地域での活動レポート

岐阜教区揖斐組善立寺「カフェギャラリー『縁舎』」

中部2021/08/20
  • 地域活動

◆「お寺の中にゆったりとくつろげる場を」

 ワックスのかかった木目の床に、暖色系の照明。タンゴやジャズのレコードが流れる室内で、コーヒーや焼きたてのパンを楽しむ人たち。

 岐阜県揖斐川町の善立寺(川瀬善忠住職)は、境内にある築100年ほどの旧保育園舎を改修して、毎週水・金曜限定のカフェギャラリー「縁舎」を今年4月にオープンさせました。門徒や近所の人、SNSで知ったという若者らが集い、「お寺のカフェ」でゆったりと過ごしています。

 カフェを企画し、切り盛りするのは善立寺衆徒の川瀬富士美さん。「法事などでお寺に集う人たちが、お茶を飲みながら話したり過ごせる空間があれば」と、川瀬住職の長男・慈さんと結婚してから長年温め続けてきた思いを形にしました。

 建物は、大正時代に建てられた長瀬保育園の園舎。昭和58年に閉園した後も、報恩講などのお斎会場として活用してきました。富士美さんが約1年かけて一人でリノベーション。「人や言葉が行き交う新たな出会いの場」にと、昔の建具や床を磨き、天井や壁にペンキを塗ってカフェに仕上げました。かつての園児たちの息吹も感じてもらいたいと、保育園の教卓をテーブルに再利用するなど、手作りの温かさを感じさせる店内です。

 メニューは、自家製のパン、川瀬住職が育てたサラダ菜やじゃがいも、ニンジンなどの入った野菜サラダ、エチオピア文化の研究者である慈さんを通じて仕入れたエチオピアモカなどのドリンクがセットになった「モーニング」(写真)や、サンドイッチプレートのブランチなど。飲食業の経験がなかった富士美さんを、パン屋を営んでいた吉田ひろみさんがサポートしています。

 取材で訪れた6月9日、店内では〝常連客〟の中森実さんと不破定子さんが談笑していました。共に一人暮らし。「ここに来れば顔なじみに会える」と、共通の趣味である絵画の話題などで話に花を咲かせます。中森さんが「一人で空を眺めながらコーヒーを味わう日もあれば、こんな日も。今まで喫茶店に入ったこともなかったが、昔から知っているお寺だから落ち着く」というと、仏婦会員の不破さんは「〝ご縁〟にかけたネーミングもいい」とうなづきます。

 富士美さんは「中森さんが2回目の来店時に『いつもので』と注文してくださったのが、涙が出るほどうれしかった。皆さんのそういう場であれるように大切に続けていきたい」と話しました。

 

営業時間は9時半から16時まで(要予約)。
問い合わせは「縁舎」TEL:090-5627-8700

※『本願寺新報』(2021年7月20日号)に同内容を掲載しています。