大掃除をきっかけに<山陰教区大田西組瑞泉寺、富山教区善解組妙覺寺>

日本たばこ産業株式会社(JT)では2004年より、"吸う人も 吸わない人も ここちよい世の中へ"をキャッチフレーズとする「拾えば街が好きになる運動」を展開しています。それと同じように、掃除に参加することで、お寺や仏教に関心をもっていただくという取り組みを2つのお寺が行っています。
「お寺が大事だからお掃除をしたい」と言ってくださる方もおられますが、今後、少なくなってくるかもしれません。これからは「お寺に関わってもらう」ことでお寺を知り、仲間ができ、お寺が自分の大切な場所となるという参加型の活動を行うことが大切だと思います。
瑞泉寺では、2006年より「門徒は家族」をスローガンに、「私のお寺」の意識を高める「清掃奉仕」活動が行われています。毎年6月・11月、境内樹木の剪定、除草作業、仏具磨きの奉仕作業に約60名が汗を流します。現在では恒例行事となり、樹木には「○○さんの松」「○○さんの椿」と担当するご門徒の名前がついているほど。心を込めて山内の荘厳に務めることで「私のお寺」の愛着が深まり、お聴聞するお同行の姿も少しずつですが増えています。
妙覺寺では、2006年の継承法要を機に、「海の日」(7月第3月曜日)を「寺の日」と定め、住職だけでは手入れが困難な境内にある庭木の剪定などを、5名のご門徒と始めました。2017年、第12回目となる日は20戸ほどの集落にもかかわらず約63名が参加し、裏山や境内の剪定を約2時間かけて行いました。仏教婦人会のメンバーは、作業の後半から昼食準備です。
作業後は、境内の一角でバーベキュー、振る舞われた食事を囲んで交流会が行われました。最近では、この交流会を楽しみに、集落を離れて暮らすご門徒の参加が増え、作業をきっかけに世代交代が実現するなど、年1回の掃除を通じてお寺との絆を深める行事となっています。
瑞泉寺の様子
妙覺寺の様子