受けた弾痕が多数残っています。これまでのサマースクールでも、住職が子どもたちにこの弾痕を見せ、非戦平和の大切さを伝えてきました。
しかし、戦争体験者の高齢化が進む中、戦争の記憶を次の世代に伝えるために、今年は当時の様子を実際に覚えておられるご門徒さんにお越しいただいて、覺照寺サマースクールで子どもたちに戦争時の話をしてもらうことにしました。
当時12歳だった頃に経験した戦争の悲惨さ、恐ろしさ、そして命あることの尊さを話すご門徒さんに対して、子どもたちは熱心に耳を傾け、「食べ物がなかった戦時中にくらべると、今の私たちは幸せだと思う、絶対に戦争をしてはいけない」と、戦争のない世界にしないといけないことを学び取ってくれた様子でした。
◆お寺がサンガであるために
鹿児島教区では、「御同朋の社会をめざす運動」の教区テーマを「お寺がサンガであるために~活動に つながりと広がりを~」に定め、重点プロジェクトの実践目標を「日常の寺院活動」とし、子どもをはじめ、すべての人の「居場所としてのお寺」になるため、さらには寺院が地域社会に根ざした活動を展開する「発信・受信」の場となるよう、組織を育て、浄土真宗のみ教えを伝えていくことをめざしています。
この目標のもと、鹿児島教区ではキッズサンガの更なる発展に力を入れています。このたびの覺照寺での取り組みは非戦平和の学びを深めるとともに、お年寄りが活躍できる場を子どもたちの集まる場所に設けることで、世代を越えての交流が盛んになり、本来の開かれたお寺の姿があらわれ、真のサンガが築かれていくものでした。
今後も、「御同朋の社会をめざす運動」鹿児島教区委員会は教区全体の窓口として、仏婦や門徒推進員など、関係団体間の連携強化をはかり、教区一丸となって「次代」において中心となる宗教的情操豊かな青少年の育成をめざしていきます。
サマースクール(流しそうめん)